『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『最後のジェダイ』でレジスタンスのカルアン・イーマットを演じ、方言指導を務めたアンドリュー・ジャックさんが、現地時間3月31日(火)にイギリスの病院で新型コロナウイルス(Covid-19)による合併症により亡くなったことを代理人が発表しました。76歳でした。
シリーズの方言指導のほか『ハン・ソロ』ではモロックの声役も
アンドリュー・ジャックさんは1980年代から台詞指導として活躍されており、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作では中つ国の言語の訛りを作り、2004年の『トロイ』ではギリシャ語とトロイ語のアクセントをデザインし、指導しました。
『スター・ウォーズ』シリーズでは、イーマット役にて俳優として出演(『フォースの覚醒』では少佐、『最後のジェダイ』では将軍)。
『フォースの覚醒』では、スターキラー基地を攻撃する作戦を立てる際に会議に参加していたほか、『最後のジェダイ』でクレイトの反乱軍基地の塹壕の前でファースト・オーダーを確認する姿が印象的でした。
ちなみに、イーマットは反乱軍時代からハンやレイアとは旧知の仲で、『フォースの覚醒』公開時に刊行されたスピンオフ小説「おれたちの船って最高だぜ! ハン・ソロとチューバッカの冒険」、「反乱軍の危機を救え! レイア姫の冒険」では、若き日のイーマットが登場します。
また、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ではモロックの声を演じているほか、方言指導では『フォースの覚醒』、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、『最後のジェダイ』、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に参加。
映画の方言指導では、2021年公開予定の「The Batman(バットマン)」が最後となりました(「The Batman」自体の撮影も中止となっていますが)。
『スター・ウォーズ』キャスト/スタッフの悲しみの声
アンドリューさんの妻で、自身も方言指導者のガブリエレ・ロジャースさんによると、アンドリュー・ジャックさんが新型コロナウイルスの陽性であると診断されたのは亡くなる2日前だったということで、ガブリエレさんも先週ニュージーランドからオーストラリアに渡航してきたため、隔離期間となっており最後に会うこと、話すことも出来なかったほか、葬儀が行われない可能性も代理人は示唆しています。
We lost a man today. Andrew Jack was diagnosed with Coronavirus 2 days ago. He was in no pain, and he slipped away peacefully knowing that his family were all 'with' him.
Take care out there, lovers x@RealHughJackman @chrishemsworth @RobertDowneyJr pic.twitter.com/fm5LevA8n2
— Gabrielle Rogers (@GabrielleRoger1) March 31, 2020
『スター・ウォーズ』キャスト/スタッフからも、悲しみの声が上がっています。
C-3PO役のアンソニー・ダニエルズさんは、方言指導と俳優の双方でのアンドリュー・ジャックさんの素晴らしさを讃えています。
I had a good day today. Then I heard Andrew Jack had been killed by the C.Virus. He was a joy to be with on the new trilogy. As dialect coach, he helped the cast get it right through his talent and humour. As an actor, his distinguished features made him stand out in any scene. pic.twitter.com/p4HFsFknfl
— Anthony Daniels (@ADaniels3PO) March 31, 2020
テミン・ウェクスリー役のグレッグ・グランバーグさんは、アンドリューさんが今まで一緒に働いた中で最も優しい人の一人であると、『フォースの覚醒』の撮影時の写真とともに投稿。
Devastated to hear of the passing of the wonderful, talented, beloved gentleman #AndrewJack. He is one of the kindest people I’ve ever worked with. Please stay safe. Please stay home!!! #RIPAndrewJack pic.twitter.com/VqmmGkxaOF
— Greg Grunberg (@greggrunberg) March 31, 2020
『フォースの覚醒』のJ.J.エイブラムス監督も、SNSでおなじみのメモ形式で故人を惜しみます。
pic.twitter.com/zcAR7tHgL4https://www.bbc.com/news/uk-england-sussex-52111530— JJ Abrams (@jjabrams) March 31, 2020
ロン・ハワード監督と交代する前の『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の監督のひとりであったクリストファー・ミラーさんは、オールデン・エアエンライクさんにウーキーの言語であるシリウーク語をアンドリュー・ジャックさんが指導する際に、2人がうがいをして唸り合っていたのが忘れられないとコメントしています。
Andrew Jack was the dialect coach on SOLO, and a kind and thoughtful man. We asked him to teach Alden to speak Shyriiwook, and I’ll always remember listening to them gargle-roar at each other back and forth.
RIP https://t.co/ivlE7q4guB— Christopher Miller (@chrizmillr) March 31, 2020
自分に出来ることをして、希望をつなぐ
世界規模で多くの影響を与えている新型コロナウイルスですが、日本で志村けんさんが亡くなったことのように、多くの著名人にも感染者だけではなく亡くなる方も出始めており、ショックが広がっています。
アンドリュー・ジャックさんだけではなく、『スター・ウォーズ』にも新型コロナウイルスによる様々な影響が出ています。
在宅率が高まったこともあってか、『スカイウォーカー夜明け』のデジタル版が前倒しでリリースされたほか、反対にコミックは発売延期、カリフォルニア、フロリダ、パリ、東京、香港、上海の各ディズニーランドは休園、世界的なコスチューミング団体の501部隊とレベルリージョンもイベント活動を休止しています。
昨年2019年に「スター・ウォーズ セレブレーション シカゴ 2019」の会場となったマコーミックプレイスは、今や臨時病院にする準備が進められています。
8月には「スター・ウォーズ セレブレーション アナハイム 2020」がカリフォルニアにて予定されていますが、アメリカが国民の行動を制限しているほどの現状を考えると、個人的には開催がかなりきびしくなってきているのではないかと感じます。こちらは公式発表を待ちましょう。
『スター・ウォーズ』のキャストであり、スタッフでもあるアンドリュー・ジャックさんが亡くなるに至り、世界中のファンが大きなショックを受けるとともに、新型コロナウイルスがもたらした影響の大きさに慄いているかと思います。
『スカイウォーカー夜明け』で盛り上がっていた頃には、まったく想像出来なかった事態が起きています。2020年、こんなはずじゃなかった。
そんな中で、また心置きなく好きなものを楽しむ世界にするためには、今、自分に出来ることをするのみなのでしょう。
今は暗い時代かも知れませんが、レジスタンスのようにじっと希望をつないでいきましょう。お互いに距離を取らなければならなかったとしても、我々は1人ではありません。
これを読んでいる皆様の健康をお祈りします。どうか、フォースがともにあらんことを。
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