東北の夏の風物詩である青森ねぶた祭の8月1日(土)に行われた前夜祭にて『スター・ウォーズ』ねぶたがお披露目されました。
日本文化から強い影響を受けた『スター・ウォーズ』をモチーフにしたねぶたは、和風でありながら違和感なく『スター・ウォーズ』になっているという、期待を裏切らない仕上がり!
『スター・ウォーズ』を浮世絵風に描いた80年代のパナソニックの広告の頃からこうした和風アレンジは定番ですが、日本伝統のお祭りに『スター・ウォーズ』がここまで参加したのは初でしょう。
『スター・ウォーズ』ねぶたは全4台 シークレットは「フォースの覚醒ねぶた」!
『スター・ウォーズ』ねぶたは全部で4台あり、C-3POとR2-D2、『スター・ウォーズ』ロゴが載った「ドロイドねぶた」、『エピソード6/ジェダイの帰還』のルーク・スカイウォーカーとプリクエル・トリロジーのヨーダ、『エピソード4/新たなる希望』のオビ=ワン・ケノービの「ジェダイねぶた」、ダース・ベイダー、ダース・モール、パルパティーンの「シスねぶた」の3台までは事前に発表されていました。
青森ねぶた祭前夜祭セレモニーまでシークレットにされていた4台目のねぶたは、レイ、カイロ・レン、BB-8の「フォースの覚醒ねぶた」!
やはり『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の新キャラクターで来たか!カイロ・レンはちゃんと十字ライトセーバーを出しています…BB-8も早速和風アレンジされましたが、違和感なし!
青森ねぶた祭期間中「 ワ・ラッセ」にて展示
そんなインパクト大な『スター・ウォーズ』ねぶたですが、青森ねぶた祭の中での運行はされず、8月2日(日)~8月7日(金)までの青森ねぶた祭開催期間中、観光施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」にて展示。
2台を「ワ・ラッセ」内の展示スペース(入館しないと見られない)、残りの2台を屋外の西側広場にて無料展示することになっており、『スター・ウォーズ』ねぶたの展示場所は日にちによってローテーションが組まれています。
せっかく作った『スター・ウォーズ』ねぶたが、祭り本番で運行されないとはもったいない…
『スター・ウォーズ』ねぶたが 祭本番に運行出来ない理由とは
この『スター・ウォーズ』ねぶたが祭り本番で運行出来ない件は、複数のニュースで様々な理由が挙げられています。
祭りの運行上、この大きさの ねぶた4台を一斉に夜間運行出来ない
まず、『スター・ウォーズ』ねぶた4台を一斉に夜間運行すると、1団体あたりの運行要項を超えてしまい、他の大型ねぶたがコースを1周回りきれなくなる祭りの運行上の問題。
『スター・ウォーズ』ねぶたは伝統に合わない、 祭りは映画のPRの場ではない
一方、『スター・ウォーズ』ねぶたは祭りの伝統に合わない、ねぶた祭りは『スター・ウォーズ』のPRの場ではないという、祭りの実行委員会からの反対によるもの。
多くの媒体は、この「地元が『スター・ウォーズ』ねぶたを反対した」という理由にフォーカスしているようです。
反対理由の疑問点
『スター・ウォーズ』ねぶたは祭りの伝統に合わない、ねぶた祭りはPRの場ではないという理由は、「ラブライブ!」ねぶたや「モンスト」ねぶたが登場している時点で理屈に合わない気がしており…
『スター・ウォーズ』ねぶたは、ねぶたの最大サイズの約半分の大きさが4台もあるため、小型の「ラブライブ!」ねぶたなどと違い、祭りの規制にひっかかったという理由の方が納得がいきます。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/02/star-wars-nebuta_n_7922898.html
別の祭り関係者は、スター・ウォーズねぶたの運行で「ハネト」と呼ばれる踊り手の希望者や沿道の観客が急増すれば、雑踏警備が追いつかなくなる懸念もあった、と打ち明けた。(毎日新聞)
という、『スター・ウォーズ』ねぶたによる混雑も理由に挙げられているのですが、
実行委のコンベンション協会の担当者は「キャラクターの話題性では、観光客の急激な増加は見込めない」と話している。
と、「別に『スター・ウォーズ』ねぶたで急にお客さんは増えないよ」という矛盾する話も出てきており、お祭りの関係者間でもかなり見解が違うことが伺えます。
映画側から青森市にねぶた祭りへの参加を打診した時期が、昨年秋という話がある一方、今年4月とある記事もあるのが気になる。半年も開きがあるのは大きい…
また『スター・ウォーズ』ねぶた実施までの経緯の中で、夜の運行が難しくなった後にも8月7日(金)の昼の運行を青森市は提示していたようなので、「『スター・ウォーズ』は祭りの伝統に合わない」という理由では、なぜ最終日の昼間がOKであるかがわからず、これは後付けなのではとも思ってしまいます。
その後も運行の可能性について、市は青森観光コンベンション協会や青森商工会議所などと打ち合わせを重ねたが、最終的に夜の運行は断った。市はディズニー側に1日の前夜祭セレモニーか、7日の昼運行への参加を提示。ディズニー側は前夜祭を選んだ。(Web東奥)
結局、前夜祭か最終日の昼間かの二択を迫られたディズニーは、より注目度が高くパブリシティが取れる前夜祭セレモニーを選んだということになります。
マス広告だけではなく、ローカルイベントも重視の傾向 『フォースの覚醒』宣伝プロモーション
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のプロモーションでは、ローカルイベントで大々的に取り上げてもらうという宣伝方針を感じます。
札幌雪祭り、田んぼアートでも『スター・ウォーズ』が題材に
2月には「第66回さっぽろ雪まつり」、そしてねぶた祭と同じ青森県では現在、色が異なる稲を使って田んぼに模様を描く田んぼアートで『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が題材となっています。
田んぼアートでは、C-3POとR2-D2、そしてここでも『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の新キャラクターのBB-8が田んぼとは思えない精微さで描かれているという、インパクトのある展開です。
なぜかこの夏、青森県にフォースの集中が起きている…
『スター・ウォーズ』がローカルイベントと組む理由
このように『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』がローカルイベントと組む理由を考えてみます。
●各地でイベントを行うことで、日本中で盛り上がっている雰囲気を出せる
●日本文化から影響を受けただけあって、日本の風景に『スター・ウォーズ』が合いやすい
●地域でも大きなイベントで、意外性のある展開を行うことでの話題性
●費用をかけて広告を出すよりも、イベントの題材にしてもらい様々なメディアに
ニュースとして取り上げてもらうことで費用を抑えつつ、作品露出が獲得出来る
最大の理由は、4つ目のパブリシティの獲得ですね。上の3つの理由はパブリシティをより獲得するための方法です。ここまでの展開を見ると、多くのメディアに取り上げられているので実際に成功しているように思えます。
ローカルイベントは各方面の理解が不可欠
今回は、そのローカルイベントでの取り組みで何やらあって思うように事が進まなかったようですが、伝統やしきたりも多く、また地域住民の理解が不可欠なローカルイベントは調整事がとても多そうです。
上記で書かれた反対理由のひとつのように、伝統を守ってきた方々にとっては『スター・ウォーズ』、ディズニーが来た!という黒船的な感情も起きるでしょうし…
青森ねぶた祭という全国的に知名度が高い日本の伝統文化と、『スター・ウォーズ』を融合させるというのは、今回ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンにとって大きなチャレンジだったと思います。
今後も『フォースの覚醒』公開に向けて、同様に地方でのさらなる展開も考えているような気がしますが、今回の件を活かしながら意外性がありながらも、ファンも協力者も納得のプロモーションを期待したいと思います。
『スター・ウォーズ』ねぶた展示終了後の活用に期待!
『スター・ウォーズ』ねぶたが運行する様子が青森ねぶた祭で見られないのは残念ですが、青森市によるこの記述に期待です。
「8月7日の展示終了後のねぶたの活用予定はあるのですか?」
その活用については、協議中です。詳細は後日決定いたします。
せっかく作ったんですからね…『スター・ウォーズ』ねぶたが、青森の新しい名所になるかも…
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