今朝の日本テレビ系「ZIP!」で放送された「なぜスター・ウォーズは女子にも刺さるのか?」を見まして、色々と思うことがあったので筆を取りました。
まずは、ご覧になっていない方も多いと思うので番組の流れを追ってみましょう。
「ZIP!」『スター・ウォーズ』女子特集再録
女性にも広がる『スター・ウォーズ』人気
導入部では、『エピソード1/ファントム・メナス』公開時に日劇に集結したファンの映像などを用いながら、前提としてこれまで『スター・ウォーズ』は男性ファンが多かったことを説明。これは私個人の長年の実感や、キャラクターデータなどから言ってもその通りかと思います。
しかし、先日の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』レッドカーペットイベントや「スター・ウォーズ展」でも女性が多く見受けられ、女性誌でも『スター・ウォーズ』特集が組まれるなど、今や女性層にも盛り上がりが来ていることを紹介。
次に、渋谷の街頭インタビューの映像に。父親の影響で『スター・ウォーズ』ファンになったという高校生と大学生が登場。21才の方は、なんと名前がレイアさん!子供が出来たらレイと名付けるとか…すごいなぁ。というか、渋谷の街中で『スター・ウォーズ』好きな女性を探したら偶然レイアさんがいたのか…
映画を見ていなくても『スター・ウォーズ』ファン
続いて、『スター・ウォーズ』展を開催中の横浜そごうの物販売り場へ。ここでアンケートに答えた女性20人中11人が、『スター・ウォーズ』の映画を見たことがないことが判明!
彼女たちはまず、かわいらしいデザインの『スター・ウォーズ』グッズからキャラクターを好きになったことが、ディズニーストア渋谷店の様子を織り交ぜながら紹介されます。
低価格で買えてデザイン性も良いユニクロも、気軽に買える『スター・ウォーズ』グッズとしてエントリー層は入りやすかったのでしょう。『スター・ウォーズ』ロゴ入りのアパレルを着た女性も登場します。
『スター・ウォーズ』女子、コレクターと出会う
続いて、10代後半〜20代前半と思われるファン歴の浅い女子たちの座談会へ。今発売されているコップのフチの『スター・ウォーズ』などのグッズや、チョコエッグ スター・ウォーズなどを「超かわ!」と絶賛している様子が映されます。
ただこの座談会が始まる時、ショボい市販コスチュームのダース・ベイダーが現れると女子たちからは大歓声があがったんですが、これはさすがに「すごいリアクションしてください!」って番組ディレクターから言われたんだろうな、と邪推してしまいました…この辺は、テレビなんで。
そのうちの一人の子(だったと思う)が、ファン歴が長い『スター・ウォーズ』コレクターの自宅へ行き、コレクションの数々を見ることに。いわば『スター・ウォーズ』ファンの先輩です。部屋一面の様々なコレクションに歓声を上げる女性に、「『スター・ウォーズ』は人生」と語るコレクター氏。
ここでスタジオに戻り、このコーナーは終了となりました。
映画を見ていないと、ファンではないのか?
さて、この「ZIP!」の放送終了後、「『スター・ウォーズ』の映画も見ていないのに、ファンを名乗るなんて!」という反響が主にTwitter上で見受けられました。
私が、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開前夜の今、この番組内容とこうした反応を見て思うのは、「かわいいグッズが入り口だって、好きになったならいいじゃん!」ということ。
この考えに至ったのは、今の『スター・ウォーズ』を取り巻く環境からです。
数々のタッチポイントを持つディズニーキャラクター
まず、今の『スター・ウォーズ』はご存知の通りウォルト・ディズニーのプロパティです。
映画やアニメ、TV作品を製作して、世界中に知られているキャラクターを生み出し、数々のグッズを展開し、他社の流通店だけではなくディズニーストアという自前の店舗網でも販売し、テーマパークやイベントなどあらゆるタッチポイントを持っています。まさにエンタテイメント、キャラクタービジネスの帝国!
ディズニーキャラクターは、このように人々のあらゆる生活領域で日常的に接触している上に、そのキャラクターデザインから「キャラクター(グッズ)の見た目がかわいいから、欲しい!」という動機付けが成立します。
ストーリーを知らなくても、 「かわいい」からグッズが欲しくなる
普通のキャラクターであれば、映画、アニメ、マンガといったストーリーを気に入ってから、その作品の関連商品が欲しくなるというのが基本的な導線。例えば「仮面ライダー」の本編を見ているから、変身ベルトの役割や魅力が浸透して欲しくなる、といった具合です。
これらの例外として代表的なのが、グッズ発のキャラクター。わかりやすいところで言えば、多くのサンリオキャラクターや「リラックマ」などのファンシー系キャラクター。ディズニーキャラクターはアニメ映画などの原作を持ちながらも、これらに近い特性があると言えます。
「ミッキーマウス」のグッズを持っている人は、みんなミッキーマウスが登場するアニメ作品を見ているでしょうか?「くまのプーさん」のグッズを持っている人は全員、映画を見ているでしょうか?マリーのグッズを持っている人は、「おしゃれキャット」を見ているでしょうか?『カーズ』の服を着ている幼い男児は、本編を見ているか?『リロ&スティッチ』は?
ディズニーキャラクター以外でも、「ムーミン」や「スヌーピー(ピーナッツ)」の原作本を読んでいなくても、そのキャラクターがかわいいからグッズを買うという人が多い、というのと同じですね。
ディズニーキャラクターになった『スター・ウォーズ』
今回の「映画を見ていないけど、『スター・ウォーズ』ファンという女子」が出現したという現象からは、あらゆるタッチポイントを持つディズニーの元で『スター・ウォーズ』もこうしたキャラクターのひとつになった、ということが言えるのではないでしょうか。
R2-D2も、プーさんのように見た目がかわいいからグッズが欲しくなる、というキャラクターになったのです。これまでよりもファンになるきっかけや切り口が増えたと思えば、わかりやすいかと思います。
「今」はグッズを入り口に、 新作映画で「ストーリー」に触れることが出来る
「今の『スター・ウォーズ』を取り巻く環境」と前述した理由にはもうひとつあって、それは新作映画『フォースの覚醒』の公開時期であるということ。
グッズを入り口に愛着を持ち、興味を持てば、世間の話題性も後押しして映画館に足が向きやすいでしょう。はじめて見た『スター・ウォーズ』が『フォースの覚醒』、素晴らしいじゃないですか。ファンの数だけ、『スター・ウォーズ』との最初の出会いがあります。
興味を持つことから、すべては始まると思います。
自分の心のままに、 『スター・ウォーズ』を思う存分楽しんで
私も数年前なら、ルーカスフィルムがウォルト・ディズニーの傘下に入る前であれば「映画を見ていないなんて…」という反応をしたかも知れない。でも、時代は変わって『スター・ウォーズ』も変わっていきます。
「映画を見ていない者は、『スター・ウォーズ』ファンにあらず」という風潮が作られるのは、「『スター・ウォーズ』を好きになること」へのハードルを上げるだけで、幸せになる人が多くなることはないと思うんです。
『スター・ウォーズ』をよく知っているファンは、『スター・ウォーズ』の中で繰り返し語られてきた「共生」というテーマを思い出して欲しい。異質そうに見えるものとぶつからず、理解して共に生きること。
ほら、ジャージャー・ビンクスも「みんな仲良く!」って精神の持ち主だったでしょ?これ、私は好きなんです。
まだ見ぬ新たなる仲間達へ。
いかにも『スター・ウォーズ』に詳しそうな人達がなんと言おうと、自分の中で『スター・ウォーズ』が、そして『フォースの覚醒』が素晴らしいと思ったら、それで良い。自分の心のままに、『スター・ウォーズ』を思う存分楽しんでください。
コメント
知り合いにもキャラクターが好きだけど、そんなに詳しくはないって方がいますねー。
「このキャラクターはどんな人?」とかで会話が弾んだりもします。
キャラクターなど映画以外からスター・ウォーズの世界に入ってファンになる事は大いに歓迎すべき事です。自分が好きだと思うものは他人が何と言おうとも、ファンであると思います。
スター・ウォーズが好きになったならどのエピソードでもいいので、是非とも一度映画を観てみて欲しいですね!映画を観てまた違った楽しみなども見つかるかもしれませんからね!
中学生の姪に、私の持ってるDVDやスピンオフ小説を少しずつ貸し続けてたら、
私以上のファンになってて、
フォースの覚醒より、スピンオフ映画のほうに強い関心あるようです。
>真のBFを待つ者さん
そうですね!入口は本当に幅広くなったと思います。
そして、やはり映画も見てストーリーやビジュアル面の素晴らしさも知って欲しいですね!
>バスケが好きさん
それは素晴らしいです…
今後はスピンオフ映画が2本公開予定ですし、
スピンオフ小説の邦訳も多くなってきているので今後が楽しみですね!