『スター・ウォーズ』の撮影に実際に使用されたマスクや、『スター・ウォーズ』のヴィンテージトイなどが展示されていた、7月に開催の「KITAHARA Collection in HANEDA Airport SF&ROBOT 展」で見た『スター・ウォーズ』関連コレクションの数々をご紹介!
羽田空港 第2ターミナルのフライトデッキトーキョーにて行われていたこのイベントでは、テレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」などへのご出演でおなじみの北原照久さんのコレクションのうち、宇宙やロボットといったSF関連の玩具が展示されており、その中に『スター・ウォーズ』関連のアイテムも多く展示されていました。
『スター・ウォーズ』第1作目公開当時のヴィンテージトイやコミックのほか、なんと『スター・ウォーズ』の撮影に実際に使用されたマスクまで、貴重なコレクションの数々です!
カンティーナのエイリアン、ゴウタルの撮影使用マスク
中でも私が一目見たかったのが、ゴウタルの撮影使用マスク!ゴウタルは、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のカンティーナのシーンに登場したエイリアンです。
あのカンティーナのシーンの撮影に使用されたマスクを、まさか日本で見られるとは…
『エピソード4/新たなる希望』のカンティーナのシーンに登場したゴウタルの個体名は、フェルティパン・トレヴァッグです。フェルティパン・トレヴァッグは、腐敗した徴税人で、登場シーンで同じテーブルにいたミーユム・オニスに惚れているという設定。
「スター・ウォーズ:コレクションカードゲーム(カスタマイザブルカードゲーム)」では、フェルティパン・トレヴァッグもカード化されています。というわけで、本物のマスクと一緒に撮影。
2014年にそれまでの『スター・ウォーズ』スピンオフ作品の多くは「レジェンズ」として整理され、正史(カノン)とは区分けされましたが、そのレジェンズの設定ではフェルティパン・トレヴァッグはバウンティハンターでもあり、賞金首のオビ=ワンを追っていました。
数ある惑星の中からタトゥイーンまで絞り込んで、オビ=ワンがやって来たカンティーナにいたので、かなり惜しいところまでいっていたのでしょうか…もしかしたら優秀なバウンティハンターなのかも知れません(オビ=ワンと遭遇出来ても、勝てないでしょうが…)。
また、放射を感知してドロイドを追跡出来る能力も持っているほか、「スター・ウォーズ コレクションカードゲーム」のエキスパンション「Special Edition(特別篇)」では、「Feltipern Trevagg’s Stun Rifle(フェルティパン・トレヴァッグのスタンライフル)」という専用武器まで登場。本編に一瞬しか登場していないのに、ここまでの設定が出来るとは…これが『スター・ウォーズ』です!
レジェンズでのフェルティパン・トレヴァッグは、夢中になっていたミーユム・オニスの種族がヘネムシィであったばっかりに、この種族の婚姻の儀式によって殺されてしまうという末路を辿ります…
このゴウタルは、政治風刺漫画家のロン・コップによって考案・デザイン。このロン・コップによるコンセプトアートは、「スター・ウォーズ アイデンティティーズ:ザ・エキシビション」に展示されています。コンセプトアートの段階では、ポージングがやや女性的な感じです。
原画も撮影使用マスクも日本にいながらにして見られたなんて、すごい!
このロン・コップによるコンセプトアートを元に、リック・ベイカーが制作したのがこのマスク。リック・ベイカーから日本人の造形アーティストの方の手に渡り、さらに北原照久さんの元にやってきたとのことです。
元々の色合いなのか、ラバーの変色なのかはわかりませんが、全体的に茶色い色合いです。
体毛は、顔の両側とあご、そして角の間の頭頂部に確認出来ます。
目にはうっすらと黒目が見られます。
下顎の歯もしっかりと確認出来ますが、形状は人間の歯に近く、肉食動物のような尖った歯ではありません。頭部の角を見ると、やはり草食動物であるヤギを参考にしたのでしょうか。
いや~、これはすごいものを見られた…
と、他の展示も見ていたところ『スター・ウォーズ』仲間のSAWSUIさんに偶然会場でお会いし、本物を見られた感動を語り合うなかで、このゴウタルマスクはあの「スター・ウォーズ ホリデースペシャル」に使用されたのではないかという説を教えて頂きました。
「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」は、『スター・ウォーズ』の大ヒットを受けて1978年にテレビで放映されたスペシャル番組。
マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャーらオリジナルキャストが出演しているものの、多くの特撮シーンは『スター・ウォーズ』からの流用で、放送時間の大半はチューバッカの家のホロテレビに映る番組(お料理番組とか)が流れるなど、構成のバランスの悪さとチープさが目立ち、そのあまりの出来栄えにビデオパッケージが一切発売されることのない幻の封印作品となってしまいました。
そんな「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」にも、タトゥイーンのモス・アイズリー宇宙港のカンティーナのシーンがあり、ここで登場するゴウタルはフェルティパン・トレヴァッグとは別の個体のドラトゥン(Dratun)とされていて、確かに体色や細部の造形が異なっています。
『エピソード4/新たなる希望』にはフェルティパン・トレヴァッグのほかにもう1体、ゴウタルが登場しているのですが、いずれも体毛がグレーであるため、このドラトゥンは「ホリデー・スペシャル」のために『エピソード4/新たなる希望』で使われたマスクを流用して改造したものか、新規造形されたものではないかと、StarWars.comの2013年の記事に推察が書かれています。
比較のため、WookieepediaのDratunのページから画像を引用します。関係ないですが、テーブルの左側にあるグラスジョッキがあまりにもフツーで異世界感がなく、気になってしまう…
右の方がやや長い角の形状や、体色、体毛が付いている位置が似ているように思えます。
断定はできませんが、あの幻の「ホリデー・スペシャル」にも使用されていたものだとしたら、ますます興奮します!なかなかお目にかかれないコレクションを拝見させて頂きました。
『スター・ウォーズ』ヴィンテージトイコレクションの数々
このほかにも、このイベントでは『スター・ウォーズ』のヴィンテージトイが多く展示されていました。
オールドケナーのラージサイズフィギュア。非常に状態が良く、まるでつい最近発売された新商品かのようです。会場で北原照久さんにお話を伺ったところ、普段は倉庫に仕舞われてため良い状態で保管されているそうです。貴重なコレクションはこうして守られているのですね…
『スター・ウォーズ』のオールドケナーフィギュアの発売当時から、「これは絶対に価値が出てくるものだから」と北原さんは周囲に話していたそうで、なんと各6個ずつ購入されていたそうです!夢のようなお話…
こちらはダース・ベイダー、ストームトルーパー、ボバ・フェット。等身のバランスやディテールに味があります。
これらの展示の側には、先日来日された『スター・ウォーズ』シリーズでファースト・オーダー ストームトルーパーなどを演じたデヴィッド・M・サンタナさんと、同じく『フォースの覚醒』でトルーパーを演じたサマンサ・アリーさんが2016年に来日された際のサインと記念写真が!
頭上には、大型のナブーN1スターファイターとミレニアム・ファルコンが!
ラージサイズのフィギュアほどのスケールで、こんなおもちゃはなかったのでは…と思ったところ、日本のトイザらスでディスプレイに使用されていたものだそうです。
モールドはざっくりとしていて、随所のデザインはステッカーで表現されています。プラスチックでこんなに大きなディスプレイをしていたとは、夢のある装飾です。北原さんも、ここまでのものを作れる時代だったとおっしゃっていました。
タカラのスーパーコントロールR2-D2。ラジコンで動くR2-D2です!これは当時の子どもたちの憧れのおもちゃだったでしょうね…ドーム型の頭部の銀メッキもピカピカで、白いボディにも汚れはほとんどなし。今でも憧れますね。
箱の「超音波でミサイル連続発射‼︎」というコピーも素敵。値札もそのままになっており、当時をしのばせます。
コントローラーから伸びているアンテナも、当時の雰囲気を感じさせてくれます。
このスーパーコントロールR2-D2、なんとミサイルを連続発射するギミックも搭載!そんなシーンなかったでしょ!さすがのR2でもあからさまな武器は積んでないよ!ちなみに黄色のディスクがミサイルです。
同じくタカラの「ダイカスト ダース・ベーダー」と「ダイカスト シースリーピオ」は、当時の造形が味わい深い日本のメーカーによるフィギュア。
マントをビニールで再現したダース・ベイダー。箱を見ると、当時の「ライトサーベル」の表記が確認出来ます。
「ダイカスト シースリーピオ」もまた、当時のロボットのおもちゃの感じが残っており、味わい深い造形です。目が赤いのは、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』よりもはるかに早い?!
このほかにも、「ダイカスト アールツーディーツー」をはじめとした数々のR2-D2のおもちゃが。
mpc/RevellのC-3POのプラモデルの箱。
ヴィンテージトイではありませんが、Xウィングのモデルも展示。Xウィングのフォルムのカッコよさが堪能出来ます…
また、漫画やSF・怪奇小説のほか、昔のアメコミも展示されている中でマーベルの『スター・ウォーズ』コミックも。
35セントほどで、あの映画の世界のまだ語られていないストーリーを体験することは、当時のファンや子どもたちにとってワクワクすることだったでしょう。
入口の付近にあったのは『スター・ウォーズ』のフランス版ポスター。ビジュアルはおなじみのアートですが、タイトルロゴやコピーがフランス語に。
なにより、サイズが大きい!一般的な映画ポスターの中で大きめのサイズであるB1(B全)よりも広い面積です!
北原さんは1978年の『スター・ウォーズ』日本公開時、来日したマーク・ハミルとお会いして家にあるコレクションの数々を見せたそう!すごいエピソードの数々ですね…
『スター・ウォーズ』そのもののコレクションではありませんが、C-3POのデザインの元となった『メトロポリス』のマリアのスタチューも。
R2-D2のご先祖様といえる『禁断の惑星』のロビー・ザ・ロボットのおもちゃもあり、「SF&ROBOT 展」ということでクラシックSFがいかに『スター・ウォーズ』に影響を与えたかについても思いを馳せられました。
カンティーナのシーンで実際に使用されたゴウタルのマスクをこの目で見られただけではなく、そのマスクについて話し合えたり、ヴィンテージトイのコレクションの数々を北原照久さんご本人にお話を伺いながら拝見出来たという、楽しい夏の日のイベントでした!また多くの方々が、その貴重なコレクションを目にする機会が出来ればと思います。
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