元祖『スター・ウォーズ』パロディ映画『ハードウェア・ウォーズ』が、日本でまさかのDVD化が決定!こ、こんなものまで出てしまうとは・・・
『ハードウェア・ウォーズ』は、1977年に『スター・ウォーズ』が公開され世界中が熱狂する中、ブームに便乗してひと山当てるべく、そのわずか7ヵ月後にハイパースペースのスピードで制作された、世界で最も早い商業ベースの『スター・ウォーズ』パロディ短編映画。その内容は・・・
『スター・ウォーズ』を 家電に置き換えた脱力パロディ!
『スター・ウォーズ』が人気を獲得した要素のひとつでもある、宇宙戦闘機による迫力の戦闘シーンは、そのタイトルの通り全て家電に置き換えて表現!アイロンやトースター、ワッフルメーカーが宇宙を飛ぶ!
しかし、オリジナルが持つSFXの革新さは見る影もない!宇宙を飛ぶアイロンは、モーションコントロールカメラではなく明らかにピアノ線で吊っている!爆発も、爆竹レベルの小規模さ。これにはILMも脱力間違いなし!
キャラクターも、ハン・ソロならぬハム・サラダなどふざけたネーミングで、マーク・ハミルを百倍に薄めたかのような、今でいう「コレジャナイ」感あふれる面々をキャスティング。フォースを欠片も感じられません。
しかも、チューバッカの役回りは某「セサミストリート」のクッキーモンスターが茶色くなったキャラクター!R2-D2に相当するRTデコは、ただの掃除機!その相棒の4Q2は、『オズの魔法使い』のブリキの木こりのまんま!サブキャラに至るまで徹底してナメきっています。これはひどい・・・
唯一『スター・ウォーズ』と肩を並べられるのは、予算のほとんどをナレーションのギャランティにつぎこみ、『スター・ウォーズ』の予告編と同じポール・フリースを起用した点くらい。
『スター・ウォーズ』パロディのパイオニア作品
そんな、今流行りの「ユルい」という言葉で済ませては、道徳上よろしくないと思われる『ハードウェア・ウォーズ』ですが、『スター・ウォーズ』のパロディでは間違いなくパイオニア的作品。
『スター・ウォーズ』公開直後の一番乗りのパロディということもあり、ファンの愛着は強く、ルーカスフィルムが主催する2003年の「スター・ウォーズ ファンフィルムアワード」では文字通りのパイオニア賞を受賞し、2010年の「TIME誌が選ぶスター・ウォーズファン映画トップ10」では6位に選出。その他、世界の20以上の映画祭で受賞しています。なんとジョージ・ルーカスも、「お気に入りのパロディ作品だ」と発言!
現在では、無数の『スター・ウォーズ』ファンムービーが製作されており、ファンによる二次創作が『スター・ウォーズ』自体を盛り上げてきましたが、まさにその始祖と言えるのが『ハードウェア・ウォーズ』なのです。
これがなければ、『スペースボール』もなかったし、今ほど『スター・ウォーズ』ファン動画も盛り上がっていない・・・というのはきっと言い過ぎでしょう。
本編以上のボリュームの映像特典を収録
DVDの映像特典は、ディレクターズカット、スピンオフ、異国バージョン、海外オリジナル予告編など、本編(13分)を軽く超える約40分の大ボリューム!
発売は、2013年1月30日(水)。レンタルは2月8日(金)より開始。なぜ今、『ハードウェア・ウォーズ』DVD化なのかというと、『スター・ウォーズ』公開36周年記念だかららしい・・・そこは素直に日本公開35周年記念で良いのでは・・・
B級どころかZ級映画だし、本編も短いので、マジメな『スター・ウォーズ』ファンが過度な期待を持って見ると悲劇的なガッカリっぷりを味わうことウケ合い。トホホな仕上がりを楽しめる方にはおすすめしたい一作です。
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