書籍「STAR WARS パパはダース・ベイダーになった」が11月28日(木)に刊行されます。
本書はなんと、日本人のアーティスト・ユニットであるグリヒルがイラストを描いた、世界初の日本オリジナル『スター・ウォーズ』絵本です!
ある日、男の子がいつものように家に帰宅すると、なんとパパがダース・ベイダーになっていた…という、『スター・ウォーズ』ギャラクシーでのストーリーではなく、現実の日本の家庭を舞台にしつつもお父さんがダース・ベイダーになっている…?というちょっと不思議でユニークなストーリーとなっています。
ある日、パパがダース・ベイダーになっちゃった
ルーク・スカイウォーカーのような立派なジェダイになるという夢を持つ、『スター・ウォーズ』が好きな8才の少年・ひかり。
ある日、ひかり君が学校から帰ると、ひかり君のパパがおかしな様子…
首から下はカジュアルな服装のお父さん、という感じですが頭にはダース・ベイダーのヘルメットをかぶっています。完全に映画『ファンボーイズ』のポスタービジュアル状態で、「おかえり!ひかりくん!きょうからわたしがおまえのちちおやだ!」と言うお父さん。
パパ、大丈夫?『スター・ウォーズ』の公開が近いから、気合入っちゃってるの?という感じですが、ともかくひかり君のパパはダース・ベイダーになってしまいました!
公園で親子らしく、キャッチボールをするひかり君とダース・ベイダーになったパパ。「なかまになれ!しゅぎょうをかんせいさせてやる!」と、ひかり君を特訓します。ダース・ベイダーは強いので、今のひかりには倒せません。
『帝国の逆襲』のクライマックスと同様に、ダース・ベイダーになったパパはひかり君を強くさせようと、あのセリフを投げ掛けていますね。
運動だけではなく、勉強も教えてくれるダース・ベイダーになったパパ。
算数が苦手なひかり君が「とうさん、たすけて……!」と助けてを求めても、『ジェダイの帰還』でパルパティーンのフォース・ライトニングを受けて苦しむルークを見つめるダース・ベイダーのごとく、沈黙するパパ。
この後は「NO!」と叫んで勉強を教えるのを拒否するか、勉強を教えて助けてくれるのか、どうなるのでしょうか…ダース・ベイダーになったパパは、ヘルメットの下で葛藤しているのかも知れません…小学校低学年の勉強なら、普通に教えてあげなさいよと思いますが!
ひかり君とダース・ベイダーになったパパは、お父さんと息子らしく一緒にお風呂にも入ります。
日本の住宅らしいお風呂に、ダース・ベイダー(のヘルメットを被ったパパ)が入っているのがシュールな光景です。お風呂でもヘルメットを取れないんだ…
湯舟に浮かぶXウィングのおもちゃを、フォースで引き揚げようとするひかり君。
『帝国の逆襲』のルークは、ダゴバの沼地に沈みかけたXウィングを引き揚げようとして、信じる力が足りずにヨーダに助けてもらいましたが、ダース・ベイダーになったパパは「フォースがつよいやつだ!」とほめることで伸ばす教育方針の模様(このセリフは『新たなる希望』より)。
日本の家庭で繰り広げられる、ダース・ベイダーになった父とその息子の物語の行方は?父と子の二人で銀河を支配するのか、またはあこがれのルーク・スカイウォーカーのように、息子の思いが父をダークサイドから救い出すのか…
親子が迎える衝撃の結末とは、一体…
イラストは日本人アーティスト・ユニットのグリヒル
この「STAR WARS パパはダース・ベイダーになった」のイラストを描いたグリヒルは、作画担当のササキさんとカラリストのカワノさんの日本人アーティスト・ユニット。
学生時代からの友人同士のお二人は北海道出身であり、札幌で会社勤めをしていた時にマーベル・コミックが日本人アーティストを募集していると聞き応募され、現在ではなんとマーベル・コミック、DCコミックで描かれているアメコミアーティストとして活動されています!
また、日本ではイラストはもちろん、アニメやゲームのキャラクターのデザインを行うなど、幅広い活動をされています。カートゥーンテイストのタッチで、デフォルメを効かせたキャラクターが特徴的。もちろん日本のマンガ・アニメのテイストも持ち合わせているのも、アメコミの中で光る絵柄となっています。
『スター・ウォーズ』関連ではすでに、「スター・ウォーズ英和辞典」シリーズにて挿絵を担当していることでもおなじみですね。
Twitterによると、「STAR WARS パパはダース・ベイダーになった」のひかりは、グリヒルの甥っ子がモデルとのこと。これを踏まえて絵本を読み返してみると、また違った面白さを感じられそうです。
ありがとうございます〜。甥っ子がモデルです。
— グリヒル (@Gurihiru) November 14, 2019
日本人アーティストによる日本を舞台にした日本オリジナルの『スター・ウォーズ』絵本
『スター・ウォーズ』の劇中のパロディを交えつつ、ダース・ベイダーとその息子の親子の関係を描く絵本といえば、「ダース・ヴェイダーとルーク(4才)」がありますが、「STAR WARS パパはダース・ベイダーになった」は『スター・ウォーズ』の世界ではなく、現実の世界を舞台に普通の男の子を主人公にしている点が、これまでの『スター・ウォーズ』絵本になかったアプローチといえるでしょう。
日常の中で、異質な他者(または異質になってしまった者)が現れるというのは日本の絵本によくあるフォーマットですが、これを『スター・ウォーズ』でやってきた点が面白いですね。
ちなみに、「ダース・ヴェイダーとルーク(4才)」のジェフリー・ブラウンの最新作「STAR WARS レイと仲間たち」が邦訳でも刊行されています。
『スター・ウォーズ』ファンにはおなじみのセリフやシチュエーションの数々を交えながら描かれる、日本人アーティストによる日本を舞台にした日本オリジナルの『スター・ウォーズ』絵本ということで注目の一冊である「STAR WARS パパはダース・ベイダーになった」。
日本のファンにとっては自身に近い日常を舞台にしており、お父さん世代ならずとも親近感の湧く作品かと思います。
随所の『スター・ウォーズ』の名セリフだけではなく、ひかり君の家が『スター・ウォーズ』グッズだらけな点もファンは思わず目がいってしまうところ!
講談社より11月28日(木)に刊行され、価格は1,580円(税別)。
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