映画は総合芸術である、と言われている。
舞台芸術のように脚本を書き、演技をし、セットを建て、小道具、大道具を調達する。
シーンの構図や構成は絵画の要素があるし、準備段階では絵コンテ(ストーリーボード)やコンセプト・アートも作られる。
そこに音楽や効果音をつけ、よりドラマチックに、臨場感を与えていく。もちろん映画(映像)独自の表現であるカット編集も、素材に新たな意味を持たせる。
一つの映画に膨大な人数のスタッフが関わり、たくさんの芸術作品を生み出しているのだ。そういった意味で、確かに映画は総合芸術といえる。
さらに、スターウォーズを製作するために必要なものは一から創造しなければならない。全てが異世界であるため、部屋の照明用具や、イス、テーブルなど、ちょっとしたものでも新しくデザインし、作り上げなければならない。どこかから借りたりはできないのだ。
スターウォーズ映画の製作者たちは文字通り、誰も見たことがない光景を見せるため、腕を振るう。
「アート・オブスター・ウォーズエピソード3シスの復讐」には、シスの復讐という一本の映画を作るための数多くのデザインワークが収められている。
脚本がまだ完成していない段階のコンセプト・アートから、本編撮影で使用されたプロップ、セット、衣装、そしてさらに編集段階で必要になったデジタル・マット・ペインティングまで見ることができ、いかに多くの職人達が素晴らしい作品を作ったかがわかるのだ。
また、本編ではボツになったデザインも登場。キツネザル人間がボツになってよかったと本当に思う・・・
アート・オブ・スターウォーズエピソード3展ではこの本に収録されている作品の実物を見ることが出来る。見に行く前、または後に読んでおくとよりアートワークを多角的に楽しめることと思う。
また、エピソード3の製作過程を追ったメイキング・オブスター・ウォーズエピソード3シスの復讐はこの本と姉妹本となっているので、ぜひ併読をおすすめする。
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