リトルファルコンというスター・ウォーズ私設ファンクラブをご存知だろうか?1980年、「帝国の逆襲」公開時に結成され、会員数は約2000名。なんと結成25周年にもなる老舗ファンクラブだ。
この「ぼくたちのスター・ウォーズ」はリトルファルコンがスター・ウォーズ完結にあたり、これまでの活動の節目として企画されたものである。多感な時期にスター・ウォーズと出会い、やがて大人になった世代を本書では「スター・ウォーズ・ジェネレーション」と呼んでいる。ひとつの映画シリーズを通して同じ時代を過ごした者たちのことだ。
ユニークなのが執筆者名がハンドルネームで表記されていること。また、その執筆陣も、スター・ウォーズの鉄人の管理人じょじょ♪氏、スター・ウォーズ研究サイトホス・プレスや「スター・ウォーズ「新三部作」完全解読本」などの著者である樺沢紫苑氏、JAPAN STAR WARS.COMのSirtan氏、「ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー」の「スター・ウォーズクイズ100問全部正解できたら100万円」で見事100万円を勝ち取ったDuke氏など、この世界では有名な方ばかり。
座談会などで初期のエピソードが語られるのだが、結成当時は女子高生が集まってできたファンクラブだったということに驚愕!中高生が中心だったので、会合は飲み会ではなくお茶会というのがほほえましい。
DVDなんてあるはずがないので、映画館での体験がすべて。だから覚えた字幕をノートに書き取り、サントラを聞きまくる!この熱すぎる熱意!
ネットもメールもなかったので、手書きの会報に文通、連絡は電話連絡網!今ではネットの普及により、たとえ小中学生でも情報交換に参加できる。
こんな時代だからこそ、本書から引用すると「遠いんだけど近い関係」という事を、私もインターネットで発信している者の端くれとして心掛けていきたい。
旧三部作終了後、冬の時代が訪れるのだが、その間もグッズを集めてスター・ウォーズファンはなんとかしのいでいた。
その中でもカスタマイザブル・カードゲーム(CCG)について語られたじょじょ♪氏のコラムに共感!CCGは恐ろしく散財しないと集まらないトレーディングカードなのだ。CCGの楽しさ、集める喜び、そして全然集まらない恐ろしさがひしひしと伝わった・・・
そして迎えた特別編の公開、それに続くプリークェル!再びスター・ウォーズの時代が来た!インターネットの波が押し寄せ、大きな団体となったリトルファルコン。この復活後の活躍がこと細かに描かれている。
本書は「シスの復讐」公開前に出版された本なので、当然ながら「シスの復讐」のムーブメントについては書かれていない。ぜひ日本スターウォーズ史を総括した加筆版を出して頂きたいものである。
とはいえ「シスの復讐」については矛盾点などを追求した研究コラムが載っているので、「シスの復讐」で納得いかない点があったらこちらを参照して欲しい(それでも納得いかないかも知れないが)。
また、旧三部作のオリジナルと特別編とDVD版の変更点リストは実に詳細に記載されており、資料価値はかなり高い。おそらく一番詳しい変更点リストなのではないだろうか。
オールドファンには自分のスター・ウォーズ史と照らし合わせて懐かしくなり、若いファンは昔のファンの様子やコラムで非常に勉強になる一冊。
紙面から湧き上がる熱意を感じろ!
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