「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」第6話「また友達がいなくなる」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

スター・ウォーズ:スケルトン・クルー レビュー/トリビア
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 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」第6話「また友達がいなくなる」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」第6話「また友達がいなくなる」のストーリーやレビュー(感想・考察・批評)、トリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」第6話「また友達がいなくなる」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」の他のエピソードについては、以下のカテゴリーからご参照ください。

スター・ウォーズ:スケルトン・クルー レビュー/トリビア
ディズニープラス(Disney+)で配信中の『スター・ウォーズ』実写ドラマシリーズ「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」のレビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
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「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」第6話「また友達がいなくなる」レビュー

子どもたちだけの冒険

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 子どもたちは、大人やドロイドもなしで、自分たちだけの力で冒険を続けなければならない。

 ジョッド・ナ・ナウッドがアト・アティンの宝を求めるという目的のため本性を現し、これまで大人として、またフォース感知者としての力を抑えることなく子どもたちに向けたことで、「海賊を分かっていな」かった子どもたちは「バリアを越えてはるか遠くへ」やって来て以来、はじめて4人だけで知らない場所に放り出されることに。子どもたちだけの冒険は、この第6話からスタートしたということになるだろう。

 第6話「また友達がいなくなる」は子どもたちとジョッドが道を分かち、それぞれがどのようにラニューパを発ってアト・アティンへと向かうのか、シリーズの終盤に収斂する前段となるエピソードだ。そして、その道の中で子どもたちの心が交わされるハートウォーミングなドラマがこの「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」ならではの持ち味となっている。

 ジョッド・ナ・ナウッドがファーンに挑戦権を行使して降参させ、その配下となったSM-33がウィム、ニール、ファーン、KBを監禁しようとする中、ウィムは機転を効かせ、タック・レノッド船長の隠れ家の仕掛けを使ってその場を切り抜け、スカル・リッジ山ホテル&スパの外まで脱出。

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 しかし、シューターを滑り降りて落下した際に、サイバネティック補正装置に不具合が発生したことでKBが動けない状態に。

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 一方、ジョッド・ナ・ナウッドはスカル・リッジ山ホテル&スパのプラットフォームに出るも、すでにそこを制圧していたブルータスの海賊たちに囲まれてしまう。

 前話のエンディングから、ついにその本性を表して子どもたちに襲いかかり、SM-33を従え、フォースを操り、ライトセーバーまで手にしたジョッドが大暴れする…かと思いきや、SM-33に攻撃を命じるもすぐに機能停止させられ、あっさりとブルータスの海賊に捕まってしまう。ジョッドらしいオフビートな展開だ!包囲され、捕らえられてもなお口八丁で宝の儲け話で懐柔しようとする様子は、ハン・ソロを思い起こさせる。

 だが、ブルータスの海賊たちがジョッドを連行しようとした時、上空にXウィングが飛来して海賊たちを攻撃。

 Xウィングが海賊の宇宙船を追跡していく様子を地中から見ていた子どもたちは、Xウィングがそのまま飛び去ってしまい落胆するが、KBはアト・アティンの座標は記憶しているという。

 ファーンは崖の上にあるオニックス・シンダーへと登って戻ろうと主張するが、KBは他人の話を聞かない独善的なファーンの態度を非難。

 ウィムも崖を登ろうとするファーンに反対し、周囲に現れたゴミ・ガニたちが言語を発している様子から、この群れについて行こうとする。KBはウィムの案に賛同し、崖を登るファーンにはニールが帯同することに。

友達を救ったジェダイ

 Xウィングの攻撃から逃れ、ジョッド・ナ・ナウッドを乗せた宇宙船はブルータスが率いる海賊たちのステーションに到着。ブルータスは、ジョッドことシルヴォに死刑を言い渡す。

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 海賊の掟により、反論の機会を与えられたジョッドは海賊たちの満たされない欲望を刺激する演説を展開。旧共和国のクレジットが無尽蔵にあるというアト・アティンの場所を知っていると明かし、海賊たちの心をつかむことに。ブルータスも、宝がなければ死刑ということでアト・アティンへ連れて行くようジョッドを脅す。

 ゴミ・ガニの後を追うウィムとKBだったが、KBはサイバネティック補正装置が錆びて動けなくなってしまう。

 第3話「航行に問題のあるとても面白い星」では、KBは緊急で医療を受けさせる必要があることをアト・アティンにいる保護者が話していたほか、第5話「お前たちは海賊を分かっていない」では、レノッド船長の隠れ家をスパの中で探す展開にKBは行けないと主張し、ファーンから湯気で錆びることが理由かと指摘されているなど、KBのコンディションについてはこれまでにも布石が打たれていたが、ついに顕在化してしまった形だ。

 一方のファーンとニールはオニックス・シンダーを目指して高所を登っていたが、お互いの体格差もあり上手く進まなくなってしまう。

 ウィムはKBの指示通り、周囲の廃材からモーターを集めて点火ワイヤを外し、KBのサイバネティック補正装置の後頭部にある共振器のケースから極小ヒューズを外して地面に型を取り、融解させた点火ワイヤで替えのパーツを作成。

 この作業の中で、KBがサイバネティック補正装置を使うようになったのは過去に事故に遭ったことが示唆され、またKBにとってはファーンは事故の後もKBが以前と同じように動けると思っているようであり、身体的な問題から崖を登ることに反対することは、お荷物だと思われ、また友達がいなくなってしまうと考えたため、ファーンには言えなかったとKBはニールに吐露する。

 そんなKBに、ウィムは自分とニールは友達のままだと言い、無事にKBの異常も直すことに成功する。

 事故によってサイバネティック補正装置に頼るようになり、唯一の友達であるファーンにも見捨てられないようがんばってきたKBの孤独な心と繊細な命を、ウィムは思いがけずウィムは憧れのジェダイのように救うことになったのだ。

 それは第1話「ホントの冒険ができるかも」で、危険などが迫った時に人々を助けられるようになりたいと授業中に発言していたことを叶えたことになる。

 2人が素直に純粋な気持ちを話し合うこのシーンは、マジックアワーのような夕景と、KB役のキリアナ・クラッタ、ウィム役のラヴィ・キャボット・コニャーズの随所に印象的な表情を残す演技により、少年少女時代の友情をさわやかに表し、このエピソードのハイライトとなっている。

 このあたりは、幼少の頃より父であるロン・ハワード監督作品に出演してきた、第6話「また友達がいなくなる」のエピソード監督であるブライス・ダラス・ハワードならではの演出の影響もあるかも知れない。

子どもたちならではの素直な友情

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 しかし、ウィムとKBが後を追ったゴミ・ガニたちが導いた先には、巨大なゴミ・ガニが待ち受けていた。

 ファーンとニールも、ニールにロープを巻きつけて共に登っていたが、運ばれていくオニックス・シンダーを目撃してこれに飛び移り、ウィムとKBの元へと操縦。

 ゴミ・ガニに追われるウィムとKBもオニックス・シンダーに飛び乗るも、ゴミ・ガニが投げつけた岩によって牽引されていたオニックス・シンダーはバランスを崩して落下。子どもたちも振り落とされたものの、4人は無事に再会を果たす。

 ウィムが選んだ道は、ゴミ・ガニの罠であった。ウィムはオニックス・シンダーを取り返したファーンを称賛するが、ファーンもまた人の話を聞き入れなかったことを反省し、KBに謝る。

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 そしてKBも、出来ないと言うことが怖かったとファーンに謝罪。親友だから大丈夫だと、ファーンとKBはお互いの思いを確かめ合う。

 しかし、オニックス・シンダーは廃品として処理されようとしていた。4人の子どもたちは、ラニューパから飛び立つために必要なオニックス・シンダーを守れるのか…

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 仕切りたがり屋で、独善的なところがあるファーンと、そんな彼女に着いていくため、出来ないと言うと「また友達がいなくなる」ことを恐れていたKB。これに何かとファーンと衝突してきたウィムを交え、お互いに持っている良いところを認め合う素直さが、少年少女時代特有の打算のない友情を表している。

 このドラマ展開はキャラクターを大人にしては白々しくなるかも知れず、なかなか出来ないものだ。ステータスや所得や仕事もない子どもの役だからこそ、屈託のない思いを発露しても違和感がない。

 オニックス・シンダーに迫るさらなる危機も、お互いに協力することを覚えた子どもたちにとってはもう大丈夫。

 仕切りたがり屋なファーンは、裏を返せば周囲から頼られる存在だ。そんなファーンが決断し、緊急措置として船殻を外して飛び立っていくオニックス・シンダーの姿は、やむを得ず自分たちだけの足で歩いてきた子どもたちの成長や、その先の新たな変化に重なって見える。

 主人公であるウィムたち4人の子どもが家であるアト・アティンへ帰る際には、「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」の主役であったジョッド・ナ・ナウッドが、宝を求める海賊たちを率いる者として立ちはだかることになるだろう。

 『ピーター・パン&ウェンディ』ではフック船長を演じていたジュード・ロウ。フォース感知者である海賊は、子どもたちにとってフック船長以上にやっかいな存在になるはずだ。

「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」第6話「また友達がいなくなる」トリビアチェックポイント

『グーニーズ』のような脱出

 タック・レノッド船長の隠れ家の仕掛けを使って脱出した子どもたちは、スカル・リッジ山ホテル&スパの外までシューターを滑り降りていく。

 これは『グーニーズ』で、子どもたちがフラッテリー一家から逃げるためウォータースライダーのような洞窟の中の小川を滑り降り、片目のウィリーの海賊船があるドックまで辿り着くシーンと似ている。

ジデク

 スカル・リッジ山ホテル&スパのプラットフォームに出たジョッドの周囲には、『最後のジェダイ(エピソード8)』でカント・バイトのカジノ内に登場した歌手のアッブラ・モルブロと同じ種族のジデクの姿が見られる。

 また、ジデクと同じ『最後のジェダイ(エピソード8)』に登場した種族である、ガサ・エルバファイの種族と、削除されたシーンに登場するグレイラ・スティンディの種族がこのシーンで見ることが出来る。

ゴミ・ガニ

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 ウィムとKBに襲いかかるゴミ・ガニは、『新たなる希望(エピソード4)』のデジャリック・ホロチェスや、『帝国の逆襲(エピソード5)』でのAT-ATのストップモーション・アニメーション、『ジェダイの帰還(エピソード6)』でのマックス・レボなどのジャバの宮殿のクリーチャーの制作、また『フォースの覚醒(エピソード7)』、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』、『スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』でのデジャリック・ホロチェスを手掛けたフィル・ティペットのティペット・スタジオによって制作されている。

 ティペット・スタジオは、「マンダロリアン」シーズン2、シーズン3、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」でもストップモーションVFXで参加。

 このゴミ・ガニには、ミレニアム・ファルコンやAT-AT、「マンダロリアン」シーズン2に登場したスクラップ・ウォーカーの一部やXウィングのパネルのほか、R2-D2、K-2SO、C-3POがそのまま取り付けられている!

 さらに、ティペット・スタジオの制作チームの名前をオーラベッシュで刻んだプレートがゴミ・ガニの裏側に隠されており、遊び心に富んでいるのだ。

 ティペット・スタジオのアニメーターは、このゴミ・ガニを錆びた外殻から無数の鋭いトゲが付いており、不注意でそれらに刺されてしまうと破傷風(Tetanus)にかかってしまいそうなことから、「テットニス(Tet’niss)と名付けたという。

https://www.starwars.com/news/skeleton-crew-tippett-studio-interview

 「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

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2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。

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