io9.comより。
現在公開中の『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の前章にあたる新三部作の第1作『ホビット 思いがけない冒険』の上映で話題となっている新技術HFR 3D(ハイ・フレーム・レート3D)。
実は、ピーター・ジャクソン監督が『ホビット 思いがけない冒険』をHFR 3Dで制作することを決めた背景には、「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」の影響がありました。
ピーター・ジャクソンが「スター・ツアーズ」を 見たことが、『ホビット』HFR 3D制作のきっかけに
HFR 3Dは、これまでの映画が1秒あたり24フレームだったところを倍の48フレームにすることで、画面のちらつきを消し観賞する人の目への負担を軽減させ、よりシャープな3D映像が実現出来るというもの。
ピーター・ジャクソンは、ディズニーランドに行った時にハイ・フレーム・レートで制作された「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」を見たことも、HFR 3Dでの制作を決定するきっかけになったと語っています。
「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」の他にも、ピーター・ジャクソンが若い頃に見たニュージーランドのスキーリゾートの観光ビデオや、自身が制作に携わったカリフォルニアのユニバーサル・スタジオのアトラクション「キング・コング360 3D」にて、既に毎秒60フレームの3D映像を制作していることも、『ホビット 思いがけない冒険』のHFR 3D化決定の要素となったとのこと。
『ホビット 思いがけない冒険』 HFR 3D IMAXレビュー
というわけで、『ホビット 思いがけない冒険』HFR 3DをIMAXで上映しているユナイテッド・シネマとしまえんにて見てきました。
明るくクリアな3D
全体的には、2D上映の映画と比べても遜色がないくらいに、これまで見てきた3D映画よりも明るくクリアな映像という印象。映像の情報量が多く感じられ、デジタル技術をフル活用して作り込むファンタジー映画とは相性が良いのではないかと思いました。『ホビット 思いがけない冒険』は3時間の長尺作品ですが、そこまで目は疲れなかったです。
HFR 3Dの評判でよく言われているように、映像がクリアでなめらか過ぎるため、TVドラマのように重厚感がなく生々しい質感は確かに見受けられましたが、個人的にはオープニングのエレボール襲撃シーンが気になったくらい。他のシーンでは、中つ国の壮大な世界観を表現する上でマッチしていたと思いました。
また、これは3Dの問題かも知れませんが、人物が遠景で撮られたシーンがミニチュアっぽくなっていた部分は少し気になりました。
中つ国に帰ってきた! 『ロード・オブ・ザ・リング』ファンは必見
そんな技術で作られた『ホビット 思いがけない冒険』は、中つ国に「おかえりなさい」と迎えられたかのごとく、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作と変わらない世界が展開され、『ロード・オブ・ザ・リング』ファンならなつかしさと相まって、新作を見られているという感慨深さで充実の3時間となるでしょう!
ただ、原作の「ホビットの冒険」の要素と合わせて『ロード・オブ・ザ・リング』三部作につながる闇の勢力の動きも盛り込んでいるため、既に「スペシャル・エクステンデッド・エディション」になっているかのようなお腹いっぱい感もあり、ストーリーの流れは『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の方が「指輪を捨てに行く」というシンプルさが見やすかったと改めて思いました。
「スター・ツアーズ: ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」が楽しみ!
これは想像ですが「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」や「キング・コング360 3D」などの3D映像を使ったアトラクションはライドが動くので、より肉眼に近い3D表現の方が、人の目にギャップを与えず安全という事情があるのかも知れません。
総じて、このハイ・フレーム・レート3D映像で『スター・ウォーズ』の世界が表現されるのは合う気がしたので、「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」の日本上陸がより楽しみになったのはもちろん、『スター・ウォーズ エピソード7』ではどのような映像技術で制作・上映されるのかも気になってきました・・・
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