『スター・ウォーズ』新作ショートアニメシリーズ「Star Wars Galaxy of Adventures(スター・ウォーズ ギャラクシー・オブ・アドベンチャーズ)」の展開が発表され、予告編が公開されました!
「スター・ウォーズ ギャラクシー・オブ・アドベンチャーズ」は、11月30日に新しくオープンする StarWarsKids.comとStar Wars Kids YouTube channelにて、最初の6話が公開されるということで、今回の発表から間もなくシリーズが展開されます。
『スター・ウォーズ』の名シーンを、 ダイナミックにアニメ化!
「スター・ウォーズ ギャラクシー・オブ・アドベンチャーズ」の予告編では、『スター・ウォーズ』オリジナル・トリロジーの名シーンの数々が、日本のアニメを彷彿とさせるようなダイナミックな2Dアニメーションになっています。
ライトセーバーを振るうルーク・スカイウォーカー、Xウィングやミレニアム・ファルコンといった宇宙船の戦闘、またルークがランドスピーダーで疾走するシーンまでも、実写映画よりも強調されたアクションや構図で描かれており、ショートアニメとはいえそのカッコ良さに期待感が高まります…
基本的には『スター・ウォーズ』シリーズの名シーンをアニメで再現しつつも、一部を拡張するような方向性のように見受けられ、『エピソード4/新たなる希望』のルークがタトゥイーンらしき夜の荒野でライトセーバーをスタイリッシュに振るったり、レイアがタンティヴⅣらしき場所でかなり派手にストームトルーパーたちと戦うなど、映画では見られなかったシーンもアニメらしいオーバーな表現で描かれるようです。
また、オリジナル・トリロジーだけではなく『エピソード2/クローンの攻撃』のヨーダ対ドゥークー戦も予告編で見られるので、プリクエル・トリロジーも題材になるのでしょう。
新世代のキッズ層のための『スター・ウォーズ』
「スター・ウォーズ ギャラクシー・オブ・アドベンチャーズ」は、「ファミリーのための『スター・ウォーズ』」に主眼を置いたアニメシリーズで、キッズ層に対して『スター・ウォーズ』のストーリーやキャラクターを知ってもらうことが狙いの作品であることが、その発表とともにルーカスフィルムから明かされています。
2019年12月の公開まであと1年ほどとなった「スター・ウォーズ エピソード9」は、その前にサーガをすべて見ようとすると8本もの映画を見なければなりません。最低限で考えても、『フォースの覚醒』、『最後のジェダイ』の2本の映画を見ないと、「エピソード9」のキャラクターやストーリーは理解しにくくなります。
ただでさえ続編映画は回を重ねるごとに脱落者が発生するため、徐々に興行収入が下がっていってしまうのがセオリーな上、多数の過去作をきちんと見ることは未就学児を持つファミリーにはハードルに思えます。
そこで、Youtubeのような動画配信サービスが発達し、スマホがここまで普及した今の環境にて「エピソード9」に向けて、キッズ層がより気軽に『スター・ウォーズ』に触れてもらうことが、本作のコンセプトなのだと思います。
映画ではなく、ダイジェスト版のようなアニメが「最初の『スター・ウォーズ』」となることに賛否はあるかと思いますが、日本に目を転じてみると「ウルトラマン」シリーズの円谷プロダクションは怪獣を子どもに置き換えた「KAIJU STEP」を、同様に東宝は「ちびゴジラ」の展開をスタートしており、長寿キャラクターはキッズ層を今のうちに囲うことが定石になりつつあります。いずれも、幼いうちからそのキャラクターに親しませ、将来の新展開の中で有力なファンになってもらうことが狙いでしょう。
興味を持ったら映画シリーズが見たくなるはずなので、まずは触れてもらうことが重要ということです。また、これまでになかったタッチのアニメとすることで、従来のファンに対してもきちんと見逃せないものにしていくという狙いを感じます。
これまでも『スター・ウォーズ』をアニメ化したファンフィルムの数々があったので、ついにルーカスフィルムでそれをやったか!という感もあります。
本作を発表する媒体は、StarWarsKids.comとStar Wars Kids YouTube channelというキッズ向けデジタルメディアを新規で立ち上げることからも、デジタルネイティブな今のキッズ層を取り込もうとしていることがわかります。
サウンドは、オリジナル版のセリフや音楽、効果音もそのまま使用されているようなので、まさに映画のダイジェストまたは特定のシーンを抜き出してアニメ化する形に基本的にはなるものと思われます。
ポスト「エピソード9」に向けたファン作りとなるか
今後の展開は、まず12月にファンから人気のキャラクターが登場するエピソードが公開されるほか、2019年には定期的に新作がリリースされる予定です。
また、ハズブローからは玩具シリーズが12月1日(土)よりウォルマートにて先行販売され、2019年1月からはアメリカ全土で発売されるなど、マーチャンダイジングもしっかりと展開。
キッズ層をダイレクトにターゲットにした映像作品の展開といえば、女児層をターゲットとしたと思われる「スター・ウォーズ/フォース・オブ・デスティニー」があり、こちらも配信がメインのショートアニメでした。
新規エピソードではなく、映画シリーズのアニメリメイクのようなコンセプトから、「スター・ウォーズ ギャラクシー・オブ・アドベンチャーズ」は「エピソード9」だけではなく、ライアン・ジョンソンが手掛ける三部作や、「ゲーム・オブ・スローンズ」の製作総指揮を務めたデイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスによる新作映画といったポスト「エピソード9」をも見据えて、「原典」をわかりやすく伝えようとしている狙いが感じられます。
『フォースの覚醒』の時点でも新世代のファンの獲得と言われていましたが、さらに次の世代へのアプローチを行うことで『スター・ウォーズ』が未就学児からシニア層までの分厚いファン層を形成することが理想でしょう。「エピソード9」以降の『スター・ウォーズ』ファンダムは、もう始まっているのです。
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