Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第9話「失われた賞金」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「失われた賞金」のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
この記事は「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第9話「失われた賞金」の本編鑑賞後にご覧ください。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」の他のエピソードガイドは、以下をご参照ください。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」sシーズン1のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第9話「失われた賞金」ストーリー
ブラッカの上空。バッド・バッチが乗るマローダーを、ニュー級アタック・シャトルで追撃するクロスヘアー。
ハンターは賞金稼ぎのキャド・ベインに連れ去られたオメガを案じるが、ニュー級アタック・シャトルの攻撃により偏向シールドの機能が停止する中、ハイパースペース・ジャンプを決断する。
同じくハイパースペースを航行しているキャド・ベインの宇宙船、ジャスティファイアーで、オメガは船内の独房に囚われていた。
独房の前にやって来たトド360によると、オメガの通信デバイスは没収したという。キャド・ベインもオメガの様子を見に来て名を名乗るとともに、助けは来ないことを告げ、おとなしくするよう脅す。
コクピットに戻ったキャド・ベインは、ラマ・スーとホログラムで連絡を取り、オメガを捕らえたことを知らせる。ラマ・スーはオメガを無事なまま連れて来るよう言い、キャド・ベインはランデブーポイントで待っていることと、足のつかないクレジットを持ってくるよう告げる。
キャド・ベインとのホログラム通信を終えたラマ・スーは、トーン・ウィー、ナラ・セとともにいた。
ナラ・セはキャド・ベインに報酬を届け、オメガを連れ帰ると申し出るが、ラマ・スーはナラ・セがオメガに肩入れしていることが計画を脅かしているとして、トーン・ウィーにボーラ・ヴィオの廃棄された施設に向かい、キャド・ベインへの報酬とオメガの交換に赴くように命じる。
さらにラマ・スーは、オメガがカミーノに戻ったら地下の施設に拘束し、必要な遺伝物質を抽出次第、抹殺するようナラ・セに告げるのだった。
ジャスティファイアーのオメガの独房の前では、トド360がハンターに撃たれた脚の修理に苦戦していた。オメガは修理の協力を申し出るが、トド360は囚人を信用できないと断る。
マローダーでは、エコーが共和国のデータベースより、見た目が一致する賞金稼ぎとしてキャド・ベインを特定していた。ジェダイと何度も戦い、パルパティーン最高議長を誘拐しかけたこともあると言う。
そしてテクは、オメガの遺伝子プロファイルを調べたところ、純粋な第1世代のDNAを発見したと報告。オメガは通常のクローンに施されている成長加速や従順さの組み換えを受けておらず、オリジナルの遺伝子が手つかずのままなのだ。
テクの知る限り、同様のクローンは男性でコードネームをアルファといい、後にボバと呼ばれた者のみ。ボバはクローン戦争勃発時に失踪したため、ジャンゴ・フェットの純粋な遺伝子を受け継いでいるのはオメガのみとなるのだ。
カミーノアンは、クローンの生産にそのオメガの遺伝子が必要であり、賞金稼ぎを雇って連れ戻そうとしている。ハンターは、テクにシドから情報を集めつつ、引き続き通信を傍受するように指示する。
ジャスティファイアーでは、トド360が自身で行う修理が遅々として進んでいなかった。オメガは、どうせ船から逃げられる状態にないと、再度手伝いの申し出をすると、納得したトド360は独房のフォース・フィールドを解除。
オメガはトド360の脚を取り付けた。続けて、バランス調整をするためトド360の後頭部に作業を施すと、トド360はシャットダウンした。オメガは船内に隠された通信デバイスを探し始める。
ジャスティファイアーはボーラ・ヴィオの上空に到着。コクピットのキャド・ベインはトド360を呼びつつ、宇宙船をプラットフォームに着陸させる。
トド360を探しにキャド・ベインが近付く中、オメガは通信デバイスを探し続けていた。降りてきたキャド・ベインが見たのは、シャットダウンされたトド360と、誰もいない独房だった。トド360を起こすが、このドロイドも事態を把握できず状況に驚く。
オメガは船外に出てプラットフォームを横切りながら通信デバイスに呼びかけていた。
マローダーで、シドからの情報収集が不調に終わったことをエコーが報告している時、オメガの通信がつながった。
ボーラ・ヴィオの廃棄された施設の中を逃げながらオメガは通信を続けるが、長距離通信であり信号が微弱で、オメガ自身も自分がどこにいるのかわからない。
位置を特定するため、電力サージを起こすようテクに指示されたオメガは、施設のドアの側にティポカ・シティのものと似た制御盤を発見し、起動させる。
しかし、そこにキャド・ベインが現れてオメガに手錠をかけ、通信デバイスを破壊してしまう。
ジャスティファイアーに残ったトド360は、未確認の宇宙船の接近を報告。
拘束されたオメガが、キャド・ベインに雇い主を聞いていた時、施設内に銃声が響いた。
霧の中から見えてきたのは、横たわるトーン・ウィーだった。
ブラスターを構えて現れたのは、フェネック・シャンド。トーン・ウィーが持ってきた、キャド・ベインへの報酬を手にしている。フェネック・シャンドは、報酬とオメガの交換をキャド・ベインに持ち掛けてきた。
キャド・ベインが報酬を渡すのが先と要求してにらみ合いが続く中、フェネック・シャンドの背後からトド360が忍び寄り、報酬を奪い取った。
たちまちブラスターを抜き、銃撃戦を展開する2人。キャド・ベインが投げたサーマル・デトネイターは起爆前にフェネック・シャンドが蹴り飛ばし、爆風で吹き飛ばされたトド360は報酬を落としてしまう。
オメガは両者が戦っている間に、その場から逃げ出す。
オメガとフェネック・シャンドを追うキャド・ベイン。彼女が潜む場所を探るが、そこには爆弾が仕掛けられており、爆発に吹き飛ばされてしまう。
一方、オメガはまだ何者かが収められている、薄汚れたタンクが集積された部屋にたどり着く。施設のコンソールを起動させ、長距離信号を発信。
これを受けてバッド・バッチは、オメガはリド星系にいることを確認して急行、マローダーはハイパースペースに突入する。
コンソールを操作するオメガの前に、フェネック・シャンドがやってきた。オメガはトーン・ウィーを殺した理由を聞くと、仕事の一環だと答えるフェネック・シャンド。
続けて、ラマ・スー首相が計画のためにオメガを連れ戻そうとしていることを明かす。フェネックは、オメガを助けたいのだと言う。
そこに、トド360が襲撃してくるがフェネック・シャンドによって一蹴される。オメガは、コンソールを操作してタンクをフェネック・シャンドを目がけて倒し、その隙に逃げ出す。
施設の屋外に逃げ出したオメガはフライト・ポッドがあることを確認するが、キャド・ベインに遭遇してしまう。
しかし、オメガの背後からフェネック・シャンドが現れ、再びキャド・ベインと交戦。
オメガははしごを降りてフライト・ポッドを目指すが、トド360が執拗に迫る。そんなトド360のボディに飛び乗って、フライト・ポッドのプラットフォームにたどり着いたオメガ。
施設では、キャド・ベインとフェネック・シャンドの死闘が続く。オメガはフライト・ポッドに乗り込み、トド360を振り払って出発する。
賞金稼ぎ同士の戦いの行方は、そしてオメガはバッド・バッチの元に帰れるのか…
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第9話「失われた賞金」レビュー
前話である第8話「再会」で、キャド・ベインに連れ去られてしまったオメガ。
これに続く第9話「失われた賞金」は、バッド・バッチに追いすがるクロスヘアーの追撃を「今回その話じゃないので」と言わんばかりにあっさりと片付け、オメガのキャド・ベインからの脱出劇と、オメガを狙うもう1人の賞金稼ぎの思わぬ乱入を通して、シリーズの鍵を握るオメガの秘密の一端が明かされる!
このエピソードで主な舞台となる、雲と霧に閉ざされたボーラ・ヴィオと、ここにある廃棄された施設のビジュアルは幻想的な雰囲気があり、オメガの秘密が明かされる場所にふさわしい。
そして、この場所で繰り広げられるキャド・ベインとフェネック・シャンドという2人の賞金稼ぎの、銃撃戦あり、近接格闘ありのアニメーションならではな激しいアクションシーンが大きな見どころだ。バッド・バッチのメンバーは戦闘することがなく、オメガの捜索に終始するというこれまでにはない展開のエピソードとなっている。
オメガを生け捕りにしようとしていたこれまでのエピソードの描写からわかるように、キャド・ベインの雇い主はカミーノアンたちだと序盤に明らかになる。
さらに、テクの調べによりオメガは遺伝子に純粋な第一世代のDNA、つまりオリジナルであるジャンゴ・フェットの遺伝子が見つかり、オメガは通常のクローンに施されている成長加速や従順さの遺伝子組み換えを受けていない、このエピソードでコードネームがアルファだと明らかになった、ボバ・フェットのいわば妹(または姉?)のような存在だったということも判明。
第1話「余波」では、オメガはバッド・バッチと同じ遺伝子変異のあるクローンであると明かされていたこと、また男性であるジャンゴ・フェットに対して、オメガは女性であることなどから考えると、純粋なジャンゴ・フェットの遺伝子を持ちつつも、何らかの改良を受けていると考えられそうだ。
そういえば、『エピソード2/クローンの攻撃』、「クローン・ウォーズ」でボバ・フェットを演じたダニエル・ローガンは、自身のinstagramで、「STEP CLONES」と書かれたボバ・フェットとオメガの画像を用いながら、ファンにオメガについての意見を問いかける投稿をしていた…
さらにカミーノアンたちの目的は、帝国軍がクローン・トルーパーからエリート分隊のような精鋭を徴兵して訓練する方向にある中で、ジャンゴ・フェットのオリジナルの遺伝子をオメガから得てクローン・トルーパーの復権を目指すことだとわかる。
第1話「余波」の時点で、初めて扱ったにも関わらずブラスターの射撃が上手く、その後の数々のエピソードで洞察力に優れている場面を見せてきたオメガをはじめとして、これまでのエピソードで少しずつ描写されてきた要素が、結実して真相に近付いていくというのは連続シリーズの面白いところ。
もともとジョージ・ルーカスは、連続活劇(シリアル)として映画化されて人気を博していた「フラッシュ・ゴードン」の再映画化を考えており、その要素が『スター・ウォーズ』に取り込まれていったが、こうした続きが気になる連続シリーズというフォーマットはまさに『スター・ウォーズ』と相性が良く、また原点回帰と言えるだろう。
オメガが狙われる理由が明らかになる一方で、カミーノアンの中でもナラ・セだけは別の目的があるようで、さらなる謎も開示。
これまでの伏線をつないで衝撃を与えつつ、さらなる興味を惹かせる展開は、シリーズの後半戦の幕開けとなる第9話にふさわしいと言えるだろう。
先日「バッド・バッチ」シーズン中盤の予告編が公開されたが、実質シリーズ前半の振り返り動画のようなもので、新しいカットはあまりない映像となっていた。第9話「失われた賞金」を見る限り、これが後半戦への導入部だと考えると衝撃的な展開や秘密の暴露はまだありそうだ。
Disney+ (ディズニープラス)オリジナルの『スター・ウォーズ』シリーズは、いずれもファン人気の高いボバ・フェットに関わるもの、またクローニングや遺伝子操作などを施された人工生命体、ストランドキャストに関連するものになるのではないかと思ってしまうが、ボバ・フェット本人の登場も含めてシリーズ後半にも驚きと納得のある展開を期待したい。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第9話「失われた賞金」トリビアチェックポイント
ジャスティファイアー
キャド・ベインが乗る宇宙船は、StarWars.comの「バッド・バッチ」第8話「再会」エピソードガイドのページにて掲載されているコンセプトアートにて、ジャスティファイアーという名称が記載されている。
このジャスティファイアーは、2015年のイベント「スター・ウォーズ セレブレーション アナハイム 2015」の「クローン・ウォーズ」のトークパネルにて、未完成作の中でボバ・フェット、キャド・ベインといった賞金稼ぎをメインにした4話のエピソードのコンセプトアートで紹介されていた。
キャド・ベインの宇宙船であることには変わりないが、「バッド・バッチ」のジャスティファイアーは「クローン・ウォーズ」の未完成エピソードのコンセプトアートから形状が変更されている。
パルパティーン最高議長の誘拐
エコーは共和国のデータベースより、見た目が一致することからキャド・ベインを特定した際に、パルパティーン最高議長を誘拐しかけたこともあると言う。
ここで言うパルパティーンの誘拐は、『エピソード3/シスの復讐』のオープニングにつながるパルパティーン最高議長の誘拐ではなく、「クローン・ウォーズ」シーズン4 第18話「狙われた祭典」にて描かれたナブーの光の祭典に出席したパルパティーン最高議長を、ドゥークー伯爵の計画によりキャド・ベインら賞金稼ぎたちが誘拐しようとした出来事を指している。
賞金稼ぎたちの中には、ラコ・ハーディーンに変装して潜伏していたオビ=ワン・ケノービも混ざっており、結果として誘拐は失敗、キャド・ベインは共和国軍に捕らえられた。
マローダーのハッチ
燃料がなくなり、落ちていくオメガが乗るフライト・ポッドとドッキングしたマローダー。
レッカーが顔を出したマローダーのハッチの形状は、『エピソード5/帝国の逆襲』でクラウド・シティから転落したルーク・スカイウォーカーを助けに来たランド・カルリジアンが現れる、ミレニアム・ファルコンのハッチと同じだ。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
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