Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第12話「ジャガーノート」レビュー/トリビアチェックポイントです。
この記事では、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第12話「ジャガーノート」のストーリーやレビュー(感想・考察・批評)、トリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。
この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第12話「ジャガーノート」の本編鑑賞後にご覧ください。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン1、シーズン2、またファイナル・シーズンの他のエピソードについては、以下のカテゴリーからご参照ください。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」sシーズン1のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2のレビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズンのレビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第12話「ジャガーノート」レビュー
ジャガーノートが豪快に活躍!
ジャガーノート!
この「バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第12話は、オメガが囚われたタンティス山の帝国軍施設があるウェイランドの在りかを突き止めるため、バッド・バッチらしく敵地に乗り込み目標を確保するミッションの過程で、エピソードタイトルになっている通りHCVw A9ターボタンク、ジャガーノートが活躍するエピソードだ!
巨大なジャガーノート同士が、真正面から突っ走って撃ち合う!空中のLAAT/iガンシップとチェイスを繰り広げながら、切り立った崖の上をジャガーノートが疾走!
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のようにHCVw A9ターボタンクから囚人を奪還し、HCVw A9.2ジャガーノート輸送車を乗っ取った「マンダロリアン」シーズン2「チャプター15:信奉者」のように、シリーズでジャガーノートが活躍したシーンを彷彿とさせながらも、この大型でパワフルな車両の魅力あふれるシーンが作り上げられている。
ヒーローたちが敗北した前話のファイナル・シーズン 第11話「覚悟の時」とはうって変わって、古き良きアクション映画のようなテイスト!大胆不敵な作戦で、派手に暴れ回る痛快さは実に「バッド・バッチ」らしく、約22分という比較的短尺エピソードであるということも相まってスッキリ爽快だ!
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第12話「ジャガーノート」ストーリー
CXダガー・ヴェッセルがウェイランドのタンティス山の帝国軍施設に到着し、クローンXトルーパーのCX-2はドクター・ヘムロックの元へとオメガをパブーから連行することに成功する。
ドクター・ヘムロックは、確証を得るためエメリー・カーにすぐにオメガの検査を指示。オメガはナラ・セが投獄されたことをドクター・ヘムロックから聞く。
パブーでは、レッカーが意識を取り戻し、帝国軍の兵員は引き揚げたものの通信妨害は続いていた。
クロスヘアーは、ティポカ・シティ撃滅時にナラ・セをタンティス基地まで送ったため、ランパート中将は座標を知っているとハンターとレッカーに告げる。これまでクロスヘアーがこの事を黙っていたのは、出来れば自身が戻りたくない場所であり、ランパートの信頼性の問題からであったが、他に選択肢がないためこの最後の手段を明かしたのだ。
そこにフィー・ジェノアがAZI-3を伴って現れた。マローダーは破壊され、宇宙船がないハンター、レッカー、クロスヘアーはフィー・ジェノアにプロヴィデンスを貸してくれるよう頼む。
ランパートは帝国に身柄を拘束され、エレバスの労働収容所で作業を強いられている。フィー・ジェノアは情報も入手し、エレバスの労働収容所の全体像はつかめた。フィー・ジェノアの技術により労働収容所まで接近し、検問所のネットワーク端末からデータバンクにてランパートの居所を得るのだ。
フィー・ジェノアは、プロヴィデンスのエンジンを切ってエレバスの大気圏を急降下し、地表が近付いたところでエンジンを再起動させて飛行し、ハンター、レッカー、クロスヘアーを地表へと送り届けると飛び去っていった。
3人は潜入してTKストームトルーパーを無力化しつつ、データバンクにアクセスするとランパートが採掘施設を出て収容所に移送されることを確認。ランパートを移送するターボタンクの進行を阻むことにする。
基地へと戻るジャガーノートに接近した一行は、グラップリング・ケーブルで機体上部に登り、難なく操縦席を制圧。留置室は磁気シールドがされているため、クロスヘアーはレッカーにプラン55を思い出すように言う。TKストームトルーパーたちはクロスヘアーのブラスターの跳弾に翻弄されて倒され、クロスヘアーとレッカーはランパートを確認する。
タンティスの位置の情報を求められていると知ったランパートは、まずこの惑星から連れ出すことを要求。
他の囚人を陽動も兼ねてその場で逃がしたところで、帝国軍も移送車が予定外の停車をしていることに気付く。通信妨害までされていることを察知した帝国軍は、移送車が乗っ取られたと推測し、ガンシップを出撃させて橋を封鎖するとともに別のターボタンクを妨害に向かわせる。
ハンター、レッカー、クロスヘアー、ランパートが乗るターボタンクは、封鎖されていくゲートを突破して橋に入るも、正面から向かってくるターボタンクから攻撃を受ける。ターボタンクは装甲が厚いため、ハンターは車輪狙うよう指示。帝国軍のターボタンクを無力化して乗り越え、封鎖されたゲートも破壊して突破。
さらに崖に面した道を走りながらフィー・ジェノアに連絡を取ろうとしている中、LAAT/iガンシップに攻撃され、これを迎撃。しかし、一機のLAAT/iガンシップがTKストームトルーパーたちをターボタンク上部に送り込むことに成功し、砲塔が破壊されてしまう。
ターボタンクをジグザグ運転し、TKストームトルーパーたちを振り落とすも、さらに追ってきたLAAT/iガンシップの攻撃によって操縦不能となり、目の前には崖が迫る…
レジェンズに重なる、ウェイランドとクローン
捜索が非常に困難になると思われたオメガが再び囚われたウェイランドのタンティス山の帝国軍施設へのカギは、意外なところに残されていた。クロスヘアーと、あのランパート中将が持っていたのだ。
「バッド・バッチ」シーズン1で、バッド・バッチの主な敵役だったランパートとクロスヘアーが事態の打開に重要な役割を担うのは、3シーズンに渡って展開されてきた「バッド・バッチ」のシリーズが終盤に差し掛かっていることを感じる。序盤の敵と手を取り、クライマックスへ向かっていくことは長期シリーズならではの面白さであり、アツいストーリー運びだ。
ランパートによると、タンティス山の座標は誰も知り得ないように設計されているのだという。一体、どのような仕組みとなっているのか、次回エピソードを楽しみにしたい。
また、囚われたオメガの血液によってM値の複製が可能となることが改めて確認された。例えばフォース感知者のクローンを製造する際には、オメガの血液が持つ特性が不可欠であるということだ。
レジェンズでは、例えばジョラス・シボースのクローンであるジョルース・シボース、ルーク・スカイウォーカーのクローンのルウク・スカイウォーカーといったフォース感知者のクローンが登場しているが、正史(カノン)ではフォース感知者の能力を保ったままのクローンが必要な際には、オメガの血液が持つ特性を合わせて用いる必要があるという設定にとなったというわけである。
レジェンズである小説「帝国の後継者」、「暗黒の艦隊」、「最後の指令」のスローン三部作において、スパーティ・クローニング・シリンダーが発見され、クローンが製造されていたウェイランドのタンティス山にて、フォース感知者のクローン研究が行われていることはおそらく意図的に重ねられているのだろう。
「バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第10話「迷い」でじっくりと描かれたイヴァらフォース感知者の子どもたちと、オメガが出会うエンディング。この出会いは、「マンダロリアン」でフォース感知能力を持ったモフ・ギデオンのクローン軍が実現まであと一歩だったこと、この頃にもネクロマンサー計画が潰えていないこと、スノークなどのフォース感知能力を持たせたクローニングや遺伝子操作などを施された人工生命体、ストランド=キャストの存在といった「バッド・バッチ」よりも未来の作品のことを考えると、何らかの形でオメガの血液はこれに利用されてしまうことになるはずだ。
こうした将来の結果だけではなく、イヴァらフォース感知者の子どもたちとオメガの出会い、また彼らに思いを寄せるエメリー・カーはどのようなドラマを生み出すのか、残り3話に注目だ。
原点回帰的なエピソードから、終局へと畳みかける
結果といえば、「バッド・バッチ」ファイナル・シーズンの本予告ではエレバスの崖の道を走るジャガーノートでのアクションシーンが収められており、これが第12話からのシーンであることが今回わかったわけだが、このシーンがエピソードの中でも大きなクライマックスだったので、プロモーション映像を見ている熱心なファンほどこの先の展開がわかってしまい、意外性がないのではないかと思った(これは本編の問題ではなく、プロモーションとしてどうだったかという話だ)。
豪快かつ派手にドンパチをやった原点回帰的なエピソードから、残り3話がどのように展開されるのか。ウェイランドとタンティス山の秘密、CX-2などクローンXトルーパーの謎、そしてネクロマンサー計画…どのように畳まれていくのか(または畳まずに将来のシリーズに渡していくのか)、終局は近い。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第12話「ジャガーノート」トリビアチェックポイント
囚人の種族
ランパートとともにいる囚人の中には、アグノート、ニンバネル、ルートリリアン、ローディアン、トランドーシャンといったこれまでシリーズに登場した種族が見られる。
ジャガーノート(ターボタンク)
エレバスの労働収容所でランパートをはじめとした囚人の移送に使用されていたのは、HCVw A9ターボタンク。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にて、ウォバニの労働キャンプでジン・アーソを乗せていたものと同様の車両だ。HCVw A9ターボタンクから、囚人を奪還するというシチュエーションも似ている。
『エピソード3/シスの復讐』で共和国軍がキャッシークで使っていたHAVw A6ジャガーノート(クローン・ターボタンク)の後継機であり、車体の形状は大きく異なる。
「マンダロリアン」シーズン2「チャプター15:信奉者」で使用されていたのはHCVw A9.2ジャガーノート輸送車で、こちらは5つの部分に分かれていることが特徴だ。
『暴力脱獄』の影響
第12話「ジャガーノート」の制作にあたっては、ポール・ニューマン主演の映画『暴力脱獄』(1967年)が影響を与えたという。
『暴力脱獄』で、ポール・ニューマン演じる主人公ルーク・ジャクソンは収監された刑務所での過酷な労働や体罰によって囚人を支配しようとする所長や看守に屈せず、さわやかな笑顔を浮かべる。権力に抗いながら、脱獄を繰り返すその姿勢が周囲に影響を与えていく。
帝国軍の中将の地位から転落し、強制労働をさせられているランパートも、過酷な環境であるにも関わらず反抗的だ。しかし収監以前の人柄通りで相変わらず横柄であり、ルーク・ジャクソンのような魅力は感じられない…
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。
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