Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第5話「猛獣」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「猛獣」のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
この記事は「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第5話「猛獣」の本編鑑賞後にご覧ください。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」の他のエピソードガイドは、以下をご参照ください。
目次
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第5話「猛獣」ストーリー
ハイパースペースを航行するマローダーの船内では、オメガがクロスヘアーの通信機をテクから譲ってもらっていた。
一行は、オメガが賞金稼ぎに狙われる理由を探るため、かつてジェダイから信用を得ていた情報屋のシドがいるというオード・マンテルに到着。
辿り着いたオード・マンテル・シティの店でシドを探すが、バッド・バッチの面々はそれらしき人物を見つけることができなかった。
しかし、オメガは最初に話しかけたトランドーシャンの女性がシドであることを見抜く。
バッド・バッチの面々は、パントラでオメガを狙った女賞金稼ぎのホログラムをシドに見せ、その情報を聞こうとするが、シドは傭兵として仕事をしてくれれば、見返りに情報を教えると言う。
シドからの依頼は、高額な賞金がかけられているムチという女の子の救出。ザイゲリアの奴隷商人に囚われているムチを救出すれば、その賞金の3割と、パントラの女賞金稼ぎの情報を渡すという。
ムチが捕まっている旧市街地の廃墟は、シドの店からはオード・マンテルの反対側に位置するためマローダーで現地へ向かう。
船内で、頭を抱えてうめくレッカー。ハンターが声をかけるが、大したことはないと言う。
オメガは奴隷商人の意味をエコーから教えてもらい、その非道さを理解してムチを助けることを決意する。
旧市街地の廃墟の周辺に到着し、ファリーンの親子が捕まっていることを確認したバッド・バッチ。警備は手薄と見られ、レッカーはクワットの時のように押し入って連れ出すだけだと楽観視する。
危険を避けるためオメガをマローダーに帰し、バッド・バッチは作戦行動を開始。エコーは見張り、レッカーは陽動を行い、ハンターとテクで救出するのだ。
しかし、そこにブリザックが急襲。ザイゲリアンも現れて、バッド・バッチは4人とも倒されてしまう。
一方、シドは自身のオフィスでホログラム通信をしていた。ムチの救出を腕利きに任せたことを、ハット語をしゃべるホログラムの相手に言う。
オメガは、クローン・トルーパーの人形をバッド・バッチ風に塗装してゴンキーに見せていた。そこにザイゲリアンたちが現れ、マローダーの船内を捜索し始める。
オメガは砲塔の側のスペースから逃げ出し、バッド・バッチに連絡を取ろうとするが誰も応答がないため、旧市街地の廃墟へ向かうと、ザイゲリアンに捕らえられているバッド・バッチのメンバーを発見。
テクはハンターから脱出の可能性について聞かれるが、通常の軍事作戦とは異なる、奴隷商人から子どもを解放するという任務はこれまで経験したことがないため、比較できるデータを持ち合わせていないと言う。
通信機や武器は取り上げられ、旗色は悪い中、テクは忍び込もうとしているオメガを見つける。
オメガはバッド・バッチの装備を見つけて近付くが、途中で物音を立ててしまう。異変を感じたザイゲリアンが近付くが、レッカーが岩を蹴ってザイゲリアンの一人に当てて気を逸らす。
ザイゲリアンの奴隷商人グループのリーダーであるラネーは、共和国が消えたので再びカダーヴォに戻り、奪われたものを取り戻すのだと言う。帝国の元で、奴隷貿易の再興を目指しているのだ。
オメガは、檻の中を確認すると名案を思い付くが、ザイゲリアンに捕まってしまう。
しかし、オメガは捕まる直前に檻の鍵を外しており、中からランコアが逃げ出した。
岩を投げて暴れ出すランコアにザイゲリアンが混乱している間に、レッカーは怪力で鎖や手錠、首輪を引きちぎる。
オメガは、ファリーンの子どもをムチだと思い話しかけるが、子どもの親はランコアの方を指してムチと叫ぶ。「ムチという女の子」は、ランコアだったのだ。
バッド・バッチは装備を取り戻し、エコーは捕まっていた人々を誘導。ハンター、テク、レッカーはランコアを追う。
ザイゲリアンの一団はランコアのムチを捕らえようとするが、その暴れ方には敵わず一掃されていく。
そこにブリザックに乗ったラネーが現れ、ムチに挑む。ブリザックの尾でムチを吹き飛ばし、エレクトロ=ウィップで襲い掛かるラネーだったが、ハンターのタックルによりブリザックから落とされてしまう。
ラネーは、ハンターの右腕をエレクトロ=ウィップで縛り上げる。しかし、ハンターは電撃に耐えながらエレクトロ=ウィップをつかみ取り、ラネーを倒した。
エコーは、囚われていた人々を誘導。オメガはその途中、ザイゲリアン・クロスボウを拾う。
ランコアのムチと、ブリザックの戦いは続いていた。ムチはブリザックの尾の攻撃を受けるが、逆に噛みつき、尾をつかんで地面に叩きつけ、体にのしかかって頭を殴りつける。たまらず逃げ出すブリザック。
しかしランコアのムチを捕えなければ、バッド・バッチはオメガを狙った賞金稼ぎの情報は得られない。テクは、ランコアは序列を重視するためレッカーの方が強いとわかれば従うだろうと言う。
ランコアに1対1の戦いを挑むレッカー。はたして、レッカーはランコアに勝つことができるのか…
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第5話「猛獣」レビュー
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第5話にして、ついにバッド・バッチが傭兵稼業を始めることになるエピソードだ。
もともと本シリーズのあらすじは、クローン戦争が終わって共和国が帝国に変貌し、急速に変わっていく時代の銀河にてクローン・フォース99が傭兵としてのミッションに身を投じていく…とされており、いよいよシリーズの本流へと辿り着いたと思われる。
ここまで約70分の初回+4話をかけており、丁寧な導入をしているという印象ではあるが、人によってはもっとテンポアップしても良いのではと思うかも知れず、好みによるところだろう。
今後のエピソードでは、傭兵となったバッド・バッチが様々なミッションに赴くというフォーマットが確立されるとともに、ストーリーの縦軸となる要素がシリーズを通して描かれていくようだ。
シリーズを通してのストーリーと言えば、レッカーはこの第5話「猛獣」でも頭痛らしき症状で不調を訴えている。これまでのエピソードでも頭痛に苛まれる様子が描かれてきたので、ここまで描写が続くということは、これは後にその意味に気付くことになる伏線なのだろう。
頭痛の原因は、バッド・バッチ特有の遺伝子操作の弊害なのか、またはオーダー66を引き起こした行動抑制バイオチップに由来するものなのか、それとも…
第3話「エリート分隊」で準備していた、行動抑制バイオチップを調べるためのスキャナーは引き続き未完成だと思われるが、いずれバッド・バッチの面々は行動抑制チップの真相にたどり着くのかも知れない。
オメガがなぜ行動抑制チップの目的を知っているのかなど、オーダー66にまつわるポイントにもこれからスポットが当たっていきそうだ。
第5話「猛獣」の原題である「Rampage」(暴れ回る)の通り、今回はランコアVSブリザックの猛獣同士の決戦が見もの。両者のダイナミックなアクションにより、怪獣映画のように痛快な対決シーンとなっている!
また、「クローン・ウォーズ」シーズン4のカダーヴォでのエピソードでアナキン、オビ=ワン、アソーカ・タノを苦しめたザイゲリア奴隷帝国はもちろん、「猛獣」の主役とも言えるランコアに、ムチ奪還の依頼主であったビブ・フォーチュナと、既存の『スター・ウォーズ』シリーズとのリンクも多いエピソードだ。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第5話「猛獣」トリビアチェックポイント
オード・マンテル
「バッド・バッチ」第5話「猛獣」で主要な舞台となるオード・マンテルは、『エピソード5/帝国の逆襲』でハン・ソロがホスのエコー基地でのレイアとの会話にて、賞金稼ぎに狙われた場所としてセリフにて言及していた惑星。
ショートアニメ「スター・ウォーズ/フォース・オブ・デスティニー」シーズン2では、ジン・アーソが登場する「ジンのトレード」と、キーラとIG-88が登場の「重なる裏切り」にて、オード・マンテルが舞台となっている。
「スター・ウォーズ/フォース・オブ・デスティニー」の日本語版は、Disney+ (ディズニープラス)で視聴可能だ。
また、「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」の前に起きた出来事を描いたコミック「スター・ウォーズ:ダース・モール ダソミアの後継者」では、グリーヴァス将軍、ドゥークー伯爵が率いる分離主義者と、モールが率いるシャドウ・コレクティヴとの戦いがオード・マンテルで展開された。
IG-88の元になった装飾
シドの店のカウンターの奥に見える筒状の装飾物は、『エピソード4/新たなる希望』のタトゥイーンにあるモス・アイズリー宇宙港のカンティーナで見られたものと同様。
このカンティーナのシーンで使われた装飾は、後に『エピソード5/帝国の逆襲』でIG-88の頭部に流用された。その素材となったのは、ロールス・ロイス ダーウェントのジェットエンジンだ。
アイソリアン
シドの店でもめているアイソリアンは、水色のノースリーブの服を着ている。
これはケナーから発売されていたハンマーヘッド(当時の呼称)のヴィンテージフィギュアと同じカラーリングだ。
第4話「追いつめられて」ではウォーラス・マンのヴィンテージフィギュアと同じカラーリングのアクアリッシュが登場しており、2エピソード連続でオールドケナーネタが展開されることに!
ザイゲリア
オード・マンテルで、ランコアのムチを捕えていたのは奴隷帝国で知られるザイゲリアンだ。
「クローン・ウォーズ」シーズン4 第11話「消えた植民者」、第12話「共和国の奴隷たち」、第13話「カダーヴォからの脱出」にて、惑星キロスの入植者が消えた事件を追ったアナキン・スカイウォーカー、オビ=ワン・ケノービ、アソーカ・タノらはザイゲリアン奴隷帝国の仕業であることを突き止め、自身も囚われながらも奴隷帝国と戦った。
ブリザック
ザイゲリアンが騎乗している生き物はブリザック。
ブリザックは、「クローン・ウォーズ」シーズン4 第12話「共和国の奴隷たち」でザイゲリアンとともに登場。
ファリーン
ザイゲリアンに囚われている緑の肌のエイリアンの親子の種族は、ファリーン。
ファリーンは、レジェンズとなったメディアミックス作品「スター・ウォーズ 帝国の影」に登場する犯罪組織ブラック・サンの首領である、シゾールの種族。
正史(カノン)においても、ブラック・サンはファリーンによって率いられており、モールと手を組んでシャドウ・コレクティヴに加入したジットン・モジなどがいる。
クワット
ザイゲリアンに捕らえられている人々を見て、押し入って連れ出すだけだとレッカーが思い出すクワットとは、工業や造船で知られる惑星。
インペリアル級スター・デストロイヤーやAT-ATを作った企業であるクワット・ドライブ・ヤード(KDY)の拠点として有名だ。
ランコア
ザイゲリアに囚われていた「子ども」とは、ランコアの子どものムチのことだった。
「マンダロリアン」にて、年齢は50歳であると聞いていた賞金首が実際は子ども(ザ・チャイルド)だった…という話に似たものを感じるが、ランコアは『エピソード6/ジェダイの帰還』で、ジャバ・ザ・ハットの宮殿の謁見の間の下に飼われていたクリーチャー。
このジャバが飼っていたランコアは、正史(カノン)のスピンオフ小説「Aftermath: Life Debt」にてパティーサという名前だと設定された。
この「バッド・バッチ」第5話「猛獣」に登場したランコアはムチという名前であり、「女の子」と言われているので、オスと設定されているパティーサとは別の個体のジャバのペットのランコアだ。
マンダロリアンのヘルメット
シドのオフィスには、クローン・トルーパー フェイズⅡやクローン・パイロットのヘルメットが。
また、マンダロリアンのヘルメットも飾られていることが確認出来る。これらのヘルメットを、シドはどのように手に入れたのだろうか…
ビブ・フォーチュナ
シドにランコアのムチを奪還するよう依頼をしていたのは、ジャバ・ザ・ハットの執事であるビブ・フォーチュナだった。
ビブ・フォーチュナは、『エピソード1/ファントム・メナス』でモス・エスパのブーンタイヴ・クラシックのポッドレースアリーナにて、そして『エピソード6/ジェダイの帰還』でジャバ・ザ・ハットの宮殿にて、ジャバの執事として登場。
「バッド・バッチ」の13年前、そして23年後もジャバの元で仕えており、改めてビブ・フォーチュナはジャバの執事を長期間務めていたことが実感できる。
もっとも、「マンダロリアン」シーズン2「チャプター16:救出」では、『ジェダイの帰還』でのセール・バージの爆破の後、ジャバの宮殿の玉座に付いていたことが明らかになるのだが…
「バッド・バッチ」第5話「猛獣」でビブ・フォーチュナは、ジャバ・ザ・ハットのランコアであるムチを取り戻すようシドに依頼。バッド・バッチの活躍により、ザイゲリアから奪還されたムチと再会した時には、愛情のある表情をしており、ビブ・フォーチュナの新たな一面を見ることができた。
ビブ・フォーチュナの声を演じているのは、『エピソード1/ファントム・メナス』や「マンダロリアン」と同様に、『スター・ウォーズ』シリーズのサウンドエディターであるマシュー・ウッド。
ギルド
シドは、ランコアのムチを奪還してきたバッド・バッチに見返りとして、追跡者はフェネック・シャンドであり、ギルドを通さず仕事をしているようだと情報を話す。
このギルドとは、「マンダロリアン」でグリーフ・カルガが仕事を取りまとめ、マンダロリアンことディン・ジャリンも仕事を得ていた賞金稼ぎギルドのことと思われる。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。