「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第2話「戦争の爪痕」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

スター・ウォーズ:バッド・バッチ スター・ウォーズ:バッド・バッチ シーズン2 レビュー/トリビア
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スター・ウォーズ:バッド・バッチ

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第2話「戦争の爪痕」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第2話「戦争の爪痕」のレビュー(感想・考察)やトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第2話「戦争の爪痕」の本編鑑賞後にご覧ください。

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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第2話「戦争の爪痕」レビュー

財宝よりも価値あるもの

 第1話「戦利品」ラストから引き続いて、セレノーでドゥークー伯爵が残した価値のある戦利品を奪取しようとするバッド・バッチの面々が陥った大ピンチの最中から第2話「戦争の爪痕」はスタートする。

 2話同時配信ということで、シーズンプレミアの2本立てのような構成だ。

 セレノーにてクラス4コンテナ輸送船に潜入し、帝国軍が運び出そうとしているドゥークー伯爵の戦利品の一部を盗み出そうとするテク、エコー、オメガは脱出ポッドを射出されたため、スラスターが付いた貨物コンテナから地表へと逃走。

 地上への着陸後、崖からすべり落ちた貨物コンテナ内では大きな衝撃が起きてテクは骨折するが、これが「キャシアン・アンドー」だったら死者が出ていただろう。

 セレノー城から脱出したハンターとレッカーは、包囲網を敷く帝国軍の動きを確認してテクらとの通信を禁止しつつ、マローダーへと向かう。

 第1話「戦利品」を経て、2話構成のセレノーでのエピソードの後編にあたる第2話「戦争の爪痕」では、キャラクターのドラマも動き出していく。

 セレノーの住人であるロマー・アデルとの出会いによって、テクとオメガはドゥークー伯爵の戦利品のような物質的な財宝ではなく、それぞれ心の中が豊かになるような何かを得ていく。

 テクは、ロマー・アデルが持つセレノーの人々の歴史、文化、芸術、音楽、記憶が詰まったデータ・コアの修理を手伝うことで、かつての敵地に住む分離主義者とは、セレノーに住み、生活していたセレニアンの人々であると認識を改めることになる。

 サブタイトルの原題「Ruins of War」、邦題「戦争の爪痕」の名の通り、セレノーに残された戦争が遺した残骸とともに、敵とされる人々への想像力の欠如について気付かされるようだ。

 またドゥークー伯爵の戦利品の奪取に躍起になっているオメガは、ロマー・アデルからもらった万華鏡を覗いて驚く。

 第1話「戦利品」でハンターとエコーの会話を聞いて、自分の存在がバッド・バッチの中で負担になっているのではないかと気に病んだと思われるオメガは、逃亡生活に十分な資産を生み出せるドゥークー伯爵の戦利品を獲得することに固執している。

 万華鏡はただの玩具だが、心躍るものは宝石より尊いというロマー・アデルの話は、物質的な豊かさよりも、ワクワクするような精神的な高揚の方が価値があるということを思い出させてくれる。

 『スター・ウォーズ』ファンにとっては、『スター・ウォーズ』が日常の中で高揚感を生み出すような万華鏡となっていれば、何よりだと思う。

 オメガと同じように、エコーもまたドゥークー伯爵の戦利品を得たいと思っていたが、帝国軍に対してもっと反抗して正義を成すべきだという動機のようだ。

 オメガの未来のため、力を増す帝国軍に対して抵抗するため、それぞれ同じ要素を持ちつつ、細部は異なる動機を持つメンバーの思いは、「バッド・バッチ」シーズン2の今後のストーリー展開で意味を持ってくるかも知れない。

 さらに当のドゥークーの戦利品については、セレノーの民から搾取したものも含まれることが判明。「スター・ウォーズ:テイルズ・オブ・ジェダイ」では理想と現実に葛藤するドゥークーの姿が見られたが、結局は自身の民を踏み台にしていたことがわかり、シスの暗黒卿に取り込まれてはこうなってしまうという末路も垣間見られたのも興味深いところだ。

ランパート中将の思惑と、新キャラクターのフィー・ゲノアの今後は

 第2話「戦争の爪痕」では、第1話「戦利品」に引き続いてLAAT/iガンシップ、Vウィング、さらにBARCスピーダー、AATといったプリクエル・トリロジーでおなじみのビークルも多く姿を見せ、『エピソード3/シスの復讐』と地続きの時代であると改めて感じさせられる。

 終盤には、「バッド・バッチ」シーズン1で帝国軍の兵員をクローン・トルーパーから銀河から集めた優秀な兵員に訓練を受けさせることで切り替える、ウォー=マントル計画を推進していたランパート中将が登場。

 クローン・フォース99を仕留めそこなって生存していることをターキン総督に知られないように、クローン・キャプテンのウィルコの命ととともにその事実を葬った。

 自身の保身のためにクローン・フォース99の健在を握りつぶすことは、帝国軍のためにはならないと思うが、引き続きクローン・フォース99の生存が認知されないことで今後のストーリーにどのような影響があるのだろうか。

 これは第1話「戦利品」の話となるが、シーズン2では新キャラクターのフィー・ゲノアも登場している。

 フィー・ゲノアは、ハン・ソロと『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウ、そして実在の海賊であるアン・ボニーを掛け合わせたキャラクターだとStarWars.comで明かされており、今回はわずかな登場だったがバッド・バッチやシドとの今後のドラマに注目したい。

https://www.starwars.com/news/the-bad-batch-interview-jennifer-corbett-brad-rau

 バッド・バッチやオメガのそれぞれの思い、敵対するランパート中将の今後の行動、新たな仲間となるであろうフィー・ゲノアと、シーズン2の役者も揃い、今後のシリーズ展開を思わせるような2本立てだ。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第2話「戦争の爪痕」トリビアチェックポイント

Vウィング

 帝国軍はVウィング・スターファイターで、ハンター、レッカーが乗るマローダーを追撃する。

 Vウィングは『エピソード3/シスの復讐』にて登場した、ジェダイ・スターファイターのフォルムを取り入れながら縦に展開する翼が特徴の共和国軍の宇宙戦闘機。

 翼が縦に展開された機体を後部から見たシルエットは、後のタイ・ファイターのようだ。

AAT

 レッカーは、セレノーに残されていた分離主義者のAATのレーザー砲を引き抜いてバッテリー・パックと接続し、クローン・トルーパーたちを追い払ってVウィングを撃墜する。

 AAT(Armored Assault Tank、装甲型強襲用戦車)は『エピソード1/ファントム・メナス』で通商連合がナブー侵略において使用。

 「クローン・ウォーズ」でも分離主義者の地上戦力として多くのエピソードに登場している。

バトル・ドロイド

 レッカーとハンターが発見したAATには、バトル・ドロイドも同じく残骸として残されていた。

LAAT/iガンシップ

 帝国軍のクローン・トルーパーは、LAAT/i(Low Altitude Assault Transport/infantry、低空強襲トランスポート/兵員用)でテクらを攻撃する。

 LAAT/i、リパブリック・ガンシップは『エピソード2/クローンの攻撃』のジオノーシスの戦いで電撃的に登場。「クローン・ウォーズ」にも多数のエピソードで共和国軍の地上戦にて活躍した。

BARCスピーダー

 帝国軍のクローン・トルーパーが使用するだけではなく、オメガとエコーを崖から救い出す際にロマーが用いているのはBARCスピーダー。

 BARCスピーダーは、『エピソード3/シスの復讐』でオーダー66が発令された際にサルーカマイでクローン・コマンダー・ネーオらが搭乗し、ジェダイ・マスターのスタス・アリーが乗るスピーダー・バイクを撃墜。「クローン・ウォーズ」にも登場している。

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2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。

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