「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

スター・ウォーズ:バッド・バッチ シーズン2 レビュー/トリビア
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 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」のレビュー(感想・考察)やトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2の他のチャプターのエピソード、またシーズン1のエピソードは、以下のカテゴリーからご参照ください。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ シーズン2 レビュー/トリビア

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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」レビュー

「バッド・バッチ」シーズン2 中盤の山場にして、銀河史の転機を描く

 全16話の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2のうち、第1話「戦利品」と第2話「戦争の爪痕」に続き、2度目の2話同時配信となるエピソードがこの第7話「クローン謀議」と、続く第8話「真実と結末」だ。

 この2話でシーズン2が折り返しとなるということで、シリーズの中でも前半の山場となるのだが、それ以上に『スター・ウォーズ』シリーズにとっても銀河史における大きな転機を描いた重要なストーリーが語られる!

 ちなみに、3度目にして最後の「バッド・バッチ」シーズン2の2話同時配信は、3月29日(水)の第15話と最終話・第16話となっている。最初と中盤、最終回は前後編の2話構成となっているという点から、この第7話、第8話がシーズン2の節目であることがわかるかと思う。

 「バッド・バッチ」シーズン1 第15話「カミーノへの帰還」、第16話「カミーノ滅亡」で描かれた、カミーノのティポカ・シティ爆撃の場に居合わせたクローン・トルーパーのスリップとケイドは、コルサントのカンティーナである79’sで真相を隠蔽したランパート中将への怒りと、自らの手で故郷を滅ぼした罪を吐露していた。

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 ケイドはランパート中将に、元老院で真実を話さなければ自らが公表するとメッセージしたことを明かす。しかし、店を出た直後にケイドは正体不明のスナイパーに狙撃され命を落としてしまう。

 元老院では、ランパート中将の防衛徴兵法案について議論されていた。カミーノが壊滅してクローン・トルーパーを生産出来なくなった今、徴兵による軍隊の必要性を説くインターギャラクティック銀行グループやコマース・ギルドの議員。

 これに対し、巨費がかかる軍隊よりも喫緊の課題を解決すべきというティンラ・パムロと、クローン軍の創設は分離主義者の危機の際の非常時大権によるものであり、徴兵はその意義に反するとベイル・オーガナは反対の声を上げる。

 中でもリヨ・チューチー(ライヨ・チューチー)は、共和国に貢献したにも関わらず、当事者であるクローン・トルーパーが不在のままクローン軍を廃止させることを強く懸念。

 ランパート中将は万全の退役支援を保証するが、ベイル・オーガナの提案により懸念の解消まで採決保留となった。

 当事者であるクローン・トルーパーの話に耳を傾けていたリヨ・チューチーは、その過程でスリップからカミーノが壊滅したのはランパート中将の命令による爆撃だということを聞かされる。帝国に見つからない場所へと逃れようとするスリップを追うのはリヨ・チューチーだけではなく、ケイドを狙撃したスナイパーも同様で…

クローン・トルーパーのあとしまつと、ストームトルーパーの誕生

 このシーズン2 第7話「クローン謀議」では、バッド・バッチは登場しない。銀河の中心地であるコルサントが舞台となり、カミーノのティポカ・シティの崩壊を引き起こし、クローン・トルーパーに代わって徴兵へと移行させようとしているランパート中将の証拠隠滅が描かれる。

 「バッド・バッチ」は、クローン戦争の終戦時から始まったストーリーであることからわかるように、戦後の大きな時代の変化、もっと言えば「いかにしてクローン・トルーパーはストームトルーパーへと交代していったのか?」がバッド・バッチの活躍の背景で描かれているシリーズだ。

 『エピソード3/シスの復讐』から『エピソード4/新たなる希望』の間で、共和国軍から帝国軍へと変わるにつれて、それぞれアイコニックな両軍の兵員も変貌していく。

 戦争のためだけに生まれ、倍速で成長し、老いていく。軍備を目的とした分離主義者との戦いやジェダイの排除といった「生産」された目的を終えたクローン・トルーパーたちは、どこへ行くのか。「クローン・トルーパーのあとしまつ」、そして『スター・ウォーズ』でダース・ベイダーと並んで人気のキャラクターである「ストームトルーパーの誕生」も見逃せないテーマなのである。

 シーズン1 第16話「カミーノ滅亡」で、クローン・トルーパーの故郷はなくなり、新たなクローン・トルーパーは生まれなくなった。残りのクローン・トルーパーの処遇はどうなるのか、そして帝国軍の新しい兵員はどのように集めるのか。

 「バッド・バッチ」としてはめずらしく、政治の側面から語っていくのがこのシーズン2 第7話「クローン謀議」の特色だ。

 クローン・トルーパーの退役・老後問題といった、戦後のクローン・トルーパーの権利に踏み込んでいく。戦争のために「生産」された、効率のために倍速で生きる生命という、倫理的な危うさを持っているのがクローン・トルーパーの存在である。それでも生きている命の重みは何も変わらない。

政治とサスペンスが強い印象を残す、アフター「クローン・ウォーズ」

 彼らに報いようとするのが、「クローン・ウォーズ」シリーズを通して活躍したリヨ・チューチー。日本語表記については、「クローン・ウォーズ」ではリヨ・チューチーだったが、この「バッド・バッチ」ではライヨ・チューチー表記となっている。「クローン・ウォーズ」のファンには、帝国の時代になっても正しいことのために奔走しているチューチー議員のカムバックはうれしいところだ。

 さらに、「クローン・ウォーズ」からはレックスも登場!リヨ・チューチーの危機を救う中で、カミーノ壊滅の真相を葬ろうとしていた実行犯は兄弟であるクローン・トルーパーであったことを突き止める。

 帝国につくことを選んだクローン・トルーパーは、クロスヘアーだけではないようだ。自らを「信じる者」というクローンが、いかにして帝国を盲信して兄弟を殺すようになったのか。ストームトルーパーの徴兵と並行して、気になるサイドストーリーが現れた。

 バッド・バッチは不在のまま「クローン・ウォーズ」の延長線上のストーリーが展開されるのは、シーズン2 第3話「孤独なクローン」のようだ。

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 バッド・バッチが不在のエピソードほど、アフター「クローン・ウォーズ」の雰囲気が色濃く出ているのは、バッド・バッチという帝国から身を隠しているキャラクターの制約から離れた作劇が出来るからだろう。

 銀河の中枢で繰り広げられる政治とサスペンスが強い印象を残し、次なる銀河の転換期を描いたエピソードへと続いていく。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」トリビアチェックポイント

79’s

 スリップとケイドが、ランパート中将の命令によるカミーノ壊滅について話し合っている場所は、非番のクローン・トルーパーたちが集まるカンティーナ、79’sだ。

 79’sは、「クローン・ウォーズ」シーズン6 第4話「命令」に登場。また、「スター・ウォーズ レジスタンス」ではハイプ・フェイゾンの乗機グリーン・エースのノーズ部分に79’sのロゴがデザインされている。

ティンラ・パムロ

 ランパート中将による防衛徴兵法案に対して反対を表明していた元老院議員は、ティンラ・パムロだ。

 タリスの元老院議員であるティンラ・パムロは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場。デス・スターの存在が判明して開かれたヤヴィン4の反乱軍基地内での会議にて、デス・スターの前には艦隊を解散して降伏するしかないと主張した。

 ジン・アーソが話したスカリフでデス・スター設計図を入手する作戦についても、わずかな希望しかないのに帝国の施設に侵入しろと言うのかと反対していた。

 「バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」でティンラ・パムロ議員を演じているのは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と同じくシャロン・ダンカン=ブルースター。日本語吹替版声優も、『ローグ・ワン』と同じ和優希だ。

 また、小説「レイア・オーガナ オルデラーンの王女」にも登場しており、ベイル・オーガナやモン・モスマらとともにパルパティーン皇帝の政治に反対している議員のひとりである。

ベイル・オーガナ

 『エピソード2/クローンの攻撃』、『エピソード3/シスの復讐』に登場し、レイア・オーガナの養父となったベイル・オーガナは、この「バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」が「バッド・バッチ」初登場となった。

 「クローン・ウォーズ」には多くのエピソードに登場したほか、前述のティンラ・パムロ議員とともに『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にも姿を見せている。さらに、「オビ=ワン・ケノービ」ではレイアのことを理解し、導こうとする父親の面を見せた。

リヨ・チューチー(ライヨ・チューチー)

 帝国元老院にて、共和国のために尽くしてくれたクローン・トルーパーたちの権利の保全を主張し、CT-0409のスリップからカミーノはランパート中将によって滅ぼされたという話を聞いたことで、その真相を明らかにして防衛徴兵法案の成立を阻止しようとしていた元老院議員は、リヨ・チューチーだ。

 リヨ・チューチーは「クローン・ウォーズ」シリーズを通じて随所に登場。パントランを代表する元老院議員で、「クローン・ウォーズ」シーズン1 第15話「侵入者」から始まるストーリーでは、オルトー・プルトニアにて先住していたタルズとパントランの間の和平に貢献。

 また、シーズン3 第4話「惑星封鎖を解き放て」から始まるパントラが通商連合によって封鎖されたことに端を発した分離主義者の陰謀の際には、パパノイダやアソーカ・タノとともに立ち向かい、パパノイダの娘であるチー・イクウェイとチェ・アマンウェの誘拐事件も封鎖とともに解決した。

マス・アミダ

 『エピソード3/シスの復讐』に引き続いて元老院の中央にいるのは、マス・アミダだ。

 『エピソード1/ファントム・メナス』、『エピソード2/クローンの攻撃』、『エピソード3/シスの復讐』で元老院副議長を務めたマス・アミダは、もともとパルパティーンの正体を知る数少ない人物だった。

 マス・アミダの帝国での役職は大宰相で、「キャシアン・アンドー」第4話「アルダーニ」ではモン・モスマの夫であるペリン・ファーサの会食のゲストが、宰相の私室からやって来るという形で言及されていた。

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レックス

 スリップと落ち合うためコルサントに現れ、リヨ・チューチー議員の危機を救ったのは、「クローン・ウォーズ」にてキャプテンとしてシリーズを通して活躍し、「バッド・バッチ」シーズン1 第7話「戦いの傷痕」でバッド・バッチと再会したクローン・トルーパーのCT-7567、レックスだ。

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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第7話「戦いの傷痕」のストーリー、レビュー(感想・考察)、トリビアを、ネタバレありで解説します。

 「クローン・ウォーズ」でアナキン・スカイウォーカーやアソーカ・タノらとともに戦ったレックスは、ファイナル・シーズンでマンダロア包囲戦の最中にオーダー66が発動され、レックスも影響下に置かれてしまうも行動抑制バイオチップの解除に成功。アソーカ・タノとともに、クローン・トルーパーたちからの攻撃を生き延びた。

トレース・マルテスの修理店

 レックスが暗殺を試みたクローン・トルーパーを尋問するため連行した場所は、レックスの友人のガレージであり、本人たちは今は留守にしていると言う。

 このガレージは、「クローン・ウォーズ」ファイナル・シーズン 第5話「夢見るトレース」から始まるストーリーに登場した、コルサントのアンダーワールドのレベル1313にあるトレース・マルテスの修理店だ。

 トレース・マルテスとその姉、ラファ・マルテスはジェダイ・オーダーを辞めてここに辿り着いたアソーカ・タノと友人であり、「バッド・バッチ」シーズン1 第6話「ドロイドの墓場」ではコレリアの廃棄処分施設でタクティカル・ドロイドの争奪戦をバッド・バッチと繰り広げた。

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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第6話「ドロイドの墓場」のストーリー、レビュー(感想・考察)、トリビアを、ネタバレありで解説します。

 シーズン1 第7話「戦いの傷痕」でレックスは、トレースとラファ・マルテスからはぐれクローン部隊にコレリアで助けられたことを聞き、オード・マンテルにいるというバッド・バッチを見つけ出す。

 シーズン1 第6話「ドロイドの墓場」のラストではトレースとラファがホログラムで会話をしているが、この相手はレックスということだろう。

 レックスは引き続き、アソーカ・タノの友人であるマルテス姉妹を仲間としているようだ。

スーサイド・ショッカー

 暗殺を試みたクローン・トルーパーはレックスの尋問に対し、口内で噛むことによって電撃を発する装置により命とともに自身に命じた者の情報を葬った。

 この装置は「マンダロリアン」シーズン2「チャプター11:後継者」に登場し、その英語音声解説ではスーサイド・ショッカーという名称とされている。

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「マンダロリアン」シーズン2 第3話「チャプター11:後継者」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアを、ネタバレありで解説します。

 ボ=カターン・クライズによりダークセーバーのありかを尋問されたゴザンティ級クルーザーの船長は、この装置によって口を割らずに命を絶った。
 
 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

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