Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第9話「分かれ道」レビュー/トリビアチェックポイントです。
この記事では、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第9話「分かれ道」のレビュー(感想・考察)やトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。
この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第9話「分かれ道」の本編鑑賞後にご覧ください。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2の他のチャプターのエピソード、またシーズン1のエピソードは、以下のカテゴリーからご参照ください。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2のレビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」sシーズン1のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第9話「分かれ道」レビュー
エコーが去りし後のバッド・バッチの心情を描く
前話であるシーズン2 第8話「真実と結末」のラストでエコーが離脱した後のハンター、テク、レッカー、そしてオメガの心情を描いたエピソードが、この第9話「分かれ道」だ。
シーズン2の2話同時配信エピソードを除いた、第3話~第6話は独立したエピソードである上にシリーズの中で連続性のないストーリーで、続けて見なくても楽しめるものだったが、第9話「分かれ道」は第8話「真実と結末」を見ている必要がある。
「真実と結末」のラストでのエコーとの別れのシーンは短いものだった。第9話「分かれ道」では、エコーが不在となったバッド・バッチというチームの現在、そして今後のムードと、とりわけオメガとテクがエコーとの別れをどのように受け止めるのかを、1エピソードを使ってじっくりと描写している。
シドが買った鉱山に、イプシウムを採掘しにやって来たバッド・バッチ。イプシウムは精製すれば高価値となる物質だが、未精製の状態では不安定であり、わずかな摩擦で連鎖反応を起こして爆発してしまう危険物だ。
エコーがいなくなって塞ぎ込むオメガ。そんなオメガも力を発揮してイプシウムを採掘した一行だったが、目を離した隙に停泊していたマローダーを何者かに盗まれてしまう。
長距離通信機もマローダーに搭載されており、近くの宇宙港へ向かうため仕方なく峡谷を歩いていくことに。
しかし、動物の大群に巻き込まれ、嵐を逃れようとして坑道に避難するも、運んでいたイプシウムが爆発して閉じ込められてしまうなど、1人少なくなったバッド・バッチに次々とトラブルが襲いかかる…
荒涼した岩肌が広がり、嵐が迫りくるという舞台となった惑星の景観が示すように、エコーがいなくなったバッド・バッチのメンバーの会話にはどこかさびしさが漂い、お互いのミスを指摘し合ってめずらしくギクシャクした雰囲気だ。
中でも、やはりオメガの心の穴は大きく、家族だと思っていたエコーが今、ここにいないことに喪失感を感じ続けている。
オメガの喪失感と、変化に強いバッド・バッチ
さらに、家族だと思っていたエコーの別離に加え、自分の家も同然だったマローダーまで失ってしまう。
オメガにとって、カーテンがあって、明るいライトがあって、ルーラの人形がある、レッカーが用意してくれた自分の部屋があって、バッド・バッチのみんながいるマローダーはただの宇宙船ではなく、自分の居場所なのだ。
特に、生まれ育ったカミーノのティポカ・シティが崩壊した今は、なおさらマローダーの存在は拠りどころになっているだろう。その喪失感は計り知れない。
性格上、思いやりのある言い方が難しいテクが、そんなオメガに事実を淡々と突き付けて、その心を傷付けてしまうが、ハンターもレッカーも積極的なフォローは同じように出来ていない。
こうした描写から、エコーとの別離についてバッド・バッチのメンバーがドライ過ぎると思われるかも知れない。
ただ、これはクローン・トルーパーとして生まれ育った彼らの境遇も影響しているのではないだろうか。
戦場では、常に戦闘で損耗が起きる。いつ、誰が命を落とすのかはわからない。次の瞬間には戦友が煙を上げた遺体になっているかも知れないのだ。それでも任務は遂行しなければならない。
だから、戦友が突然いなくなったとしても、兵士ではない者と比べれば動揺は少ないはずだ。戦争のために作られた兵士であるバッド・バッチのメンタリティは常人とは異なり、非常に変化に強いのだと思う。
それがエコーが別の道を行くことになっても、残されたバッド・バッチの面々が表面上は平静でいられる理由なのではないか。
予測困難な中でも、信じられる人は側にいる
しかし、テクが言うようにそんな彼らとて感情がないわけではない。上述のように変化に強いということもあるが、変化を見て見ぬふりをしているのではなく、戦友たちの決断を尊重することで受け入れているのだ。
テクは、シーズン1 第16話「カミーノ滅亡」でも考え方の異なるクロスヘアーに対して、「理解はするが同意はしない」と言って同じ道は行かないが、その決断は尊重するという姿勢を見せている。
実はテクは冷淡ではなく、相手の考えを排除せずに尊重するという理解のあるキャラクターだ。
どこに向かうか予測出来ないこの惑星の嵐は、共和国から帝国へと変貌していく中で、次々に訪れる困難の比喩だろう。
現代は予測困難で、不確実性が高いVUCA(ブーカ)時代と言われる。災害や経済的な困難、そして戦争まで、近い未来でも何が起こるかを予測することは難しく、それは激動の時代の中で拠り所を失い、さすらうクローンのはぐれ部隊も同様だ。
それでも、これまでと同じように、いつもと同じようにきっとうまくいく。それは家を失い、仲間が別の道を行ってしまっても、まだ信じられる人がそばにいるということ自体が、希望であるからだ。
寂寥感の中でも、背中を押されるようなエピソードが『スター・ウォーズ』で見られるとは。長期シリーズだからこそ出来る味わいだ。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第9話「分かれ道」トリビアチェックポイント
ローランド・デュランド
シドに助けを求めるホログラム通信の中で、ローランドから店を取り返してやったとテクが言っているのは、「バッド・バッチ」シーズン1 第13話「群れ」でデヴァロニアンのローランド・デュランドがシドのパーラーを乗っ取った事件のことを指している。
ミルレギの借金をチャラにしたという件は、もちろんシーズン2 第4話「ライオット・レース」での出来事だ。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。
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