『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のトリビア、隠れ要素(イースターエッグ)、過去作へのオマージュや引用、その他小ネタといった、知っているとより本作が楽しめるチェックポイントをまとめました。
当然ながら、この記事は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のネタバレを含んでいます。『最後のジェダイ』の観賞後に、こちらの記事でチェックし、次の観賞の際に見逃したポイントを探してみましょう!
また、カメオ出演については『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』カメオ出演総まとめ!も合わせてご覧ください。
- 『スター・ウォーズ』過去シリーズからの引用
- おなじみのセリフ「イヤな予感がする」はBB-8が発言!
- グリーンミルク
- ルークの義手に残るダメージの跡
- レーザーソード
- ハンのサイコロ
- レイアのホログラム
- スタンモードで撃つレイア
- レイアとベンのフォースでの交感
- フォースを学ぶことは石を浮かすことではない
- ホスの戦いとクレイトの戦いの近似性
- レイとルークの修行
- カイロ・レン、スノーク、レイの謁見の間でのドラマ
- ともに銀河を支配しよう
- スノークが切断されたのは胴体だけではない
- ハイパースペース・トラッキング
- 髪型を変えたの
- Rebel Scum(反乱軍のクズ)
- クレイトの反乱軍基地への侵攻
- Almost there
- もし倒されても、いつもお前とともにある
- ルークが見つめる太陽
- 「スター・ツアーズ」からの影響
- ルークのトレーニング用ヘルメット
- 名作映画からの引用
- 続編への布石もあるか?『最後のジェダイ』重箱の隅なイースターエッグ
- その他の『最後のジェダイ』トリビア
- 新しいR2−D2のキャスト、ジミー・ヴィー
- ワーキングタイトルはスペースベアー
- シリーズ史上最長の上映時間
- 移動したカイロ・レンの顔の傷
- キャストクレジットのトップはマーク・ハミル
- 『フォースの覚醒』と『最後のジェダイ』のストームトルーパーの違い
- 回想シーンのある最初の『スター・ウォーズ』映画
- 脚本に協力したキャリー・フィッシャー
- キャリー・フィッシャーのダミー
- ブラスターの口マネをしていたローラ・ダーン
- 「ブラジルの水彩画」
- DJ
- ツリー・ライブラリーの炎が反乱同盟軍マークに
- ミレニアム・ファルコンの脱出ポッドに 影響を与えた「別世界物語」
- ゾークのコイン
- スカイウォーカーファミリー不在のラストシーン
- 幻影のルークを見破るための5つのヒント
- 『最後のジェダイ』を次回見るときの参考に!
『スター・ウォーズ』過去シリーズからの引用
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、過去の『スター・ウォーズ』シリーズでおなじみの要素からマニアックなモチーフまで、様々な形で引用している。
おなじみのセリフ「イヤな予感がする」はBB-8が発言!
『最後のジェダイ』は一見、『スター・ウォーズ』シリーズに毎作登場するおなじみのセリフである「イヤな予感がする(I have a bad feeling about this)」を誰も言っていないように思える。
シリーズの伝統をも打ち壊したのか?と思いきや、このセリフは映画の冒頭でポー・ダメロンとともにファースト・オーダーと戦闘するBB-8が電子音で「イヤな予感がする」と発声していると、ライアン・ジョンソンが認めている!
おなじみのセリフも、今回は捻りのあるものになっている…
グリーンミルク
ルーク・スカイウォーカーのあとをレイがついていくとオク=トーでの彼の生活が垣間見えるシーンで、海岸にいるタラ=サイレンの乳から絞ってルークが飲んでいたのは、グリーンミルクだ。
これはもちろん、『スター・ウォーズ』シリーズにたびたび登場するブルーミルクを連想させる。ブルーミルクは、バンサの乳でありバンサ・ミルクとも呼ばれるが、『スター・ウォーズ』ギャラクシーのミルクは何かしら色が付いているものらしい…
『エピソード4/新たなる希望』で、ラーズ家の食卓で若きルーク・スカイウォーカーはブルーミルクを飲んでいたが、いくつになっても乳製品は大事なようである。
ルークの義手に残るダメージの跡
ルーク・スカイウォーカーの機械の義手には、『エピソード6/最後のジェダイ』にてジャバのセール・バージで戦った際にブラスターに被弾して負った焦げた跡が残っている。これは、レイからライトセーバーを受け取るカットで確認出来る。
レーザーソード
ルークはレイに対して、ライトセーバーのことを「レーザーソード(laser sword)」と言うシーンがあるが、『エピソード1/ファントム・メナス』でクワイ=ガン・ジンのライトセーバーを見たアナキンは同じく「レーザーソード」と呼んでいた。
ハンのサイコロ
『最後のジェダイ』にて印象的なアイテムなのが、ハン・ソロがミレニアム・ファルコンのコクピットにぶら下げていたハンのサイコロ。これは『エピソード4/新たなる希望』にて、ミレニアム・ファルコンのコクピットのシーンで小さく写っていることが確認出来る。
そのため、設定としてはシリーズ開始当初からあるものではある。1995年に発売された「スター・ウォーズ コレクションカードゲーム(カスタマイザブルカードゲーム)」では「ハンのサイコロ」というカードがあり、そのビジュアルがはじめてクローズアップされた。
「ハンのサイコロ」のカードはゲーム用に作られたビジュアルで、実際のサイコロと同じようなサイの目になっているが、『最後のジェダイ』では異世界感のあるビジュアルとなっている。
その後、ハンのサイコロは『フォースの覚醒』に再登場した。
『フォースの覚醒』のプロモーション用写真でも確認することが出来、ヴァニティ・フェア2015年6月号の表紙に、ハンのサイコロが写っている(雑誌名のロゴの「V」と「A」のあたり)。
「スター・ウォーズ/フォースの覚醒 ビジュアル・ディクショナリー」に記載された設定によると、これはランド・カルリジアンからミレニアム・ファルコンを巻き上げた「コレリアン・スパイク」というサバックで買った時のサイコロとのこと。
ということは、「エピソード9」にも登場するだけではなく、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でランド・カルリジアンからミレニアム・ファルコンを手に入れるいきさつを描く際に登場することは必至と思われる!いきなりシリーズのキーアイテムになってしまった…
レイアのホログラム
R2−D2がルークに見せるレイアのホログラムは、言うまでもなく『エピソード4/新たなる希望』に登場した映像。ルーク・スカイウォーカーがその後の運命を一変させるきっかけとなった、すべてのはじまりのメッセージだ。
このホログラムを見たことでルークはレイアに関心を持ち、オビ=ワン・ケノービはこの助けを求めるメッセージを見て数奇な運命に思いを馳せ(生き別れた双子の兄妹が偶然にも結び付けられたのだ)、ルークに父のライトセーバーを手渡して旅に連れ出してフォースの手ほどきをし、隠遁生活から再び戦いへと赴き、かつての弟子と対峙することになった。
『最後のジェダイ』のルーク・スカイウォーカーもこのホログラムを見てR2−D2に「ずるい」と言いつつ、レイにフォースを教え、またレジスタンスとファースト・オーダーの戦いに協力し、かつての弟子と向き合うきっかけとなる。
スタンモードで撃つレイア
ポー・ダメロンがレジスタンスの艦船<ラダス>の指揮に対して反乱を起こした際に、レイアはポー・ダメロンをブラスターのスタンモードで撃つ。
レイアは『エピソード4/新たなる希望』の冒頭で、タンティブⅣ船内にてストームトルーパーと銃撃戦を行い、スタンモードで撃たれて捕まっていた。
レイアとベンのフォースでの交感
ファースト・オーダーからレジスタンスの艦船が攻撃を受けている時に、レイアとベン・ソロがお互いの存在を感じるシーンは、『エピソード5/帝国の逆襲』の終盤で帝国軍がミレニアム・ファルコンを追う中、ルークとダース・ベイダーが交感するシーンと同様にショット・リバースショットで撮影され、お互いに対面しているような演出となっている。
フォースを学ぶことは石を浮かすことではない
ルークはレイに、フォースを学ぶことは石を浮かすことではないと言うが、これは『エピソード5/帝国の逆襲』でルークがヨーダから学んだ修行のことを揶揄しているかのようだ。
ホスの戦いとクレイトの戦いの近似性
クレイトの戦いは、真っ白な地表を持つ惑星の反乱軍基地を前にして、反乱軍が脱出する時間を稼ぐために、スピーダーを用いてウォーカーと戦うという、『エピソード5/帝国の逆襲』のホスの戦いと同様のシチュエーションのシーンとなっている。
『エピソード5/帝国の逆襲』からはこれだけではなく、全体的なプロット(基地を追われ追跡を受ける反乱軍と、フォースの修行を行う師と弟子)を『最後のジェダイ』で用いている。
レイとルークの修行
オク=トーでのレイの修行は、暗黒面の洞窟を体験し、修行の完成を待つことなく旅立つという、『エピソード5/帝国の逆襲』でルークがダゴバで経験したことをなぞってている。
カイロ・レン、スノーク、レイの謁見の間でのドラマ
カイロ・レン、スノーク、レイが謁見の間で繰り広げるドラマは、『エピソード6/ジェダイの帰還』でダース・ベイダー、パルパティーン、ルークが皇帝の謁見の間で対面したシーンに近似している。
パルパティーンをルークがライトセーバーで攻撃しようとするがダース・ベイダーに阻まれてしまうのと同様に、レイはライトセーバーを引き寄せるもスノークの強力なフォースを前に攻撃することが出来ない。また、パルパティーンと同様にスノークはフォースライトニングを使う。
スノークは、レイとカイロ・レンが交感出来るようになったのは、自身がフォースで2人を結び付けた罠だったと、反乱軍にわざと第2デス・スターの情報を流したパルパティーンと同様に明かす。
さらに、パルパティーンがルークに反乱軍が苦境となっている様子を見せ、ダークサイドへと誘うのと同様に、スノークはレジスタンスの苦境をレイに見せつける。
パルパティーンがダークサイドに転じないルークを殺そうとするとダース・ベイダーがそれを止め、パルパティーンを倒したように、スノークがレイの殺害をカイロ・レンに命じるものの、カイロ・レンはスノークの方を倒してレイを救う。
また、スノークの謁見の間は、『エピソード6/ジェダイの帰還』の皇帝の謁見の間のコンセプトアートからインスピレーションを受けている。
ともに銀河を支配しよう
上記のシーンの後、カイロ・レンはレイとともに銀河を支配することへ誘うが、レイはこれを拒否する。
これは『エピソード5/帝国の逆襲』でダース・ベイダーがルークに父と子でともに銀河を支配しようと誘うセリフに似ている。
この「ともに銀河を支配しよう」というセリフは、『エピソード3/シスの復讐』でもダークサイドに堕ちたアナキンがパドメに対して誘いをかけた際にも使われている。
スノークが切断されたのは胴体だけではない
『スター・ウォーズ』シリーズ中で、ライトセーバーにより腕などが切断されるのはおなじみの描写。StarWars.comにも、『スター・ウォーズ』シリーズで各キャラクターが切断されたあらゆるシーンを取り上げた記事があるほどだ!
『最後のジェダイ』では一見、腕などの切断シーンがないように見えるが、実はカイロ・レンがスノークをスカイウォーカーのライトセーバーをフォースで操って切断した際に、胴体だけではなく腕も斬っている。
ハックス将軍がスノークの亡骸を発見したシーンで、椅子にスノークの腕が残っていることがわかる。
ハイパースペース・トラッキング
ファースト・オーダーが、ハイパースペースに突入したレジスタンスの艦船を追跡することが出来たのは、ハイパースペース・トラッキングと呼ばれる技術。
このハイパースペース・トラッキングは、なんと『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でジン・アーソがスカリフのシタデル・タワーにてデス・スターの設計図を探している時に見つけ、読み上げているのだ!
帝国軍の元で研究が始まったハイパースペース・トラッキングは、ファースト・オーダーのハックス将軍が集めたチームが引き継ぎ、実用化されることになる。
髪型を変えたの
レイアがルークに「髪型を変えたの」と言うのは、『フォースの覚醒』でのハン・ソロとレイアの会話から。
Rebel Scum(反乱軍のクズ)
ハックス将軍がポー・ダメロンに対して、またフィンがキャプテン・ファズマに対して言う「Rebel Scum(反乱軍のクズ)」というフレーズは、『エピソード6/ジェダイの帰還』でハン・ソロが帝国軍のレンズ中尉から言われたセリフと同様。
このフレーズはおなじみで、RebelScum.comという老舗ファンサイトの名称にもなっているほど。
クレイトの反乱軍基地への侵攻
クレイトの反乱軍基地の跡地にファースト・オーダーが侵入する際、真上から捉えたカットは、『エピソード3/シスの復讐』でアナキンがクローン・トルーパーとともにジェダイ聖堂へ乗り込むシーンのカットと似ている。
また、反乱軍基地にダークサイドの使い手が軍勢を伴って侵入するのは『エピソード5/帝国の逆襲』でダース・ベイダーがスノートルーパーとともにエコー基地に侵攻したことと同様のシチュエーション。
Almost there
『エピソード4/新たなる希望』のヤヴィンの戦いで、レッドリーダーのガーヴェン・ドレイスはデス・スターの排熱孔への攻撃の際に「Almost there(もう少しだ)」と言い、狙いを定めている。
『最後のジェダイ』では、メガ級スター・ドレッドノート<スプレマシー>に潜入したフィンと、ドアのロックを破ろうとするDJが「Almost there」と言う。
もし倒されても、いつもお前とともにある
ルークはクレイトでの戦いにて、もし怒りで自身を倒したとしてもいつもお前とともにあると、カイロ・レンに言う。
これは『エピソード4/新たなる希望』でオビ=ワン・ケノービが「もし私を打ちのめしても、私はおまえの想像を超えるほど強くなるのだ(If you strike me down, I shall become more powerful than you can possibly imagine)」とダース・ベイダーに言ったセリフに近い。
オビ=ワンがその後、ルークの前に霊体として現れたこと、またクレイトでルークがカイロ・レンにまた会おうと発言していることなどから考えると、この後ベン・ソロの前にルークが霊体となって現れてもおかしくはない。
ルークが見つめる太陽
ルーク・スカイウォーカーが最期の瞬間に見つめているオク=トーの太陽。このシーンでは『エピソード4/新たなる希望』で、ルークがタトゥイーンで二重太陽の夕陽を見つめたシーンと同じく「二つの夕日(フォースのテーマ)」が流れ、重ね合わせる演出となっている。
まだ何者でもなく、一生をこの辺境の地でやりたいことも出来ずに過ごすのかと、沈む夕日を見つめた若き日のルーク・スカイウォーカー。
また、彼が生まれた頃には、オーウェンとベルーのラーズ家の夫婦がルークを迎えて、希望とともに二重太陽を眺めていた。
時が過ぎ、「伝説のジェダイ」となったルーク・スカイウォーカーは銀河の希望の灯を託して、オク=トーの太陽を見つめていた。
「スター・ツアーズ」からの影響
『最後のジェダイ』のライアン・ジョンソンによる音声解説によると、クレイトの洞窟をミレニアム・ファルコンが通り抜けているシーンは、「スター・ツアーズ」でスタースピーダー3000が彗星に突入する場面から影響を受けている。
「スター・ツアーズ」でスタースピーダー3000が彗星に突入して氷を避けながら、最後には突き破って脱出したのと同じように、ミレニアム・ファルコンはクレイトの赤い洞窟を障害物に当たらないように通り抜け、突き破って地表に登場する。
ルークのトレーニング用ヘルメット
終盤のミレニアム・ファルコン船内には、『エピソード4/新たなる希望』でルークがライトセーバーのトレーニングに使っていたヘルメットが確認出来る。
名作映画からの引用
『スター・ウォーズ』シリーズは、西部劇、戦争映画、時代劇、そのほかクラシック映画など、数々の名作映画から多くの影響を受けているが、『最後のジェダイ』でもライアン・ジョンソン監督は様々な名作映画から影響を受けたことを明言している。
制作時に鑑賞した6本の映画
『最後のジェダイ』を制作する上で、インスピレーションを受けた作品としてライアン・ジョンソン監督が挙げている代表的な映画は、五社英雄の『三匹の侍』(1964)、『頭上の敵機』(1949)、ソビエトの映画『送られなかった手紙』(1960)、また『スター・ウォーズ』オリジナル・トリロジーでオビ=ワン・ケノービを演じたアレック・ギネスも出演している『戦場にかける橋』(1957)、『サハラ戦車隊』(1943)、岡本喜八の『斬る』(1968)、『ガンガ・ディン』(1939)である。
これらの6作品は、『最後のジェダイ』をライアン・ジョンソンが監督・脚本を担当することになった際に、ルーカスフィルム・ストーリーグループの面々とともに鑑賞会を行い、ストーリーを作る上での基礎的な素材となったようである。
『羅生門』
カイロ・レンとルークそれぞれの視点から、カイロ・レンのダークサイド転落の決定的な出来事をレイが聞く描写は、事件の関係者がそれぞれの視点から食い違った証言をする様子を描いた、黒澤明の『羅生門』(1950)のようである。
『ワイルドバンチ』
ポー・ダメロンが言う「If they move, stun’em!(もし動いたら気絶させろ)」というセリフは、『ワイルドバンチ』(1969)でのウィリアム・ホールデン演じるパイクのセリフ「If they move, kill ’em!(連中が動いたら殺せ)」からの引用。
『つばさ』
カント・バイトのカジノにいる様々な客たちを、彼らの間を通り抜けるように撮られたシークエンスは、第1回アカデミー賞にて最初の最優秀作品賞を受賞したことでも知られる『つばさ』(1927)でのクレーンショットからインスパイアされたもの。
ライアン・ジョンソン監督も、このシーンが『つばさ』からインスパイアされたものであることをTwitter上で認めている。
Yup!
— Rian Johnson (@rianjohnson) 2017年12月11日
『未来世紀ブラジル』
フィンとローズがカント・バイトでシャトルを駐車出来ない場所に停めてしまい、警察に捕まってしまう際に、駐車違反27B/6に触れてしまったことがわかるが、この「27B/6」はテリー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』(1985)からの引用。
ちなみに、『未来世紀ブラジル』には『エピソード5/帝国の逆襲』へのオマージュもある。
『ロング・グッドバイ』
カント・バイトのカジノのバーラウンジのような場所で、カップが振動した後にレース用のファジアーたちが乱入してくる直前のシーンにて、ジョン・ウィリアムズ自身が作曲したロバート・アルトマン監督の『ロング・グッドバイ』(1973)のテーマ曲が流れている。
ジョン・ウィリアムズ自身が作曲した楽曲であること、またシーンと雰囲気がマッチすることから引用されることになったのかと思うが、現実に存在する楽曲が『スター・ウォーズ』の劇中で流れるのはめずらしい引用だ。
『めまい』
フィンとローズが崖に着いた際に、崖の上から地表を写すカットにて、カメラを移動させながらズームイン/ズームアウトをかけるドリー・ズームの手法が用いられるが、これはアルフレッド・ヒッチコックの『めまい』(1958)で印象的に使用されていたものだ。
『市民ケーン』/『上海から来た女』
レイがオク=トーの洞窟で、鏡合わせのように何重もの自分の姿を見るシーンは、オーソン・ウェルズの『市民ケーン』(1941)、『上海から来た女』(1947)での鏡合せの演出とよく似ている。
『カサブランカ』
ローズがカント・バイトのファジアーの世話をする子どもたちに、レジスタンスのメンバーであることを明かす際、レジスタンスのマークが入った開閉式の指輪を見せる。設定では、帝国元老院において反乱軍の味方であることを示す時に使われていたという。
このシーンは『カサブランカ』(1942)にて、フランスのレジスタンスである証として「ロレーヌ十字」の指輪を見せるシーンと似ている。
ちなみに、『エピソード4/新たなる希望』に登場するモス・アイズリーのカンティーナは、『カサブランカ』からの影響を受けている。
『ハードウェア・ウォーズ』
こちらは名作映画からの引用…というか、他の名作とはまったくテイストが異なる元祖『スター・ウォーズ』パロディ映画『ハードウェア・ウォーズ』からの引用!
フィンとローズがスノークの旗艦<スプレマシー>に潜入した際に、ファースト・オーダーの制服を盗むシーンでアイロンが登場するが、これは『ハードウェア・ウォーズ』で宇宙船をアイロンで表現したことからの引用であると、ライアン・ジョンソンが認めている!
『スター・ウォーズ』パロディ映画が、まさかの『スター・ウォーズ』本編へ影響を与えるとは…数々のパロディが作られている、『スター・ウォーズ』ならではの現象と言える。今後、『スペースボール』からの引用が含まれた新作『スター・ウォーズ』が登場する日も近いのかも知れない…
「The Young Ones」
これは名作映画ではないが、フィンとローズのカント・バイトでのチェイスシーンにて2人が「崖だ!(Cliff!)」と叫ぶのは、1982年~1984年に放送されていたイギリスのコメディドラマ「The Young Ones」からの引用であることが指摘されている。
「The Young Ones」に出演していたエイドリアン・エドモンドソン(エイド・エドモンソン)は、『最後のジェダイ』でファースト・オーダーの将校のエドリソン・ペアヴェイ(Edrison Peavey)を演じている。
また、「The Young Ones」についてTwitterのユーザーから指摘されたライアン・ジョンソンは、これを示唆するようにサムズアップをするツイートをしているほか、『最後のジェダイ』ブルーレイの音声解説では、ライアン・ジョンソン自身が「The Young Ones」を参考にしたと発言している。
👍
— Rian Johnson (@rianjohnson) 2017年12月18日
『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』
ライアン・ジョンソン監督は『最後のジェダイ』ブルーレイの音声解説にて、ポー・ダメロンとフィンの会話シーンなどに、『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』といったモンティ・パイソン作品の影響を受けたと語っている。
「ツイン・ピークス」
『最後のジェダイ』のプロダクションデザイナーのリック・ハインリクスによると、紅に包まれたスノークの謁見の間は、「ツイン・ピークス」の「赤い部屋」がインスピレーションの元になっているという。
参考やインスピレーションとするものを並べる、アート部門のムードボードと呼ばれるスペースに、「ツイン・ピークス」の「赤い部屋」の写真もあったということで、リック・ハインリクスとライアン・ジョンソンは、初期の段階からこちらを元に議論をしていたそうだ。
『アパートの鍵貸します』
「アート・オブ・スター・ウォーズ/最後のジェダイ」にてVFXディレクターのジェームス・クリーンが、メガ級スター・ドレッドノート<スプレマシー>のクルーが作業をしている共用エリアのデザインは、ビリー・ワイルダーの『アパートの鍵貸します』のオープニングシーンで机の列が続いているオフィスに敬意を払い、参考にしたと挙げている。
『グリーン・デスティニー』
プレトリアン・ガードの戦闘スタイルは、ライアン・ジョンソン監督の意向で『グリーン・デスティニー』での道場の戦いのシーンが参考にされている。そのため、中国武術の要素が見られるものとなっている。
『ファーゴ』
『最後のジェダイ』のプロダクションデザイナーのリック・ハインリクスは、クレイトの戦いのビジュアルにおいて、自身が携わった『ファーゴ』の終盤の木材破砕機のシーンからインスピレーションを引き出したという。
白い大地に赤い鉱物の粉塵が撒き散らされるクレイトの戦いの暴力性は、凄惨な描写なのにおかしみもあるという、『ファーゴ』のあのシーンから触発されたものだったのだ!
『ゴールドフィンガー』
カント・バイトにいるコード破りの達人は、白いタキシードと赤いプロムの花のブローチを着けている。この衣装は、「007」シリーズの『ゴールドフィンガー』でショーン・コネリー演じるジェームズ・ボンドからインスピレーションを得ている。
続編への布石もあるか?『最後のジェダイ』重箱の隅なイースターエッグ
まだ残されているジェダイの書
ミレニアム・ファルコンの船内にて、ローズを看護するフィンがブランケットを出すために開けたクローゼットの中に、オク=トーにあったジェダイの書が見られる。どうやら、ヨーダによって焼かれる前にレイによってミレニアム・ファルコンに運び込まれたようだ。
「エピソード9」では、この残されたジェダイの書を元にフォースの使い手が再興するのか?
赤いカイバークリスタルのペンダント
オク=トーのルークの家の中で、赤いカイバークリスタルのペンダントを確認することが出来る。
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ ビジュアル・ディクショナリー」によると、「シスのライトセーバークリスタルのかけら」であり、「回収されたジェダイ・クルセーダー(十字軍の意味)のペンダント」であるという説明がある。
スノークの指輪
スノークの左手にある黄金の指輪は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場したムスタファーのダース・ベイダーの城から持ち出されたもの。スノークもカイロ・レンに負けず、ダース・ベイダーのファンらしい。
ルークのコンパス
『最後のジェダイ』でルークの家に置いてあるコンパスを手に入れた経緯は、ゲーム「Star Wars バトルフロント II」にて描かれている。
このコンパスは、様々な物品が保管されているダース・シディアスの観測所があった惑星ピリオにて、帝国軍インフェルノ分隊のデル・ミーコと出会った時に入手したもの。はたして、このコンパスが持つ意味とは…
Xウィングで出来たルークの家のドア
オク=トーのルークが住む家のドアは、Xウィングの翼のパネルで出来ている。オク=トーに到着してから、乗ってきたXウィングを海に沈める前に廃材として活用したのだろうか?
レイアの旗艦は<ラダス>
レイア・オーガナ将軍の旗艦<ラダス>は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場したラダス提督が名前の由来である。
設定では、もともと<ドーン・オブ・トランクィリティ>(静けさの夜明け)という艦名を<ラダス>に改名したのは、アクバー提督による推薦だったという。ラダス提督への敬意が込められたネーミングである。
その他の『最後のジェダイ』トリビア
新しいR2−D2のキャスト、ジミー・ヴィー
2016年に亡くなったケニー・ベイカーの跡を継いで、新たに『最後のジェダイ』にてR2−D2を演じているのはジミー・ヴィー。
ワーキングタイトルはスペースベアー
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のワーキングタイトル(仮タイトル)は「スペースベアー」だった。
シリーズ史上最長の上映時間
『最後のジェダイ』は、『スター・ウォーズ』シリーズ史上最長となる152分の上映時間で、これはこれまで最長だった『クローンの攻撃』の142分を10分も超えている。
移動したカイロ・レンの顔の傷
カイロ・レンの顔の傷は、『フォースの覚醒』の時よりも位置を調整されている。『フォースの覚醒』では眉間を通っていた傷が、『最後のジェダイ』では眉間を通らずに右眉を通って頬へと至る傷となっているのだ。
これはライアン・ジョンソンが、見栄えの問題から位置を変えたもの。
キャストクレジットのトップはマーク・ハミル
マーク・ハミルは、オリジナル・トリロジーの各作品で最初にクレジットされているキャストだったが、『最後のジェダイ』は『ジェダイの帰還』以来、クレジットのトップに記載される作品となった。
『フォースの覚醒』と『最後のジェダイ』のストームトルーパーの違い
『最後のジェダイ』のストームトルーパーのアーマーは、『フォースの覚醒』版と比較して細部が異なるデザインとなっており、特にヘルメットはよりシャープになり、帝国軍のストームトルーパーに近付いたディテールとなっている。
回想シーンのある最初の『スター・ウォーズ』映画
『最後のジェダイ』は、回想シーンのある最初の『スター・ウォーズ』映画である。本作までは、フォースビジョンという形でのみ過去のシーンが描かれていた。
脚本に協力したキャリー・フィッシャー
キャリー・フィッシャーは、『最後のジェダイ』に脚本の手直しを行うスクリプト・ドクターとして脚本に協力をしている。
クレイトの反乱軍基地で、レイア・オーガナがルーク・スカイウォーカーに最後に会ってから髪型が変わったことを話すシーンの台詞や、レイアとアミリン・ホルドが別れる最後のシーンで「フォースと、いつも共にあらんことを」と一緒に言うのもキャリー・フィッシャーのアイデアだった。
キャリー・フィッシャーのダミー
<ラダス>船内で昏睡状態となり医療ポッドに寝ているレイアは、キャリー・フィッシャー本人ではなく、実は精巧に作られたダミーだ。このレイアのダミーは、クリーチャー&ドロイドFXクリエイティブスーパーバイザーのニール・スキャンランと彼のチームが制作したもの。
「昏睡状態になっている彼女のモデルはとてもリアリティがあった。でも、彼女はずっと寝ていてしゃべらないから、モデルだと確信したけどね!」と、ルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルもその出来栄えに目を見張ったようだ。
ブラスターの口マネをしていたローラ・ダーン
ホルドがブラスターを撃つシーンで、ホルドを演じたローラ・ダーンの口元をよく見ると、「ピュー」とブラスターの口マネをしていることがわかる!
「ブラジルの水彩画」
『ロング・グッドバイ』(1973)のテーマ曲とともに、現実世界に存在する楽曲である「ブラジル(Aquarela do Brasil、ブラジルの水彩画)」が『最後のジェダイ』には使用されている。
アリ・バホーゾによるこの楽曲は、『最後のジェダイ』で「27B/6」を引用した『未来世紀ブラジル』でも使用されている。
DJ
ベニチオ・デル・トロが演じるDJの名前の由来は、「関わるな(Don’t Join)」という彼のモットーから。DJの帽子には、「DJ」と記されたプレートが付いている。
この「Don’t Join」は、エルヴィス・コステロのアルバム「アームド・フォーセス」のプロモーションポスターのキャッチコピーから取られたものであると、ライアン・ジョンソンは明かしている。
ツリー・ライブラリーの炎が反乱同盟軍マークに
燃え上っているオクトーのツリー・ライブラリーの炎は、反乱軍同盟軍のマークのように見える。
ミレニアム・ファルコンの脱出ポッドに 影響を与えた「別世界物語」
レイがカイロ・レンに会うために使用したミレニアム・ファルコンの脱出ポッドが棺桶型である理由は、「ナルニア国物語」シリーズのC・S・ルイスの「別世界物語」からインスピレーションを受けたからであると、ライアン・ジョンソン監督は『最後のジェダイ』ブルーレイの音声解説にて語っている。
ゾークのコイン
『最後のジェダイ』の音声解説によると、D.Jが盗んだ船にあるコインの中に、ライアン・ジョンソンが子どもの時に好きだったテキストアドベンチャーゲーム「ゾーク」のコインが紛れているとのこと。
スカイウォーカーファミリー不在のラストシーン
ラストシーンにスカイウォーカー家のキャラクターが登場していない最初の『スター・ウォーズ』実写映画である。これまでの全ての映画には、アナキン、ルーク、レイアといった面々がラストシーンに登場していたが、本作ではカント・バイトの少年たちが登場する。
幻影のルークを見破るための5つのヒント
クレイトに現れたルーク・スカイウォーカーに実体がないことは、劇中でそれがフォースで作り出したものであることが明かされる前に、いくつかのヒントがある。
- クレイトの地表は赤い足跡が付くことが描かれているが、ルークは足跡が付かない。
- ルークの髪は黒く短いヘアスタイルで髭はなく、回想シーンに登場するベン・ソロが最後に見た姿になっている。
- 出入り口がないはずのクレイトの基地内に現れた。
- この時点でスノークの謁見の間で真っ二つに破壊されたはずのアナキンのライトセーバーを使用している。
- カイロ・レンのライトセーバーはクレイトの塩の粉塵が近づくとスパークを散らすが、ルークが持つライトセーバーはそれが起こらない。
『最後のジェダイ』を次回見るときの参考に!
以上のように『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のトリビア、隠れ要素(イースターエッグ)、過去作へのオマージュや引用、その他小ネタのチェックポイントをまとめましたが、何回見ても楽しめそうな程のボリューム!『最後のジェダイ』を次に見る時には、ぜひ上記をチェックしてみてください。
また『最後のジェダイ』の新しい事実がわかれば、随時更新したいと思います。
カメオ出演については、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』カメオ出演総まとめ!を合わせてご覧ください。
参考:UPROXX、wired.jp、Slate、INSIDER、tvtropes、screenrant.com、EW.com、BrooklynVegan
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