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「スター・ウォーズ:アコライト」第7話「選択」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

(C)2024 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:アコライト」第7話「選択」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:アコライト」第7話「選択」のストーリーやレビュー(感想・考察・批評)、トリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:アコライト」第7話「選択」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「スター・ウォーズ:アコライト」の他のエピソードについては、以下のカテゴリーからご参照ください。

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「スター・ウォーズ:アコライト」第7話「選択」レビュー

『羅生門』スタイルで16年前の真相に迫る

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 第7話「選択」では、第3話「運命」での16年前のブレンドクで起きた出来事をソルやインダーラ、トービン、ケルナッカのジェダイの視点から描いたエピソードだ。

 「スター・ウォーズ:アコライト」の制作にあたり、ショーランナーのレスリー・ヘッドランドは影響を受けた作品として黒澤明監督の『羅生門』を挙げており、ひとつの出来事を視点を変えて描写するという『羅生門』スタイルがついに登場したというわけだ。

 『羅生門』で真相が明かされるのは、客観的にすべてを見ていた杣売りの証言であったが、第3話「運命」がキャラクターの回想形式ではないため、第7話「選択」でもキャラクターの新証言が出てくるわけではなく、基本的には4人のジェダイ側の視点から描きながら、第3話「運命」では描写されなかったシーンや、また同じシーンを文字通り別アングルから映したシーン、カメラのフレーム外となっていた部分が映し出されるといった形式だ。

 当事者が自分のために嘘をついているのではなく、事実を別の角度から見たというスタイルであり、この点が『羅生門』とは異なる。

「スター・ウォーズ:アコライト」第7話「選択」ストーリー

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 16年前のブレンドク。ソル、インダーラ、トービン、ケルナッカはこの地を調査していた。

 夜、たき火を囲んでケルナッカが調理した夕食を取る一行。トービンはヌーナの脚に飽きており、コルサントに戻りたいとこぼす。7週間も調べて何も発見がないことに苛立っているのだ。

 ブレンドクはハイパースペース災害によって100年前に死滅したと分類されていたが、繁栄した姿を見せているとインダーラは説明し、自身のパダワンであるトービンに不安に支配されず、冷静になるよう語りかける。

 トービンは、我々がしていることが重要で有意義だという実感があればと言うと、ソルとインダーラは探すのは濃厚なフォースのエネルギーが存在する特定の場所であり、このブレンドクで見られるように生命が生まれる「フォースの集中」だと教える。

 それは研究されるべき力で保護されるべき、ジェダイにとって何より重要でありなものである崇高な任務だという。

 翌日、インダーラはトービンの注意散漫さを指摘し、ソルも不安で動揺していたと同意するが、インダーラは動揺しているのはソルであり、トービンと自分を混同しないように言う。

 インダーラはトービンに易々と答えは教えず、答えは自分で探せと教えており、賛同しないかと聞くがソルは沈黙。インダーラは、それこそがソルにまだ弟子がいない理由だという。

 インダーラは二手に分かれ、ソルには川沿いに進んでノースランドを調べるよう指示。スピーダーバイクで移動したソルは、ブンタの木の下にいるオーシャとメイを目撃する。

 マザー・コリルによって2人は砦に連れ戻され、インダーラに連絡をするものの応答を得られなかったソルは後を追う。

 砦の壁面を登って侵入したソルは、マザー・アニセヤとオーシャ、メイの訓練や、魔女たちの儀式を確認する。

 ジェダイたちのキャンプで、ソルはフォース・カルトである魔女たちらしき集団の存在を報告。トービンはナイトシスターかと聞くが、インダーラにナイトシスターは子を育てず訓練もしないと、先走らないよう注意される。

 評議会に相談するというインダーラに、今夜魔女たちは儀式をするということでオーシャとメイの身が心配だとソルは案じ、一緒に来てその目で見て欲しいと頼む。

 砦に到着し、ケルナッカは古いエレベーターをスライスする。インダーラは単独での潜入を主張。大勢で行けば脅威と見なされるし、相手は全員女性で子どもは2人だけなためだが、ソルはチームで行くべきであるという意見で、インダーラもこれに同意する。

 4人のジェダイは、マザー・アニセヤが率いる魔女団と対面する。マザー・コリルは侵害行為だとジェダイを非難。インダーラはこの惑星は無人だと思ったと釈明するが、マザー・アニセヤはジェダイが誤るとはにわかには信じがたいと言う。

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 一方で、トービンの意識下ではマザー・アニセヤが接触していた。コルサントに帰りたいという抑圧された願望を手助けするというのだ。ついにトービンがそれを認めると、マザー・アニセヤはひざまずくよう命じる。

 現実に、突然トービンの目が黒くなり、呼吸が苦しげになる異変が起きる。マザー・アニセヤは、パダワンを正気に戻したければ立ち去るようジェダイに命じる。

 オーシャは教わったことを見せたいと、ジェダイのテストを受けたいとマザー・アニセヤに懇願。インダーラはもちろん許可を得た上ではあるが、パダワン候補をテストするジェダイの権利を拒否することは出来ないと言う。

 トービンが元に戻るとともに、マザー・アニセヤは明日の正午にオーシャをジェダイの野営地に届けると告げる。インダーラは協力への感謝を述べ、4人のジェダイは立ち去った。

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 ジェダイたちのポラン GX-8の船内では、インダーラがソルに姉妹への試験は賢い提案であり、評議会の指導を受ける時間が稼げたという。

 ソルはオーシャとのつながりを感じているが、インダーラは双子の試験は建前であり、オーシャはそもそも適齢を過ぎていると指摘。

 それでもオーシャは私のパダワンになる運命だと言うソルに、インダーラは魔女の集団が手放さないし、排他的で奇妙過ぎると言う。

 メイには黒魔術の印が付いていることをソルは指摘するが、インダーラは儀式で印を付けることは銀河の多くの文化でよく見られると返す。

 ソルはオーシャには印がないことから心配するが、印を拒んでいたかどうかは知りようがないというのがインダーラの意見だ。弱き者を守ってこそジェダイであり、オーシャはジェダイとともに来たがっているとするソルだが、インダーラはそれを自分の願望と混同しないようにと告げる。

 ポラン GX-8までやって来たメイはトービンによる採血を受け、インダーラとソルによるジェダイ検査用スクリーンでのテストを開始。スクリーンに映っている対象に対して、メイは正答しない。

 インダーラはメイから、昨夜中庭で行われていた儀式はアセンションといい、オーシャとメイが統率者になるためのものだと聞く。子どもが統率者になれるかはわからないが、母は「恐れの道を通って、運命を全うするため自分を犠牲に」と言っていたと説明する。

 ソルは、メイの振る舞いから失格になるように言われていることを見抜き、オーシャには別のアプローチを取ることを提案。

 インダーラとソルによるテストの後、オーシャはソルから自分と同じような仲間が何千人といたと聞く。

 まずは自分の望みを言える勇気を持つことだと言うソルに、オーシャはジェダイになりたいと答え、ならば真実を言う勇気を持つようソルは返し、その後続けられたテストでオーシャは正答していく。

 インダーラは、双子の血液検査をトービンに指示するとともに、評議会に今回の件を報告。インダーラはコルサントからの返信を待ちつつ、他の3人は引き続き調査を続けることに。

 オーシャはテストに合格となり、インダーラはコルサントからの返答があったらキャンプへ向かうとソルに言う。

 その後、キャンプにやって来たインダーラはソルに、評議会は双子を魔女団から引き離して連れ帰ってはならないという返答を伝える。

 マザー・アニセヤに意識下へ入り込まれたトービンは危険性を訴え、ソルも双子が危ないことをインダーラも感じるだろうと言うが、評議会の判断の理由は過干渉であるということだ。

 ソルは試験に合格したと主張するのだが、インダーラはソルが導いた後に合格しているのであり、自分の愛着でオーシャの運命を変えないように言う。

 トービンは、血液検査の結果としてM値が極めて高いフォース感知者であること、また2人の共生生物は全く同じであることに驚く。これは一卵性の双子でもあり得ないことだという。何らかの操作があったとしか考えられず、ソルは人工的に作られた双子の可能性を口にする。インダーラは、濃密な力を使って1つの意識を2つに裂いた可能性を示唆。ソルは、それほどの力を生むのは「フォースの集中」のみだという。

 これを聞いた、とにかく早くコルサントに帰りたいトービンは、周囲の静止も聞かず双子を「フォースの集中」の証拠として連れ帰るためスピーダーバイクで砦へ向かってしまう。ソルはスピーダーバイクで後を追い、インダーラとケルナッカとともに宇宙船を出しに行く。

 砦では、ジェダイになりたいというオーシャをマザー・アニセヤは抱きしめ、みんなと相談しなければならないがその望みは尊重すると言っていた。

 メイを連れ出していたマザー・コリルは、メイにオーシャを止めたければやれと言い、その怒りを煽った。

 マザー・アニセヤは、反対する魔女団の面々に対してオーシャは自分の望みを選択し、子どもたちこそ我らの未来であるから、その望みを尊重するべきだと説得する。それは統率者としてではなく、母としての決断だった。

マザー・コリルがジェダイの侵入に向けて武装を呼びかける中、トービンとソルは砦の入り口まで到着。ソルはオーシャとメイの存在を感じ取り、砦の壁面をトービンと登っていく。

 上空のポラン GX-8では、インダーラが宇宙船を着陸させる場所がないため、宇宙船で近付いてからケルナッカを飛び降りさせる。争いが始まる前に止めるのだ。

 マザー・アニセヤはマザー・コリルの元へ向かい、暴力を振るってはならないと言ったと告げるが、コリルは我が子を奪われるくらいなら私も死ぬ覚悟があると言う。

 メイは、オーシャのノートを奪って部屋に閉じ込め、ランタンでノートを焼いてしまう。

 その火の広がりに驚いたメイは、ランタンごと床に落としてしまう。消そうとしても消えない炎は部屋のドアを焼き、拡がっていく。メイは母を呼びながらその場を離れた。

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 砦に侵入したソルとトービンと対峙したマザー・アニセヤとマザー・コリル。崇高な目的のために来たというソルは双子がどこから来たか、どう創られたかを尋ねる。

 マザー・アニセヤは、その崇高な目的がいずれ銀河のすべてのジェダイを滅ぼすだろうと告げる。

 そこにメイが火事だと助けを求めて駆け込んできて、ソルは思わずオーシャの名を呼ぶ。

 戦闘体制となったマザー・コリルとそれに反応してライトセーバーを起動したトービンに対し、マザー・アニセヤは黒い煙状に変化して応じるが、この動きにソルもまたライトセーバーを起動してマザー・アニセヤを貫いてしまう。

 マザー・アニセヤは、オーシャが自分で望み、ソルを選んだから託す気だったと言い残して倒れる。

 マザー・コリルはメイを逃し、戦意を失っているソルを攻撃する。トービンは魔女団からの攻撃を防いでいく。

 ソルがライトセーバーでマザー・コリルの杖を破壊した頃、砦では大きな爆発が発生。

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 マザー・コリルは黒い煙状となって消えると、突如現れたケルナッカがライトセーバーを起動して2人を攻撃してきた。ケルナッカは魔女たちに操られ、ライトセーバーとフォース、そして腕力で2人を圧倒する。

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 ケルナッカに首を絞められたソルの元に、インダーラが駆けつけてケルナッカの頭に手をかざすと、ケルナッカの意識が戻り、魔女たちは次々に倒れた。

 爆発が起きる中、断絶された通路の端にいるオーシャとメイ。メイはオーシャに、マザー・アニセヤは死んだと告げる。

 駆けつけたソルは、通路の落下をフォースで食い止めるが、2つの通路の端を支える力は限界を迎え、いずれかを選ばなければならなかった…

「フォースの集中」とは

 第7話「選択」では、物語の発端となるメイが4人のジェダイたちに復讐心を抱くに至った理由を明確にするとともに、ジェダイたちの罪も浮き彫りとなる。

 キーとなるのは、それぞれのキャラクターにある望みや願望、そしてそれらを踏まえた上での選択だ。

 「フォースの集中」の手掛かりがなかなか発見出来ない不安とともに、ソルはパダワンを持ちたいという願望から、ジェダイに憧れを持つオーシャに運命を感じた。

 オーシャは実際にジェダイとなってブレンドクから旅立ち、広い銀河を見たいと願っており、ソルの行動はオーシャが求めるものと合っていた。

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 しかし、ジェダイ評議会は過干渉を理由に双子を連れ帰らないよう判断したとインダーラは語っており、その判断を覆そうとするほど固執していた理由は、ソルが弟子を取れば自身がよりレベルの高いジェダイになれると考えていたためだったのではと、第7話「選択」の描写からは推察される。

 『ファントム・メナス(エピソード1)』で、クワイ=ガン・ジンはタトゥイーンで出会ったアナキン・スカイウォーカーを「フォースの集中」であるとジェダイ評議会に報告している。

 ジェダイ評議会の判断に反対して、ジェダイのパダワンにするという行動はクワイ=ガン・ジンを思わせる。「スター・ウォーズ:アコライト」は、ストーリーの骨子に『ファントム・メナス(エピソード1)』の要素を盛り込んでいることが随所から感じられるが、これもそのひとつだ。

 実際に、ソルを演じたイ・ジョンジェはソルを演じるにあたり、『オペレーション・クロマイト』で共演経験もあるリーアム・ニーソンが演じたクワイ=ガン・ジンからインスピレーションを受けたことを明かしている。

 ソルとクワイ=ガン・ジンの相似は、弟子を取ろうとする行動にも表れていたというわけだ。しかし第7話「選択」を見る限り、ソルの方は自身のエゴが見え隠れしているようだ。火事を起こしてあわてて駆けつけたメイを見て、思わずオーシャだと間違えるシーンなど、その思いの先走りが見て取れる。

 「フォースの集中」については、前述したアナキン・スカイウォーカーという個人の存在だけではなく、インダーラが説明しているように場所を中心としたフォースエネルギーの集中のことである。物体や人の周りにあることもあり、フォースエネルギーが異常でありながら自然的に集中することだ。

 これまでの作品の中では、例えば『帝国の逆襲(エピソード5)』でルーク・スカイウォーカーが足を踏み入れたダゴバの悪の洞窟や、『最後のジェダイ(エピソード8)』のオク=トーの鏡の洞窟、ロザルのジェダイ・テンプルなどが「フォースの集中」が起きた場所として挙げられる。

 『ファントム・メナス(エピソード1)』でのアナキン・スカイウォーカーとの遭遇以前より、ジェダイ・オーダーは「フォースの集中」を探していたというわけだ。

 オーシャとメイが本当に「フォースの集中」のなせる技で、1つの意識を2つに裂いたという人工的に作られた双子であるかどうかは確定していないが、かなり不自然な存在であることは間違いなさそうだ。

 共生生物は全く同じで、これは一卵性の双子でもあり得ないというが、額面通りに受け取ればひとりの人間を2つの体に分けたという、元々は2人で1人という存在となる。これはフォース・ダイアド、フォースの一対の力を人工的に作り出す試みなのか?

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 マザー・アニセヤは、「フォースの集中」という崇高な目的がいずれ銀河のすべてのジェダイを滅ぼすだろうと告げる。それは「フォースの集中」であるアナキン・スカイウォーカーが発見され、ジェダイとなったことからはじまるジェダイ・オーダーの崩壊を予言しているかのようだ。

ジェダイの罪

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 そんな「フォースの集中」を探すも成果が出ず、不安が強まったトービンはコルサントに帰りたいという願望が大きく、マザー・アニセヤにはその弱みを早々に発見されてつけ込まれてしまう。

 ソルも含め、ジェダイが衝動的に動き過ぎているという印象があり、ジェダイ像がやや揺らいでしまいそうだ。

 少なくとも、トービンはブレンドクで自分が招いた事に対して、周囲から途絶し、メイが自死の選択を与えられればそれを選ぶほどの深い後悔を抱いていたことは、この第7話「選択」でつながってくる。逆に言えば、ジェダイ評議会にこの真相を話すよりも死を選んだということだ。

 第2話「復讐/正義」でマスターとなったトービンの顔に付いた傷跡も、マザー・コリルに操られたケルナッカとの戦闘の際に付いたと説明される。

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 インダーラは、ケルナッカが操られてジェダイに危害を加えてしまう状況のため、やむを得ないところだったが結果的に魔女団を全滅させてしまっている。さらに、インダーラはジェダイ評議会との連絡を一手に担っていたため、ブレンドクの件の報告をジェダイ評議会にせず、その判断などについて虚偽を言った可能性は考えられる。

 その理由は、第1話「失って/見つけて」でヨード・ファンダーがオーシャは双子であることを知らず、ジェキ・ロンもオーシャのファイルにはその旨がなかったことを証言しているからだ。

 メイとオーシャが双子であることは4人の共通認識だが、この4人が口をつぐめばジェダイ・オーダーには伝わらない。最初にジェダイ評議会との連絡役を務めたインダーラが報告をしていなければ、ジェダイ・オーダーに双子であることは伝わらず、ヨード・ファンダーとジェキ・ロンの反応を見るとその可能性は高いかと思われる。

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 そこにインダーラの罪があるかも知れない。ケルナッカは、操られてしまい仲間であるトービンを傷付けることになってしまい気の毒ではある。ただ、メイにとっては姉妹で統率者となる思いを閉ざされ、母を目前で殺され、育ててくれた魔女たちと故郷を破壊されたジェダイたちへの憎悪は強いものであろうことは、第7話「選択」で明かされた経緯から想像に難くなく、ケルナッカもその一味と扱われたということだろう。

願望と選択

 自分のパダワンを持ちたいという願望とオーシャの願いを混同したソル。任務を早く終わらせ、コルサントに戻りたいという望みから焦り、それを利用されたトービン。

 ブレンドクを出てジェダイになるという選択をして、自分の望みを言える勇気を持ったオーシャ、統率者としてよりも母としてオーシャの選択を応援したマザー・アニセヤ。

 そしてソルはエピソードタイトル通り、オーシャとメイのうち自分の願望に沿ったオーシャを「選択」し、その生命を助けてしまう。

 ジェダイといえども消せないエゴ。その分、オーシャとマザー・アニセヤの純粋な勇気や願い、選択が輝くようだ。

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 それは、もう1人のマザーによって怒りを掻き立てられ、子どもらしい残酷さと無鉄砲さから、自分では手に負えない大惨事を引き起こしたメイとは対照的だ。

 第7話「選択」の締めくくりはヴィクトリア・モネの「Power of Two」が流れ、宇宙空間を背景にしてあの青いクレジットを配したエンディングに歌詞のある楽曲が流れるという異色の『スター・ウォーズ』のエンドクレジットとなっている。他の海外ドラマのようなエンディングソングが流れる演出に、画は宇宙空間と青いクレジットが入っているというこれまでの『スター・ウォーズ』シリーズにはなかった違和感は、好みが分かれるところだろう。

 第8話はいよいよ最終話となり、おそらく第6話の終盤から直結するエピソードとなるはずだが、メイとオーシャはそれぞれの方法で第7話「選択」で描かれた真実を知ることになるだろう。

 ソルはメイに何をどのように説明するのか。ソルによってマザー・アニセヤが死がもたらされたことは、オーシャにとって受け入れられるものなのか。

 運命と選択によって引き裂かれた双子、復讐の行方は…

「スター・ウォーズ:アコライト」第7話「選択」トリビアチェックポイント

ヌーナの脚

 トービンは、ケルナッカが焼いたヌーナの脚を食べ飽きたと言う。

 ヌーナは、ナブー原生だがタトゥイーンなどあちこちで見られる生物で、『ファントム・メナス(エピソード1)』ではポッドレースのシーンでジャバ・ザ・ハットに弾き落とされていた。

 『クローンの攻撃(エピソード2)』では、コルサントのナイトクラブに映るディスプレイの中でヌーナ=ボールというスポーツに利用されている。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第4話「それぞれのやり方」では、ラウの宇宙港の貨物ドックでは、大量のヌーナが脱走していた。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第4話「それぞれのやり方」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

 また、「クローン・ウォーズ」では食用にされたヌーナの料理が多く登場し、シーズン2 第10話「逃亡者」ではカット・ロクウェインの家でヌーナの丸焼きが振る舞われた。

 「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の「チャプター3:モス・エスパの町」でも、ボバ・フェットとフェネック・シャンドが囲む食卓にヌーナの丸焼きが並んでいる。

「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第3話「チャプター3:モス・エスパの町」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュ、カメオ出演などのトリビアを、ネタバレありで解説します。

 さらに、「マンダロリアン」シーズン2「チャプター16:救出」では、ボ=カターン・クライズとコスカ・リーヴスがいた店のメニューにロースト・ヌーナとオーラベッシュで記載されているほか、ディズニーランドのテーマエリア「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」のレストラン「ロント・ロースターズ」では、ヌーナ・ターキー・ジャーキーが味わえる。

「マンダロリアン」シーズン2 第8話「チャプター16:救出」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアを、ネタバレありで解説します。

 このようにウーキーがたき火のあぶり焼きで調理するシーンは、『最後のジェダイ(エピソード8)』にてチューバッカがポーグを焼いていたことを彷彿とさせる。

100年前のハイパースペース災害

 インダーラは、ブレンドクがハイパースペース災害によって100年前に死滅と分類されていたと言う。

 このハイパースペース災害とは、「スター・ウォーズ ハイ・リパブリック ジェダイの光」で起きたもので、貨物船レガシー・ランがハイパースペースで航行中にハイパーレーンにあるはずのない障害物が突如として現れ、回避するも負荷がかかったレガシー・ランの船体が崩壊。

 その破片がリアルスペースに「出現」し、高速の異常体(アノマリー)として監視ステーションや宇宙船、ヘツァル星系、アブ・ダリス星系、エリアドゥの衛星などに衝突。甚大な被害をもたらした。

 ハイパースペース災害を引き起こしたのは、経路(パス)と呼ばれるナビゲーションシステムでは不可能なハイパースペースルートを用いる犯罪集団、ナイヒルであった。

 ブレンドクも、レガシー・ランの残骸が衝突して甚大な被害を受けた惑星のひとつだったというわけだ。

ナイトシスター

 ソルがブレンドクの魔女たちがいたことをフォース・カルトの魔女であるとインダーラに知らせる際に、トービンはナイトシスターの名前を出す。


 ナイトシスターは、ダソミアの魔術を用いる女性たちの氏族。もともとはレジェンズの小説「レイアへの求婚」に登場し、ダソミアの魔女として知られている。

 正史(カノン)としては「クローン・ウォーズ」にて、アサージ・ヴェントレスのほか、ダース・モールの母であるマザー・タルジンといったダソミアのナイトシスターたちが登場。

 「マンダロリアン」、「スター・ウォーズ:アソーカ」に登場したモーガン・エルズベスもナイトシスターの生き残りであり、「スター・ウォーズ:テイルズ・オブ・エンパイア」ではクローン戦争中の独立星系連合軍の侵攻を生き延びた後のモーガン・エルズベスの歩みが描かれる。

ボナドン

 マザー・アニセヤは、トービンの意識の中で語りかける中で、ボナドンの貧民の息子であるとその出自に言及している。

 ボナドンは1979年のレジェンズの小説「Han Solo’s Revenge」で初登場した、アウター・リムにあるコーポレート・セクターの惑星だ。

パワー・ドロイド

 メイにジェダイの適正があるか確認するためジェダイ検査用スクリーンを使用する際のテストにおいて、「スター・ウォーズ:アコライト」第3話「運命」にも登場したジェダイ検査用スクリーンには、パワー・ドロイドの姿が映っている。

 パワー・ドロイドは、銀河のあちこちで使用されている充電用のドロイドで、『スター・ウォーズ』シリーズでは頻繁に登場するドロイドだ。

M値(Mカウント)

 トービンは、オーシャとメイの血液検査の結果についてM値(Mカウント) が極めて高くフォース感知能力があり、しかも2人ともまったく同じ共生生物なのだという。

 M値(Mカウント) という呼称は、ミディ=クロリアン値の略語であり、「マンダロリアン」、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」にて言及されていた。
 
 「スター・ウォーズ:アコライト」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

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