Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第5話「チャプター5:マンダロリアンの帰還」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「チャプター5:マンダロリアンの帰還」のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
この記事はネタバレがございますので、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第5話「チャプター5:マンダロリアンの帰還」の本編鑑賞後にご覧ください。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の他のチャプターのエピソードガイドは、以下をご参照ください。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第5話「チャプター5:マンダロリアンの帰還」ストーリー
クラトゥイニアンたちが働く食肉処理場に、ディン・ジャリンがやって来た。事務所を訪れたディン・ジャリンは、トラッキング・フォブを出してある重要人物に借金をしているというカバ・バイズを尋ねる。
応対したクラトゥイニアンは本人に伝えておくと言うが、ディン・ジャリンはホログラムを見せて今、目の前にいると告げる。
なおもシラを切ろうとするカバ・バイスだったが、ディン・ジャリンに手下に取り囲まれていることを示唆しつつ、話し合いに持ち込もうとする。
生きたまま行くか、冷たくなって行くか。こう言いながらブラスターへとゆっくり伸びるディン・ジャリンの手に、手下のひとりが文字通り噛み付いたことをきっかけとして乱闘が始まる。
クラトゥイニアンたちのブラスターがディン・ジャリンに命中するが、ベスカーで出来たマンダロリアン・アーマーには通用しない。ディン・ジャリンはダークセーバーを起動して手下を次々と倒し、ブラスターで抵抗してきたカバ・バイスを一刀両断。
が、戦いの途中でダークセーバーで自らの足を負傷してしまう。
様子を見ていた作業員たちに、ディン・ジャリンはカバ・バイスというボスは死に、自分は賞金首を取りに来たこと、このまま道を開けてくれるなら、この奥の部屋にある新共和国クレジットをかつての雇い主からもらって当然だと思う分だけ取れば良いと言い、争うことなくカバ・バイスの首を持ってその場を後にした。
そこは宇宙に浮かぶ、巨大な環状の都市であるグラヴィス。ミラーからの反射により、人工的に昼夜が作られている街中を歩くディン・ジャリンはクライアントの元へ向かう。
ターボリフトに乗って店内にたどり着くと、今回のイシ・ティブのクライアントが仕事の速さを褒めて一緒に食事をと勧める。ディン・ジャリンは賞金と情報を求めるが、クライアントはなかなか教えようとしない。
このクラトゥイニアンの売り先も、情報の入手先も他からにするとディン・ジャリンが立ち去ろうとすると、イシ・ティブのクライアントは一番近い地下へのシャフトはコルゾック裏通りの排熱口の近くだと教える。
ターボリフトで下層に降りたディン・ジャリンは、ヘルメット内のスキャナーで壁面のマーキングを視認。マーキングを辿った先のドアの上には、ミソソーのマーキングがあった。
ドアの先のグラヴィスの下層エリアには、アーマラーとパズ・ヴィズラがいた。ディン・ジャリンは、バクタ・スプレーでケガの手当てをしてくれたパズ・ヴィズラに、ネヴァロで助けてくれたことへの礼と、仲間を失うこととなった謝罪をする。
何の武器でその傷が出来たのかアーマラーが尋ねると、ディン・ジャリンはダークセーバーを見せる。教義に沿って戦いで勝ち取れば、ダークセーバーを扱う者はマンダロアの指導者になれるという意味を持ち、1人で20人を倒せ、どんな大軍も形無しだ。
しかし、勝ち取られるのではなくこれを持つ資格がない者が所有すると、マンダロアに災いをもたらし、人々は散り散りになってしまうと、アーマラーは語る。
ディン・ジャリンは、ダークセーバーの柄はベスカーに匹敵する強度を持つ、見たことがない素材だと言う。
ダークセーバーは1000年以上前に、マンダロリアンでありジェダイでもあったター・ヴィズラによって作られたものだとアーマラーが説明すると、ディン・ジャリンはジェダイと出会ったことを告げる。
ディン・ジャリンは目的を達成したのだとアーマラーが理解すると、ともに隠れ家を立て直すよう誘う。
隠れ家の立て直しの作業をしながら、ディン・ジャリンはダークセーバーをどこで手に入れたかパズ・ヴィズラに質問され、モフ・ギデオンを倒して手に入れたが殺してはおらず、新共和国に送ったので尋問を受けてその罪が裁かれるだろうと答える。
パズ・ヴィズラは、モフ・ギデオンがしたことを考えれば殺すべきだと言い、アーマラーも何百万人もの同胞がヤツの手にかかったと同意。ならば、新共和国の法廷がヤツを処刑するだろうとディン・ジャリンは言う。
伝説にしか存在しないミソソーが、マンダロアの新時代到来を告げるため現れると予言した古代の歌の話をしつつ、ベスカーの槍をどこで手に入れたかを聞くアーマラー。ディン・ジャリンはジェダイからもらったものであり、ライトセーバーもブロック出来るため、これでモフ・ギデオンとも戦ったと答える。
アーマラーは、ベスカーのアーマーも貫けるためベスカーの槍という存在自体がマンダロリアンには脅威なのだと言う。べスカーはアーマーの素材であり、武器ではないというのだ。ディン・ジャリンは、ベスカーの槍をアーマーに作り変えてくれと依頼し、ボ=カターン・クライズについて知っているか尋ねる。
アーマラーは、ボ=カターンの話は教訓になっているとし、有力な一族である自分の血筋とダークセーバーを所有していることを根拠にマンダロアの支配権を主張するも、ダークセーバーは贈られたものであり、決闘に勝って得たものではなく、道を誤って祖国を失うという悲劇に終わったという。
千の涙の夜に、帝国の侵略者はマンダロリアンの愛するものすべてを破壊し、コンコーディアの月に隠れ住む仲間がいなければ、マンダロリアンは大粛清を生き延びられなかった。
道を貫き通した者だけが予言された災いから逃れ、仲間は多くが散り散りになったが、教義を守る者たちがいつか国に帰れる日が訪れるまで、代々遺産を受け継いでいるというのだ。
ディン・ジャリンは、ベスカーの槍を孤児であるグローグーのための何かに作り変えて欲しいと言う。もうディン・ジャリンの手を離れ、今は仲間のもとにいることをアーマラーが指摘するが、会いに行って無事を確かめたいと言うディン・ジャリン。
アーマラーは、ジェダイはフォースの使い方をマスターするため、すべての愛着を捨てなければならないと教える。忠誠と結束こそが我らの道であるという、教義とは逆であるとディン・ジャリンは言う。
グローグーのためにベスカーを加工する作業が終わり、布に包まれた品物をアーマラーから受け取るディン・ジャリン。
その後ディン・ジャリンは、アーマラーとともにダークセーバーの訓練をした。剣に逆らって戦っていると指摘するアーマラーに、ディン・ジャリンは動く度に重くなると答える。
ディン・ジャリンのダークセーバーの動きは遅くなり、もはや持ち上げることもままならなくなってしまった。アーマラーは、ダークセーバーと戦うには弱過ぎ、ディン・ジャリンの力ではコントロール出来ないと告げる。肉体は強くとも、精神が統一されていないというのだ。
そこに、ダークセーバーの所有者は他にいるのかもとパズ・ヴィズラが現れた。ダークセーバーを作ったのは自身の祖先である、ヴィズラ家の始祖だという。
ディン・ジャリンは、パズ・ヴィズラからの決闘を受けることに。ディン・ジャリンはダークセーバー、パズ・ヴィズラはダガーナイフとエネルギーシールドを展開。
激しい格闘の末、パズ・ヴィズラはディン・ジャリンを投げ飛ばして壁に叩きつけ、ダークセーバーをその手に取って斬りかかるが、上手く扱えないためそのスキにディン・ジャリンにナイフで斬り付けられ、背後を取られて喉元にナイフを突き付けられてしまう。
アーマラーは決闘の終了を告げ、ヘルメットを脱いだことがあるか尋ねられたパズ・ヴィズラはないと即答する。
同じ質問をされたディン・ジャリンは、脱いだことがあると告白。アーマラーはもうマンダロリアンではないと言うが、ディン・ジャリンは許しを請い、どのようにすれば償えるか懇願。
教義によれば、マンダロアの鉱山の下にある泉に入れば償えるという。しかし、その鉱山は破壊されている。
ディン・ジャリンは、ダークセーバーを手に取ってアーマラーとパズ・ヴィズラの前から去って行った。
グラヴィスの宇宙港で、タトゥイーン直行の1020便に乗ろうとしたディン・ジャリンは、RXシリーズドロイドに武器を持ったままでは登場出来ないと注意される。しぶしぶ応じたディン・ジャリンは、あらゆる武器を預けていく。
タトゥイーン行きのスターライナーの船内で、前の座席のローディアンの子どもからの注目を受け、手を振られるディン・ジャリン。その様子を見て、ディン・ジャリンは手元にある、グローグーへの贈り物を見つめるのだった。
タトゥイーンのモス・アイズリー宇宙港に到着し、ディン・ジャリンはRXシリーズのベルドロイドから預けた武器類を受け取っていく。
モス・アイズリー宇宙港のハンガー3-5では、BDユニットがウォンプ・ラットに襲われ、ここで働くペリ・モットーがおびえるピット・ドロイドたちを引き連れて退治しようとしていた。
逃げたと思ったが、実は潜んでいたウォンプ・ラットにペリ・モットーが襲われていると、やって来たディン・ジャリンがブラスターでウォンプ・ラットを仕留めた。
ディン・ジャリンは、レイザー・クレストの代わりが見つかったというペリ・モットーのメッセージによってハンガー3-5を訪れたのだ。
ペリ・モットーはグローグーが仲間の元へと戻されたと聞き、ふれあい動物園で金を儲けられたというのにもったいないことをしたと嘆くのだった。
ペリ・モットーが用意した宇宙船は、組み立て途中のナブー・N1スターファイターだった。
ディン・ジャリンは失望をあらわにするが、ペリ・モットーはディン・ジャリンが来るのが思ったより早かったから仕上がっていないものの、パーツはすべて揃っているし、ファジアーよりもスピードが出るように特別にカスタムする上、帝国成立前の機体のため網の目を潜れるし、ドッキングリングなしでハイパースペース・ジャンプが出来る一級品だと請け合う。
ペリ・モットーとドロイドたち、そしてディン・ジャリンはナブー・スターファイターの組み立て作業を開始する。
ほどなく、ペリ・モットーはジャワから手に入れた銀河共和国時代のターボニック・ヴェンチュリ・パワー・アシミレーターを持ってきて、これでアウターリムで最速で飛べる船になると言う。ディン・ジャリンは、ジャワたちに主にボルトの速度改造用の手作りされたカスタム部品を依頼する。サイズや形は、ペリ・モットーが調整してくれるというのだ。
各々の作業により、ナブー・スターファイターは形を成してきた。超低温燃焼ブースターもジャワたちが調達し、その出所をディン・ジャリンが尋ねると、燃料補給中のパイク・シンジゲートのスパイス・ランナーから盗んできたのだという。
ペリ・モットーは、パイク・シンジゲートが星系間でスパイスを運ぶようになってから事態は悪化し、皆おびえて保安官も近付こうとしないと話す。
そして、銀色に輝くディン・ジャリンのナブー・スターファイターの組み立て作業が完了した。ディン・ジャリンが乗り込んだナブー・スターファイターは、テスト飛行のためモス・アイズリー宇宙港を発ち、ベガーズ・キャニオンの間を飛び抜ける。ディン・ジャリンは、そのスピードと操縦性の高さを評価する。
タトゥイーンの上空を抜け、軌道上まで上昇したディン・ジャリンのナブー・スターファイターは、グラヴィスからタトゥイーン行きで乗り合わせたローディアンの子どもが搭乗するスターライナーをかすめ飛んで行く。
が、そこに新共和国のXウィング2機が並走して来た。新共和国のパイロットであるリード中尉は、旅客機の近くを高速で飛んでいたこと、ビーコンなしで航行していることから、ビーコンを送るようにディン・ジャリンに伝える。
エンジンモデルとパワードライブの不一致を指摘されると、ディン・ジャリンは組み立てたばかりのテスト飛行のため登録更新出来ていないとし、所有者の確認のためのシグナル送信もトランスミッターをつないでいないと答える。
リード中尉は操縦を放棄してリモート操縦に切り替えると告げるが、もう1人の新共和国のパイロットであるカーソン・テヴァは今回は警告でいいだろうと収めるが、その声に聞き覚えがありレイザー・クレストに乗っていたか尋ねてきた。
人違いだと言うディン・ジャリンだったが、ネヴァロの通信記録によるとレイザー・クレストは帝国の残党が絡む事件に関与していたとカーソン・テヴァは指摘。
いくつか質問に答えるよう尋ねられた、ディン・ジャリンは…
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」は、Disney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第5話「チャプター5:マンダロリアンの帰還」レビュー
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の「チャプター5」の再生ボタンを押して、始まった映像に困惑したあなた。
あなたが押したボタンは間違っていません。ディズニープラスや、再生機器の調子が悪いわけでもありません。大丈夫です、これは「マンダロリアン」ではありません(だって、冒頭にこれまでの「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」が流れたでしょう?)。
これが「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の「チャプター5」なのです…!
前話の「チャプター4:迫り来る嵐」のエンディングで「マンダロリアン」のテーマを流して予告された通り、そして「マンダロリアンの帰還」というまるでファンが考えたかのようなそのまんまなエピソードタイトルの通り、「マンダロリアン」の主人公であるディン・ジャリンが、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」に登場した。
それもゲストやカメオ出演ではなく、あたかも主人公が交代したかのように、「マンダロリアン」シーズン3が突然始まったかのように、全編を通じてディン・ジャリンを描くのだ!
「チャプター4:迫り来る嵐」エピソードガイドのレビューの締めくくりに、「ファンが見たい展開に加え、良い意味で予想と異なる行く末を期待したい」と書いたが、ファンの期待通りのディン・ジャリンの登場だけではなく「マンダロリアン」の新作かのようなエピソードとなったことは、まさにその言葉の通り、良い意味で予想外の展開となった。
「チャプター4:迫り来る嵐」でフェネックは、モス・アイズリーに腕の良いメカニックがいると発言しており、これがペリ・モットーとのつながりを示唆してディン・ジャリンとの接点がほのめかされていたわけだ。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」は伏線を割とわかりやすく明示していて、その伏線は期待通りにきちんと回収されていく印象を受ける。
「チャプター4:迫り来る嵐」のエンディングで「マンダロリアン」のテーマに気付かなかった方は、突然ディン・ジャリンのストーリーが始まって驚かれたことだろう。
冒頭、不穏な雰囲気の中で賞金首を捕らえにやって来たディン・ジャリンが、大立ち回りを演じて仕事をこなすオープニングシーンから、すでに「マンダロリアン」らしさがあふれており、前話までとは一線を画して差別化しているようだ。
ファンのサプライズを一気につかんだ後も、次なる展開に心躍らせられる。
「マンダロリアン」シーズン2最終話「チャプター16:救出」の後、ザ・チャイルドことグローグーと別れた後のディン・ジャリンの様子を伺い知れる。
別れた後も、グローグーが元気かどうか気がかりで仕方ないディン・ジャリンの親心が愛おしい!子離れがなかなか出来ていないのだ…
また、シーズン1「チャプター3:罪」でディン・ジャリンを助けたパズ・ヴィズラ、「チャプター8:贖罪」を最後に消息が知れていなかったアーマラーの「チルドレン・オブ・ザ・ウォッチ」のメンバーが健在であること、しかし残る仲間はディン・ジャリンも含めた3名だけとなったことも明かされる。
そして、「マンダロリアン」シーズン2での出来事で「チルドレン・オブ・ザ・ウォッチ」の掟を破ったディン・ジャリンに新たな目的が現れ、これまで断片的にしか言及されて来なかった「反乱者たち」以降のボ=カターン・クライスが束ねようとしたマンダロアを襲った帝国による大粛清が具体的に描写され、謎に包まれていたマンダロリアンの災いを垣間見ることが出来るという、「マンダロリアン」のシリーズの中でも重要なエピソードだと言える。
首都サンダーリらしきドーム都市が大爆発を起こす様子はショッキングで、「反乱者たち」までに登場したほとんどのマンダロリアンたちは無事では済まされなかったであろうことが想像出来る。
さらに、ミソソーがマンダロアの新時代到来を告げるために現れると予言する、古代の歌も存在もアーマラーによって語られる。
ミソソーの頭蓋骨といえば、ボバ・フェットのマンダロリアン・アーマーにデザインされたマークだ。ボバ・フェットは、マンダロリアンの新たな時代を切り拓く存在となるのだろうか?
これらの続きが気になるストーリーテリングに加え、ダークセーバーによるアクションシーン、ディン・ジャリンの新しい宇宙船となるナブー・N1スターファイターのカスタマイズの過程を丁寧に描き、ポッドレースが開催されたベガーズ・キャニオンをナブー・スターファイターで飛ぶという、『エピソード1/ファントム・メナス』の要素を凝縮したような爽快なテスト飛行シーンといったファンの心が刺激される見せ場をしっかりと作りつつ、微笑ましいコミカルなシーンも盛り込まれ、非常にバランスの良い構成のエピソードだ。
「チャプター5:マンダロリアンの帰還」のエピソード監督はブライス・ダラス・ハワードで、「マンダロリアン」シーズン1からエピソード監督を務めているだけあって、掴みどころがわかっている。
一方で、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」のここまでのエピソードよりも、先の展開が気になるワクワク感を最も感じていることに気付き、サプライズな演出であったことからの高揚感であることはわかっていても、はたしてそれで良いのだろうか…とは思わされた。
「マンダロリアン」での寡黙で仕事は確実にこなしていく賞金稼ぎのディン・ジャリンは、その外見も含めてボバ・フェットの要素を抽出したキャラクターだった。
そんなディン・ジャリンが単なるボバ・フェットのコピーとはならなかったのは、ディン・ジャリンならではのバックグラウンドとグローグーとの関係性を描き、そのキャラクター性を確立出来たからだと思う。
一方のボバ・フェットは、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」にて、銀河一の賞金稼ぎというそれまでの自分は文字通り捨て去り、タスケン・レイダーとの交流で新しい自分へと生まれ変わり、これまでとは異なる新たなキャラクター性を得た。
オリジナルであったボバ・フェットは、賞金稼ぎではなくなった。ボバ・フェットをベースとしたディン・ジャリンは、独自のキャラクター性を築きつつも凄腕の賞金稼ぎであることは変わらない。
凄腕の賞金稼ぎであるボバ・フェットを求めるファンは、今やディン・ジャリンにそのキャラクター性を求めているのではないだろうか。「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」のリリースにより、この2人はある意味でこうした逆転現象を起こしている。
最後に、ここまでしっかりと「マンダロリアン」とコネクトした「チャプター5:マンダロリアンの帰還」の役割について論じておこう。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」というシリーズは、「マンダロリアン」シーズン2「チャプター16:救出」のエンディングから直結しているように、「マンダロリアン」から派生したスピンオフ作品という側面があるから、密接なつながりがあるのは必然だ。
「チャプター5:マンダロリアンの帰還」は、「マンダロリアン」のストーリーが絡み始める境界として位置しており、最終話では来るべき「マンダロリアン」シーズン3が気になってしょうがない!というフィナーレを迎えるのだろう。
動画配信サービスは、なるべく多くの視聴時間をユーザーから獲得し、月額会員の期間を長く出来るように、多くのエピソードを視聴してもらうことを狙っている。
自分の好みの回のみを視聴することも出来るバラエティ番組とは異なり、ストーリーの連続性があり、基本的にはそのシリーズの全エピソードを見なければならない連続ドラマやアニメシリーズが、プラットフォームに多く配信されるのはこのためだ。
『スター・ウォーズ』作品はこうした目的にうってつけで、ひとつの世界を舞台にした無数のストーリーがあり、それぞれのシリーズはお互いにつながりを持っているので、興味を惹くことが出来れば次々と連続性のあるシリーズ作品を見ていくことになる。
ディズニープラス最初のオリジナルドラマシリーズである「マンダロリアン」は、そのシリーズ同士をつなげるハブの役割を果たしている。
「クローン・ウォーズ」や「反乱者たち」を視聴していれば、より背景が理解出来るし、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」と直結し、「バッド・パッチ」にもキャラクターが登場し、今後リリースされる「アソーカ」への導入部にもなっているだろう…
そして、もちろん「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」は、今後リリースされる「マンダロリアン」シーズン3への導入部でもある。
この「チャプター5:マンダロリアンの帰還」は、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」を「マンダロリアン」と再接続させ、相互にリンクしていくディズニープラスの『スター・ウォーズ』シリーズの広大な世界を、改めて感じ取らさせる役割を担っているのだ。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第5話「チャプター5:マンダロリアンの帰還」トリビアチェックポイント
ディン・ジャリン
オープニングからエンディングまで、「チャプター5:マンダロリアンの帰還」は「マンダロリアン」の主人公であるディン・ジャリンのシーズン2での出来事の後の様子を描いていく。
ディン・ジャリンは、賞金稼ぎギルドに所属する賞金稼ぎだったが、帝国の残党からの依頼の標的だった孤児のグローグーを見捨てることが出来ず、依頼に背いて助け出したことで、帝国からもギルドからも追われる身に。
他のマンダロリアンを探していく中で、ボバ・フェットと出会って自身がタトゥイーンで得ていたマンダロリアン・アーマーを渡した。
最初にフェネック・シャンドと出会った時は賞金首としてだったが、再会した時にはボバ・フェットに相棒として同行しており、ボバとともに一時行動を共にした。
グローグーの争奪戦で、帝国軍残党のモフ・ギデオンとは2度に渡って戦闘。ダークセーバーを使用するモフ・ギデオンを、ベスカーの槍で倒してダークセーバーを手に入れた。
グローグーは、そのフォースを感知したルーク・スカイウォーカーによって保護され、別れを告げることになったが、今もその身を案じて会いに行きたいと思っている。
「チャプター5:マンダロリアンの帰還」では、「マンダロリアン」で登場した「生きたまま行くか、冷たくなって行くか(I Can bring you in warm or I Can bring you in cold)」も飛び出し、決めセリフとして定着している。
また、ペリ・モットーのドロイドたちと自然に共同作業が出来るようになっており、自身の幼少期に独立星系連合のドロイドたちに襲撃されたことによるドロイド嫌いは、IG-11をきっかけに緩和され、今ではすっかり治ったようだ。
演じているのは、もちろんペドロ・パスカル。
ダークセーバー
「マンダロリアン」シーズン2を経て、ディン・ジャリンが使用している武器はダークセーバーだ。
「チャプター5:マンダロリアンの帰還」でアーマラーやパズ・ヴィズラが言及しているように、ダークセーバーは1000年以上前にジェダイ・オーダーに加わった最初のマンダロリアンであるター・ヴィズラが作った、黒く刃物のような形状を持つライトセーバー。
ター・ヴィズラの死後、ジェダイ・テンプルにあったこのダークセーバーを旧共和国が滅びた際にヴィズラ家が強奪して以降は、マンダロリアンの間で代々受け継がれ、その所有者は指導者となるというマンダロリアンを統べるシンボル的な存在となっている。
クローン戦争中は、プレ・ヴィズラの手にありジェダイとの戦いに用いられていた。
デス・ウォッチを率いるプレ・ヴィズラと手を組んだダース・モールは、彼らの同盟によるシャドウ・コレクティブがマンダロアを支配したタイミングでプレ・ヴィズラに決闘を挑み、伝統によってプレ・ヴィズラがこれを断れないと踏んだ上で勝利し、ダークセーバーを奪取。マンダロアの支配者の座も奪った。
その後、モールによって使用されていたが「反乱者たち」でサビーヌ・レンの手に渡り、ダークセーバーを持つ意味を理解しているサビーヌが所有を固辞する間はケイナン・ジャラスが一時的に預かっていた。
そして、マンダロリアンの指導者にふさわしい者を探していたサビーヌ・レンの手から、ボ=カターン・クライズに渡され、マンダロリアンがダークセーバーの元にまとまろうとしていた。
しかし、「マンダロリアン」の頃には帝国軍残党のモフ・ギデオンがダークセーバーを所有。
「チャプター16:救出」にて、ディン・ジャリンはモフ・ギデオンと戦って勝利し、ダークセーバーを得ることに。
ディン・ジャリンは、決闘せずにボ=カターン・クライズに渡す様子であったが、結局そのまま所有し続けている経緯は気になるところだ。
「チャプター5:マンダロリアンの帰還」でアーマラーが言うように、決闘を経ずにダークセーバーを所有したことがマンダロアの壊滅につながったという考えで、再び決闘を通さない譲渡を忌避したのだろうか…
また「チャプター5:マンダロリアンの帰還」で、ディン・ジャリンやパズ・ヴィズラが上手くダークセーバーを扱えていないように、やはりライトセーバーはジェダイ以外にはコントロールが難しい武器のようだ。
ベスカーの槍
ディン・ジャリンが持っていた槍は、純粋なベスカーで出来たもので元は「マンダロリアン」の「チャプター13:ジェダイ」に登場した惑星コルヴァスのモーガン・エルズベス監督官が持っていた。
モーガン・エルズベス監督官との決闘を制したアソーカ・タノにより、ベスカーの槍はディン・ジャリンの手に渡り、ライトセーバーでも斬れない素材のため、モフ・ギデオンとの戦いで大いに役立った。
アーマラーが「チャプター5:マンダロリアンの帰還」で語っているように、ベスカー製の槍ということはマンダロリアン・アーマーを貫けるということになるため、ブラスターもライトセーバーも防いでしまうアーマーを身に付けたマンダロリアンにとっては、唯一の天敵とも言える。まさに「マンダロリアン殺し」だ。
もともと帝国側のモーガン・エルズベスが所有していたため、ベスカーの使い方としては禁忌のものであっただろうことは理解出来る。
上記のような考え方だとすると、マンダロリアン・アーマーを貫けるベスカーの槍の方が、対マンダロリアン戦においてはライトセーバーよりも強力ということになるのだろうか…
ベスカーの槍は、溶かされてグローグーへの贈り物となった。
アーマラー
ボ=カターン・クライズが「チルドレン・オブ・ザ・ウォッチ」と呼ぶグループのうち、ネヴァロにいたマンダロリアンたちを率いていたのがアーマラーだ。
アーマラーはマンダロリアンについての多くの知識を持って、ネヴァロのマンダロリアンたちを導き、炉でベスカーを素材にホイッスリング・バードなど、様々な武器や防具を作ることが出来た。
「チャプター3:罪」でネヴァロのマンダロリアンたちは、ディン・ジャリンのために立ち上がって隠れ家を出るも、帝国の残党によって殲滅されてしまい、「チャプター8:贖罪」ではアーマラーひとりが隠れ家に残っていた。
しかし、その隠れ家もディン・ジャリンらを追う帝国の残党に発見され、アーマラーはここが居場所だとディン・ジャリンとともに脱出せず残っていたが、駆けつけたストームトルーパーたちをあっという間に片づけていたのが最後に登場した姿だ。
その後、無事にネヴァロを脱出してグラヴィスに新たな隠れ家を築こうとしているようだ。
パズ・ヴィズラ
アーマラーとともにいたのは、「マンダロリアン」の「チャプター3:罪」に登場したパズ・ヴィズラだ。
パズ・ヴィズラは、帝国の残党から仕事を受けるディン・ジャリンに突っかかるなど好戦的な性格が伺えるが、ネヴァロでは賞金稼ぎギルドや帝国の残党に攻撃されていたディン・ジャリンを助けに駆けつけてくれた。
重歩兵マンダロリアンのパズ・ヴィズラの声を演じているのは、製作総指揮のジョン・ファブロー。ジョン・ファブローは、「クローン・ウォーズ」にて同じくマンダロリアンのプレ・ヴィズラを演じている。
「チャプター5:マンダロリアンの帰還」で、パズ・ヴィズラの口から自身はダークセーバーを作ったター・ヴィズラの子孫であることが語られた。
タイ・ボマー
帝国軍による大粛清にて、マンダロアを爆撃していたのはタイ・ボマーだ。
タイ・ボマーは、『エピソード5/帝国の逆襲』にて小惑星帯に逃げ込んだミレニアム・ファルコンをいぶりだすため、小惑星を爆撃していた爆撃機タイプのタイ・ファイターだ。
KXシリーズ・セキュリティ・ドロイド
大粛清で、炎上するマンダロアの地表であたかも『ターミネーター』シリーズのターミネーターのように、ブラスターを撃って歩き回っているのは、KXシリーズ・セキュリティ・ドロイドだ。
そのシルエットからわかるように、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場したK-2SOと同型機である。K-2SOは反乱軍に再プログラミングされていたが、同型機はこのようなことまでやっていたのだ…
プローブ・ドロイド
大粛清でKXシリーズ・セキュリティ・ドロイドの上空を飛んでいるのは、ヴァイパー・プローブ・ドロイド。
『エピソード5/帝国の逆襲』にてホスのエコー基地を発見した、帝国軍の代表的なプローブ・ドロイドだ。
RXシリーズ・パイロット・ドロイド
タトゥイーンのサンクチュアリの店内で姿を見せていたRXシリーズ・パイロット・ドロイドが、グラヴィスの宇宙港とタトゥイーンのモス・アイズリー宇宙港にて、それぞれ手荷物預かりのベルドロイドとして働いている。カンティーナにいるよりも、スターライナーで働いていた方がより「スター・ツアーズ」を連想させてくれる。
音声が途切れ途切れとなっている点も、「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」の通路でのRX-24を思わせる!
レンジ・トルーパーのコート
グラヴィスの宇宙港で武器をRXシリーズ・パイロット・ドロイドに預け、スターライナーに乗り込むディン・ジャリンの隣を歩いている乗客が着用しているのは、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場したレンジ・トルーパーの白いコートのようだ。
帝国軍が崩壊した後、その軍用品は様々な人々が使っているのだろうか…
ラルフ・マクウォーリーのコンセプトアートのアーチ
ディン・ジャリンが乗ったスターライナーが到着したモス・アイズリー宇宙港には、背景に『フォースの覚醒』のジャクーにあった特徴的な形状のアーチが見える。
このアーチは、元々ラルフ・マクウォーリーが『エピソード6/ジェダイの帰還』のプロダクションペインティングにてタトゥイーンのジャバの宮殿の一部として描かれたものだ。
描かれたから長い歳月を経て、ついにこのアーチがタトゥイーンに…
ペリ・モットー
ディン・ジャリンにレイザー・クレストの代わりの宇宙船が見つかったと知らせたペリ・モットーは、「マンダロリアン」の「チャプター5:ガンファイター」、「チャプター9:保安官」に登場。
また、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の「チャプター3:モス・エスパの町」でも、少しだけその姿を見ることが出来る。
モス・アイズリー宇宙港のハンガー3-5で働いているペリ・モットーは、ドロイドたちを率いてディン・ジャリンの宇宙船レイザー・クレストを修理したり、グローグーをかわいがっていた。
破壊されたレイザー・クレストの代わりの宇宙船を用意するとは、「チャプター14:悲劇」の後にもディン・ジャリンと連絡を取り合っていたということだし、すっかりディン・ジャリンが信頼するメカニックとなったようだ。
BDユニット
ペリ・モットーの元で働く小型の二本脚で、ウォンプ・ラットに噛みつかれてしまったドロイドは、BDユニットだ。
BDユニットは、ゲーム「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」に登場したBD-1と同型の探索用ドロイド。BD-1は、主人公であるカル・ケスティスの相棒のドロイド。実写作品には初登場ということになる。
ちなみに、名前の由来はゲームスタジオのリスポーン・エンターテイメントでのニックネームがそのまんま相棒ドロイドという意味の「Buddy Droid」とされており、これを短縮して「BD−1」になったというもの。
R5-D4
ペリ・モットーの元で働いているアストロメク・ドロイドは、R5-D4。
R5-D4は、『エピソード4/新たなる希望』でジャワの手でラーズ家に売られる寸前に故障し、代わりにR2-D2がルーク・スカイウォーカーの元にやってくるきっかけとなったドロイド。
その後、「マンダロリアン」では「チャプター5:ガンファイター」にてモス・アイズリーのカンティーナの店内に登場。「チャプター9:保安官」の時点で、ハンガー3-5にてペリ・モットーの元で仕事をしていた。
ウォンプ・ラット
BDユニットやペリ・モットーを襲い、ディン・ジャリンによって狙撃されていた動物はウォンプ・ラット。
ウォンプ・ラットはタトゥイーンに生息する生物で、『エピソード4/新たなる希望』ではルーク・スカイウォーカーが、ヤヴィンの戦いのブリーフィング中にデス・スターの排熱口のターゲットが2メートルと聞いて、タトゥイーンではT-16スカイホッパーで2メートルもないウォンプ・ラットを狙い撃ちしていたと言及。
長年、その名前ばかりが語られてきたウォンプ・ラットが、ついに正史(カノン)の映像作品にその姿を見せた…
トレッドウェル・ドロイド
「マンダロリアン」シーズン2「チャプター10:乗客」に登場し、ポッド・レーサーのエンジンでクレイト・ドラゴンの肉を焼いていたWED−15 トレッドウェル・ドロイドも、引き続きペリ・モットーのもとで働いている。
WED−15 トレッドウェル・ドロイドは、修理ドロイドとして『スター・ウォーズ』シリーズの各所に登場しており、『エピソード4/新たなる希望」ではジャワのサンドクローラーにいたほか、『エピソード5/帝国の逆襲』では反乱軍のエコー基地にいた。
ナブー・N1スターファイター
ペリ・モットーがディン・ジャリンにレイザー・クレストの代わりとして用意したのは、ナブー・N1スターファイターだ!
ナブー・スターファイターは『エピソード1/ファントム・メナス』や『エピソード2/クローンの攻撃』に登場したナブー王室の宇宙戦闘機。
『エピソード1/ファントム・メナス』では、ナブーの戦いでアナキン・スカイウォーカーがR2-D2とともに搭乗し、その強いフォースと操縦技術で通商連合のドロイド司令船を破壊し、勝利をもたらした。
「スター・ウォーズ/フォース・オブ・デスティニー」の「パイロット・パドメ」では、アソーカ・タノがナブー・スターファイターに搭乗するほか、パドメ・アミダラの専用ナブー・スターファイターも登場しており、ボディ全体がクローム仕上げということで、今回のディン・ジャリンのナブー・スターファイターに近い印象だ。
またコミック「スター・ウォーズ:砕かれた帝国」では、パルパティーンの死後に発動したシンダー作戦による気象攻撃がナブーを襲い、これを止めるためにレイア・オーガナがナブー・スターファイターに乗って出撃するなど、結構いろいろなキャラクターが乗っている機体だ。
さらに『エピソード6/ジェダイの帰還』のDVD版以降では、エンディングのナブーのシーンで少しだけ飛行している姿が確認出来るほか、『スカイウォーカーの夜明け』ではエクセゴルの戦いにナブー・スターファイターが参戦している。
ちなみに、正史(カノン)の作品ではないが「LEGO スター・ウォーズ/フリーメーカーの冒険」では、ナブー・スターファイターはビンテージの宇宙船ということでザンダーの憧れの対象になっている描写がある。
ところで、ディン・ジャリンはナブー・スターファイターで賞金稼ぎの仕事に出て、捕らえた賞金首はどのように連れて行くのだろうか…(同じような話は、『エピソード2/クローンの攻撃』でもジャンゴ・フェットを連れて帰るはずのオビ=ワン・ケノービが、1人乗りのジェダイ・スターファイターに乗っていた時にもあった…)
ファジアー
ペリ・モットーは、ナブー・スターファイターを特別にカスタムして、ファジアーよりも早くするという(「ファジアー」は、日本語字幕や日本語吹替版では訳されていない)。
ファジアーは、『最後のジェダイ』にてカント・バイトでフィンとローズが乗り、街を破壊しながら逃走に用いた動物だ。
ドッキング・リング
ペリ・モットーは、ナブー・スターファイターの良いところとしてドッキング・リングなしでハイパースペースに突入出来ることを挙げている。
このドッキング・リングは、ハイパードライブ・ドッキング・リングのことで、『エピソード2/クローンの攻撃』、『エピソード3/シスの復讐』などにてジェダイ・スターファイターがハイパードライブを搭載していないため、これを使用してハイパースペース航行していた。
ジャワは毛むくじゃら
なんとジャワと交際したことがあるというペリ・モットーは、ジャワは毛むくじゃらなのだと言う。
ジャワのローブの下の正体については、1999年刊行の「スター・ウォーズ・エンサイクロペディア」の時点でげっ歯類とされており、毛深いイメージは元からあったようだ。
正史(カノン)においても、「きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック」では、げっ歯類やタスケン・レイダーの縁者、退化した人間といった憶測が紹介されている。
誰も見たことがないとされているジャワの正体は、ペリ・モットーに聞くしかない…
超低温燃焼ブースター
ディン・ジャリンは、ジャワたちから超低温燃焼ブースターという棒状のパーツを受け取る。
この超低温燃焼ブースターの形状は、長さこそ短いが『エピソード4/新たなる希望』にてデス・スターのゴミ圧縮機の壁が動いて押しつぶされようとした時、ハン・ソロがつっかえ棒にしようとした廃棄物と同じ造形だ!
そうか、デス・スターに捨てられていたのは超低温燃焼ブースターというのか…と、公開から45年の歳月が経って名称が判明したことに驚愕!
ベガーズ・キャニオン
カスタムされたナブー・スターファイターのテスト飛行を行うディン・ジャリンは、狭い峡谷の間を飛んでいく。
このベガーズ・キャニオンという峡谷は、『エピソード1/ファントム・メナス』でブーンタイヴ・クラシックのポッドレースのコースとなっていた場所で、アナキン・スカイウォーカーが自身のポッドレーサーで走行していた。
そのため、『エピソード1/ファントム・メナス』のポッドレースシーンと同様の構図で同じ場所をが写し出されていく。
アナキン・スカイウォーカーがナブーの戦いで乗っていた機体と同型のナブー・スターファイターで、アナキンが駆けたポッドレースコースを巡るとは、『エピソード1/ファントム・メナス』のアナキンの見せ場を凝縮したようなシーンだ!
ベガーズ・キャニオンは、ルーク・スカイウォーカーも親友のビッグズ・ダークライターとともに、T-16スカイホッパーに乗って飛び回っていた場所でもある。
カーソン・テヴァ
ナブー・スターファイターでテスト飛行していたディン・ジャリンを呼び止めた、Xウィングに乗る新共和国のパイロットは、「マンダロリアン」の「チャプター10:乗客」、「チャプター12:包囲」に登場したカーソン・テヴァだ。
カーソン・テヴァが言うように、レイザー・クレストに乗るディン・ジャリンの声は聞いたことがあるはずだ。
演じているポール・サン・ヒョンジュ・リーは、世界的なコスチューミング団体の501軍団のカナダ部隊の隊員でもある。
このシーンは、プリクエル・トリロジーの主役機でありアナキン・スカイウォーカーが乗っていたナブー・スターファイターと、オリジナル・トリロジーのルーク・スカイウォーカーが乗った主役機であるXウイングが横に並ぶ画が見られるという意味でも注目だ!
リード中尉役は、ルークの代役を演じたマックス・ロイド=ジョーンズ
カーソン・テヴァとともに現れる新共和国のパイロットのリード中尉を演じているのは、マックス・ロイド=ジョーンズ。
マックス・ロイド=ジョーンズは、「マンダロリアン」の「チャプター16:救出」にてルーク・スカイウォーカーの代役(ダブル)を演じた俳優だ(クレジットでは「ジェダイの代役」となっている)。
「チャプター16:救出」のルーク・スカイウォーカーは、セットでマーク・ハミルが演じつつ、『エピソード6/ジェダイの帰還』のルークと体格が似ているマックス・ロイド=ジョーンズが代役として演じ、エッグと呼ばれる装置でマーク・ハミルにセットと同じ演技をしてもらい、各素材を取り込んでディエイジングによって若返らせ、最終的な映像に仕上げていった。
「ディズニー・ギャラリー/スター・ウォーズ:マンダロリアン」シーズン2 第2話で詳細が明かされており、マックス・ロイド=ジョーンズもメイキングに登場している。興味深い内容なので、ぜひご覧頂きたい。
Wizard!
ナブー・スターファイターでモス・アイズリー宇宙港に帰還したディン・ジャリンは、その乗り心地を「Wizard(最高だ)」と言う。
『エピソード1/ファントム・メナス』では、アナキン・スカイウォーカーの友達のキットスターが「This is so wizard, Annie」とポッドレースの開催前にそのポッドレーサーの出来栄えについて讃えていた。
また、「スター・ウォーズ レジスタンス」シーズン1 第14話「ドーザのジレンマ」でも、トーラ・ドーザが新しいドローン・ブラスター・ゲームを指して同じフレーズを使っている。
ブライス・ダラス・ハワード
「チャプター5:マンダロリアンの帰還」のエピソード監督は、「マンダロリアン」の「チャプター4:楽園」、「チャプター11:後継者」を監督したブライス・ダラス・ハワードだ。
ブライス・ダラス・ハワードは『ジュラシック・ワールド』シリーズのクレア役などで知られる女優で、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』を監督したロン・ハワードの娘である。
「マンダロリアンの帰還」にふさわしい演出をしてくれ、今後の『スター・ウォーズ』シリーズでの監督業にも期待がかかる…
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