Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第4話「チャプター4:迫り来る嵐」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「チャプター4:迫り来る嵐」のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
この記事はネタバレがございますので、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第4話「チャプター4:迫り来る嵐」の本編鑑賞後にご覧ください。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の他のチャプターのエピソードガイドは、以下をご参照ください。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第4話「チャプター4:迫り来る嵐」ストーリー
宮殿のバクタ・ポッドで眠るボバ・フェットは、夢を見ていた。
バンサに乗ってジャバ・ザ・ハットの宮殿の付近までやって来たボバ・フェットは、宮殿を偵察。タスケン・レイダーのサイクラー・ライフルのスコープで警備の状況を確認し、バンサに見張りが多すぎるので今日はやめておこうと言って去る。
夜、バンサとともにボバ・フェットがたき火で食事をしていると、遠くの空で閃光が発せられた。バンサに乗って近付いてみると、フェネック・シャンドが倒れていた。
ボバ・フェットはフェネック・シャンドをバンサに乗せて、モス・アイズリーの郊外にある改造屋へ連れて行く。ボバ・フェットにフェネック・シャンドを改造して欲しいと依頼された改造屋のアーティストは、予約していないことから断ろうとする。
これにボバが、放っておけばこの女は死ぬと報酬を渡すと改造アーティストは承諾し、早速サイバネティクス改造の施術が始められた。
フェネック・シャンドの腹部のサイバネティクス改造が無事に完了すると、ボバは改造部分を閉じないのかと尋ねるが、改造アーティストは美しいメカを隠すのかと返す。
フェネック・シャンドが目を覚ますと、そこはタトゥイーンの荒野の明け方でボバ・フェットが野営をしていた。ボバは、腹を撃たれて死にかけていたフェネックを助け、改造屋で手術してもらったことを説明する。
さらに、回復が早まるからブラック・メロンを飲めと勧めつつ、ミッドリムの暗殺の達人であるフェネック・シャンドであることを見抜く。
フェネック・シャンドは、ボバ・フェットが生け捕りにした方が価値が高くなるから助けられたと思い、その賞金額の倍を払うと言うが、ボバは金は要らないと返答して自身がボバ・フェットであると明かす。
ボバは死んだと言うフェネックに、ボバは1度はタトゥイーンの砂漠に置き去りにされてお前のように死にかけたが、サンド・ピープルに助けられて仲間として扱ってもらったとこれまでの経緯を話す。
助けてもらった恩返しをしたかったが、ニクトのスピート・バイカーたちに殺されたのだという話に、スピート・バイカーたちがタスケンたちを破ったなどあり得ないとフェネックは言う。
ボバ・フェットは、まだジャバ・ザ・ハットの宮殿にある彼のファイアスプレー・ガンシップを取り戻すことに力を貸して欲しいとフェネックに要請。
フェネックは、ジャバから縄張りを受け継いだビブ・フォーチュナになぜ頼まないのか聞くと、アーマーを失ってしまったため持ち主に見えないので、たぶん良い答えはもらえないからだとボバは説明する。
ボバに命を救われた借りを返すため、フェネックはボバに協力することにする。
ボバとフェネックはジャバ・ザ・ハットの宮殿を偵察し、ボバ・フェットの宇宙船であるファイアスプレー31級哨戒攻撃艇、スレーブⅠの所在を確認。フェネックは、周辺の警備を把握するべく宮殿内部まで入れるシーカーを飛ばして調べる。
ボバ・フェットは、バンサを放して別れを告げた。宇宙船を奪還出来なければ、オレは死ぬとボバは言う。宇宙船の次にはマンダロリアン・アーマーを取り戻し、裏切った水膨れ野郎を殺して王座を奪うのだという。
フェネック・シャンドはゴートラの頭領になるのかと尋ね、あんたは賞金稼ぎだろうと指摘。ボバは、バカに雇われて命を懸けて仕えることに疲れたのだと吐露。賞金稼ぎを辞める準備は出来ていたのだと言う。
戻って来たシーカーが探査したホログラムを確認し、見張りのスキを突いて忍び込むことに。
鉄格子を焼き切って侵入し、たどり着いたのは宮殿の厨房。調理に従事するCOOシリーズ・コック・ドロイドとEVシリーズ監督ドロイドは物音に気付いてネズミの仕業かと思い、ネズミの駆除係を呼ぶ。
物音の方へ様子を見に行ったEVシリーズ監督ドロイドが異常に気付いた時には、ボバ・フェットの一撃が命中していた。COOシリーズ・コック・ドロイドも様々な調理用の刃物が付いた6本の腕を回転してボバ・フェットに対峙するが、背後から近付いたフェネック・シャンドに頭部を斬られてしまう。
2人の元に、さらにネズミを駆除しにLEPシリーズサービス・ドロイドがやって来た。ボバ・フェットが破壊しようとするが、驚いてLEPシリーズサービス・ドロイドは逃げ出す。
厨房中を逃げる小さなドロイドに手こずったが、フェネックが退路を塞いでボバがLEPシリーズサービス・ドロイドを捕えると、ドロイドは恐怖のあまりか自らボタンを押して機能停止した。
ボバとフェネックは、スレーブⅠが停泊しているハンガーに到着。駆けつけたガモーリアン・ガードを倒すとさらなる増援がやって来て、ハンガーで銃撃戦が展開される。フェネックの援護を受け、ボバはスレーブⅠを起動しに向かう。
ゲートが開いておらず、視界を得られていないためスレーブⅠはハンガーのあちこちに衝突しながら飛び立つ。フェネックはスレーブⅠに飛び乗り、ニクトの警備要員と格闘して振り落とした後にブラスターで射撃してゲートを開き、ボバが操縦するスレーブⅠはタトゥイーンの夜明けの空を飛んで行った。
ボバによると、船は錆びている以外は問題ないという。フェネックはモス・アイズリーに腕の良いメカニックがいると教えるが、ボバは死んだと思われてる方が好都合なので、メンテナンスは自分でやると言う。
ボバはこれでフェネックの借りは帳消しなので、どこで降ろせば良いか尋ねるが、フェネックはこの後どうするのか質問。いくつか片づけることがあるというボバの返答を聞いて、フェネックはもう少し彼と同行することにする。
砂漠をスピーダー・バイクで疾走するキンタン・ストライダーズの上空に、スレーブⅠが現れた。スレーブⅠはスピーダー・バイクをレーザーキャノンとミサイルで砲撃し、キンタン・ストライダーズを一掃。
続いてスレーブⅠが向かったのは、ジャバのセール・バージのケタンナの残骸が残るカークーンの大穴。
ボバはフェネックに、何年も前にこのサルラックの穴に閉じ込められており、ここにマンダロリアン・アーマーがあるはずだと説明する。フェネックはきっともう溶けていると言うが、ボバによるとべスカーは溶けないという。
スレーブⅠでカークーンの大穴に接近し、中を覗いていると突然、サルラックがくちばしと触手で襲い掛かってきた。レーザーキャノンを撃つも、その力でサルラックの方へ引っ張られていくスレーブⅠ。
フェネックがシートベルトを外して、点滅するボタンを押すとスレーブⅠからサイズミック・チャージが射出され、カークーンの大穴に落下。サルラックがこれを口に含んだ時、爆発が起こりスレーブⅠは逃れることが出来た。
ボバはサルラックの穴を調べるが、マンダロリアン・アーマーを発見することは出来なかった。
夕方、ボバとフェネックは夕食でスカリアーを食べる。
フェネックが自分で組織を立ち上げることついて本気かと聞くと、ボバは雇い主がちょっと考えれば避けられたような内容の仕事を何度受けたことか、上手くやればもっと稼げたし、救えた命だってあったのではと、思い至った理由を話す。
バカどもに雇われたために自分と同種の連中が死んでいくのはうんざりなので、頭も腕も良いフェネックと一緒に上手くやっていきたいと誘うが、フェネックは一匹狼なので、仕事は請け負うが自由は手放さないと返す。
ボバは、他のクライアントからは絶対に与えられない忠誠心をやろうと言う。仕事の分け前をフェネックにも渡すし、命懸けで守るというのだ。
タスケンと暮らしてヤワになったのではとフェネックが指摘すると、ボバは強くなったのだと言う。
夢はビブ・フォーチュナを殺して玉座を奪った時へと至り、ボバは目覚めた。バクタ・ポッドが開いて起き上がると、側にいたドロイドがボバの完全治癒を祝う。
心の傷の方はどうかと言いながらやって来たフェネックに、時間がかかるだろうと答えるボバ。
フェネックは、市長の執事長はヤズムのように歌うほど協力的だが、市長の居場所は不明のままだと伝える。ボバは、フェネックの静止を聞かず町へ行って自分から顔を見せると言う。
モス・エスパのカンティーナのサンクチュアリでは、トランドーシャンたちがゲームをプレイして騒いでいた。
その様子を見つめていたブラック・クルルサンタンは、我慢ならなくなった様子で突如トランドーシャンたちに襲いかかる。
次々とトランドーシャンたちを倒し、グラスをぶつけてきたトランドーシャンもその首をつかんで持ち上げた時、ガーザ・フウィップはそんなブラック・クルルサンタンに語りかけた。
ガーザ・フウィップは、ブラック・クルルサンタンが「穴」にいた時、ナックル・ダスターはブラスターよりも恐れられ、全ての挑戦を受けるなど、その戦いぶりを称賛。
しかし時代もこの町もより洗練され、昔は娯楽のひとつだった血まみれの決闘も恐ろしく、残酷なことと思われているのだと言う。
皆がブラック・クルルサンタンをチャンピオンだと認めているし、この客を離してくれれば、溜まったツケも帳消しにしても良いと説得。
だがブラック・クルルサンタンは、トランドーシャンの腕を引っこ抜いてしまい、店を後にする。ガーザ・フウィップの合図でマックス・レボが演奏を始めると、店内は再び喧騒を取り戻した。
この場に居合わせたボバ・フェットは、店外までブラック・クルルサンタンを追って仕事の誘いをする。
その後、宮殿ではドク・ストラッシ率いるトランドーシャン、ガーファラクオクスのアクアリッシュ、そしてクラトゥイニアンが集っていた。
フェネック・シャンドによると、ジャバの側近だった彼らはリーダーの素質のないビブ・フォーチュナが後釜となった後、ファミリーを離れていったという。もっとも、この3者もジャバの後釜を狙ったものの、ビブ・フォーチュナによる悪知恵と裏切りに阻まれたのだ。
そのビブ・フォーチュナを排除したのがボバ・フェットであり、このボバに従えばまたジャバの元のように稼げるとフェネックは説く。
ボバは、彼らの縄張りには手を出す気はないし、貢ぎ物のやり取りもするつもりもなく、お互いに儲かる提案があるから集まってもらったと言う。話し合いの内容は、パイク・シンジゲートがモス・エスパに仲間を集めていること。
この惑星はいつの間にかパイク・シンジゲートのスパイス取引のために利用され、市長を買収し、タトゥイーンの富を吸い尽くそうとしていると言うボバだったが、ドク・ストラッシは縄張り内のスパイス販売のアガリで潤っているというし、クラトゥイニアンはボバに大名の資格があるのかを疑い、お前をこの場で殺す方がずっと得ではと敵意を向ける。
その時、床下のランコアが咆哮して爪を突き出し、驚いて立ち上がる一同。ボバはランコアは腹が減っているのだとなだめる。
ボバ・フェットの提案は、パイク・シンジゲートを排除するまでモス・エスパのすべてのファミリーで防衛同盟を組もうというものだった。
クラトゥイニアンとドク・ストラッシは、パイク・シンジゲートが脅かしているのはボバの縄張りだけであり、そのためになぜ血を流す必要があるのかと主張する。
ボバは、もしパイク・シンジゲートが裏切るように言って来ても、ただ中立を貫いてくれればそれで良いと言うのだった。
相談し合う各ファミリー。ボバの提案は受け入れられるのだろうか…
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」は、Disney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第4話「チャプター4:迫り来る嵐」レビュー
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」は全7話ということで、この「チャプター4:迫り来る嵐」でちょうど中間地点となる。そのサブタイトルである「迫り来る嵐」が現わしているように、来るべきシリーズ後半戦に向けたお膳立てが揃い、ストーリーが収斂し始めたと思わせるエピソードだ。
それは『エピソード6/ジェダイの帰還』でボバ・フェットの身に起きたことへの決着がつくことと、「マンダロリアン」での再登場の前後にボバ・フェットが何をしていたかを補完する過去を振り返る夢が一区切りとなったこと(バクタ・ポッドで完全に治癒したことから、回想シーンはここで終わるはずだ)、そしてパイク・シンジゲートに立ち向かう準備が始まったエンディングから感じられる。
まず、「チャプター4:迫り来る嵐」の大きな特徴は「マンダロリアン」シーズン1「チャプター5:ガンファイター」と同じ時間帯を、ボバ・フェットの視点から描いたことだ。
「チャプター5:ガンファイター」のラストは、倒れたフェネック・シャンドに近付く者のカットで終わり、後に「チャプター14:悲劇」にてこれがボバ・フェットであったことが明かされた。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の「チャプター4:迫り来る嵐」では、どのようにボバ・フェットとフェネック・シャンドは出会い、「マンダロリアン」で揃って登場したようにコンビを組むようになったのか、「マンダロリアン」で起きた出来事の裏側を描くことでその経緯が語られていく。
「チャプター5:ガンファイター」が配信されたのは2019年12月(日本では2020年1月)なので、約2年越しの伏線回収だ。最初に「チャプター5:ガンファイター」を見た時は、そのエンディングがここまで広がりを見せるとは思いもしなかった。
また驚きだったのは、フェネック・シャンドとコンビを組む過程の中で、ボバ・フェットは賞金稼ぎ稼業を辞めたいと思っていたことが明らかになったことだ。
あの銀河一の賞金稼ぎと呼ばれたボバ・フェットが、仕事に疲れ果てて足を洗いたがっていたとは!
「チャプター3:モス・エスパの町」では、ブラック・クルルサンタンにクズどものために仕事をするなとアドバイスしていた上に、この「チャプター4:迫り来る嵐」では頭の悪い雇い主に命を懸けて仕えることに嫌気が差していたことを明かしている。
ジャバ・ザ・ハットやダース・ベイダーといったクライアントのために仕事をしたことが、よほど堪えたようだ。
自らの手で組織を作り上げ、自身が尊敬される存在としてファミリーを束ねたいという意思は、金で使われて自分の意に反することをしてきた経験から来たようだ。おそらく、自分ならばもっと上手く出来ると思ったのだろう。
クライアントの依頼ならば確実に、クールに遂行する孤高の賞金稼ぎという従来のイメージとは異なるボバ・フェットの内面が明かされるのも、ボバ・フェットというキャラクターにフォーカスした単独シリーズならでは。
新たなボバ・フェット像には賛否があると思うが、賞金稼ぎではなくなったボバ・フェットがシリーズの終わりにはどのようなキャラクターとなっているのか、気になるところだ。
そして、『エピソード6/ジェダイの帰還』での出来事の後始末として、ボバ・フェットは自身を苦しめ、賞金稼ぎである自分を失うことになったカークーンの大穴に棲むサルラックと対峙し、自身の愛機スレーブⅠを奪還しなければならない。
ジャバの宮殿の内部が主な舞台となるほか、再起動したスレーブⅠに、「チャプター1:異星のはぐれ者」よりもしっかりと見せてくれるサルラックとの決着など、『エピソード6/ジェダイの帰還』と地続きであることが感じられるエピソードだ。
『エピソード6/ジェダイの帰還』と「マンダロリアン」をボバ・フェットというキーワードで交差させることで、様々な作品とつながりを作っていき、シリーズを見れば見るほどに楽しめる『スター・ウォーズ』の面白さが感じられる一作と言える。
そして、エンディングに流れる「マンダロリアン」のテーマのフレーズを聞き、兵士は金で雇えばいいというボバ・フェットのセリフを聞けば…
あのマンダロリアンの賞金稼ぎ、ディン・ジャリンが今後登場するであろうことが「マンダロリアン」を見た方はわかるのだ。『スター・ウォーズ』らしく、ライトモチーフを活用した予告となっており、ボバ・フェットに雇われたディン・ジャリンとともに、タトゥイーンに進出して来たパイク・シンジゲートと戦う後半戦の展開が見えてくる。
ファンが見たい展開に加え、良い意味で予想と異なる行く末を期待したい。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第4話「チャプター4:迫り来る嵐」トリビアチェックポイント
タトゥイーンの3つの月
ジャバの宮殿を偵察した日中を照らす二重太陽から、場面転換したタトゥイーンの夜空には3つの月が見える。
タトゥイーンの月は、『エピソード4/新たなる希望』のタンティブⅣとスター・デストロイヤーのデヴァステーターが戦闘を繰り広げる、あのオープニングシーンの背景に2つ(グエーメッサ、ゴームラッセン)が、『エピソード2/クローンの攻撃』でタスケン・レイダーの居留地にアナキン・スカイウォーカーが接近するカットで、夜空に3つの月(3つ目の月はチェニニ)すべてが登場していた。
「チャプター4:迫り来る嵐」でのタトゥイーンの3つの月は、『エピソード2/クローンの攻撃』のシーンに近い印象となっている。
「マンダロリアン」シーズン1「チャプター5:ガンファイター」と直結するストーリー
「チャプター4:迫り来る嵐」は、「マンダロリアン」シーズン1「チャプター5:ガンファイター」と同じ時間帯を、ボバ・フェットの目線から描いている。
夜、ボバ・フェットがたき火で食事をしている時に空で閃光が発せられたのは、マンダロリアンことディン・ジャリンがトロ・カリカンとともに長距離から狙撃してくるフェネック・シャンドを捕えるため、夜にフラッシュ・チャージを撃って目くらましをしつつ、フェネックがいる尾根までスピーダー・バイクで接近する作戦が行われていたためだ。
あのフラッシュ・チャージの光はボバ・フェットの注意を惹き、結果的に倒れていたフェネック・シャンドを発見することになるのだ。
「チャプター5:ガンファイター」のラストでフェネックに近付く人物は、ボバ・フェットであったことはシーズン2「チャプター14:悲劇」で明かされていたわけだが、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」では、ボバ・フェットがフェネックを救ったいきさつ、そして相棒となるまでの一部始終が描かれている。
「チャプター5:ガンファイター」のラストのカットは、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の「チャプター4:迫り来る嵐」でも使用されている。
改造屋を演じたのは、サンダーキャット
「マンダロリアン」シーズン1「チャプター5:ガンファイター」でトロ・カリカンにブラスターで撃たれた瀕死のフェネック・シャンドをサイバネティクス手術した改造屋を演じたのは、アメリカのミュージシャンであるサンダーキャットことステファン・ブルーナーだ。
「チャプター4:迫り来る嵐」のエンドロールでは、ステファン”サンダーキャット”ブルーナーとしてクレジットされている。
サンダーキャットは、兄が在籍していたバンドのスイサイダル・テンデンシーズにベーシストとして参加後、ソロとしても活動。ケンドリック・ラマーのアルバム「To Pimp a Butterfly」に参加し、収録された楽曲「These Walls」がグラミー賞最優秀ラップ/サング・コラボレーション賞に選出され、グラミー賞受賞アーティストとなった。
また、「カウボーイビバップ」や「坂道のアポロン」の渡辺真一郎監督による2019年放送のテレビアニメ「キャロル&チューズデイ」では、サンダーキャットが楽曲提供。「ドラゴンボール」への愛を込めた楽曲「Dragonball Durag」をリリースするなど、アニメ、ゲームオタクとしても知られている。
そもそも、サンダーキャットというステージネーム自体が自身が好きなアニメ「サンダーキャッツ」から来ている(ちなみに『ファンボーイズ』にも「サンダーキャッツ」ネタがある)し、ポパイWebのインタビュー記事によると自宅にはボバ・フェットのフィギュアも持っている!
今回の『スター・ウォーズ』への出演もノリノリだったことは想像に難くない!
この時点でのボバ・フェットは41歳
ボバ・フェットは、サンダーキャット演じる改造屋に「ここにいるには少し歳取ってないか?」と言われる。
ボバ・フェットは、『エピソード2/クローンの攻撃』の時点で10歳であり、『エピソード4/新たなる希望』の時は32歳、『エピソード6/ジェダイの帰還』で36歳となる。
「マンダロリアン」や「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」はそれから5年後となるため、ボバは41歳ということになる。
タトゥイーンのサイバネティクス改造は主に若者がするもののようで、現実世界でのタトゥーに近いカジュアルさがあるように見受けられる。
その賞金額の倍を払う
ボバ・フェットに改造屋へ運ばれて命を助けられたことを知ったフェネック・シャンドは、生け捕りにした方が価値が高くなるからだと思い、その賞金額の倍を払うと言う。
「マンダロリアン」シーズン1「チャプター5:ガンファイター」でも、捕らえられたフェネック・シャンドはモス・エスパの用事に行かせてくれれば、賞金額の倍を払うとトロ・カリカンに言っている。
フェネックは賞金目当ての敵に捕らえられた時には、いつも金の力で揺さぶってチャンスを得ようとしていたようだ。
ゴートラ
「俺を裏切ったあの水膨れ野郎を殺してやる。王座を奪うんだ」と言うボバ・フェットに対し、フェネック・シャンドはゴートラの頭領になるのかと尋ねる。
ゴートラ(ゴトラ)は、これまでドロイドのグループであるドロイド・ゴトラが登場しているが、今回は話の文脈からするとビブ・フォーチュナが率いる犯罪組織のことを指しているようで、これに関連する名称なのかも知れない。
ちなみに、『エピソード6/ジェダイの帰還』ではさして関わり合いのなかったビブ・フォーチュナに対して、ボバ・フェットが裏切られた思いを抱く理由も定かではない。今後、ビブ・フォーチュナの裏切りについて明かされた時、「マンダロリアン」シーズン2「チャプター16:救出」でのボバ・フェットによるビブ・フォーチュナ殺害と、組織のリーダーとなるシーンに新たな意味が加えられることになるだろう。
EVシリーズ監督ドロイド
ビブ・フォーチュナの宮殿の厨房にて、鍋で調理をしているドロイドはEVシリーズ監督ドロイドだ。
EVシリーズ監督ドロイドは、『エピソード6/ジェダイの帰還』のジャバの宮殿にてC-3POとR2-D2に業務を与えていたドロイドであるEV-9D9が知られている。
宮殿の中であるとはいえ、「チャプター4:迫り来る嵐」に登場するEVシリーズ監督ドロイドはEV-9D9ではない。
EV-9D9は、「マンダロリアン」シーズン1「チャプター5:ガンファイター」にて改造されてモス・アイズリー宇宙港のカンティーナでバーテンダーを務めていることが明らかになっており、同じ時期を描く「チャプター4:迫り来る嵐」で別の場所にいることは難しいと考えられるからだ。
ソーガン・フロッグ
EVシリーズ監督ドロイドが調理している鍋から、顔を出すもののヘラで叩かれて再び鍋に落とされているのはソーガン・フロッグだ。
ソーガン・フロッグは、「マンダロリアン」シーズン1「チャプター4:楽園」にてマンダロリアンことディン・ジャリンが訪れた惑星ソーガンのカエルのような小動物。ザ・チャイルドことグローグーがソーガン・フロッグを食おうとするが、村の子どもたちが気持ち悪げに騒いだため吐き出した。
COOシリーズ・コック・ドロイド
宮殿の厨房では、COOシリーズ・コック・ドロイドも複数の腕を使って調理をしている。
COOシリーズ・コック・ドロイドは、『エピソード2/クローンの攻撃』にてアナキン・スカイウォーカーとパドメ・アミダラが密かにナブーへ向かうべく乗った貨物船の船内で、パンケーキのような食べ物を持って働いていた。
複数の腕を高速回転させるコック・ドロイド
そのCOOシリーズ・コック・ドロイドは、ボバ・フェットに対峙した際に様々な調理用の刃物が付いた6本の腕を回転して対抗!
その様子は、『エピソード3/シスの復讐』でオビ=ワン・ケノービと対決した時にライトセーバーを持った4本の腕を高速回転させていたグリーヴァス将軍のようだ!
LEPシリーズサービス・ドロイド
ネズミの駆除係としてやって来たのは、長い耳のようなパーツが特徴的なLEPシリーズサービス・ドロイド(LEPサーヴァント・ドロイド)だ。
LEPシリーズサービス・ドロイドは、「クローン・ウォーズ」のシリーズを通して登場。ウェイターとして物を運んだり、ホログラム投影をしたり、様々な場面でアシスタント的な業務を行っている。
『フォースの覚醒』では、タコダナのマズ・カナタの城にてLEPシリーズサービス・ドロイドの音声が聴こえるが、その姿が実写作品に登場するのは初めて。アニメから実写化されたことになる。
スレーブⅠ
「チャプター4:迫り来る嵐」では、「マンダロリアン」シーズン2「チャプター14:悲劇」にてボバ・フェットとともに再登場したスレーブⅠが、どのようにしてボバ・フェットの元に戻って来たのかが描かれている。
真相は、『エピソード6/ジェダイの帰還』にてジャバ・ザ・ハットの宮殿に滞在していた時からスレーブⅠは変わらず宮殿のハンガーに停められており、そのままになっていたものの、マンダロリアン・アーマーを着ていないボバ・フェットではビブ・フォーチュナに身元を信用してもらえないということでハンガーに忍び込んで強奪してきたというわけだ。
ボバ・フェットは「チャプター4:迫り来る嵐」で、フェネック・シャンドにファイアスプレー・ガンシップを取り戻したいと言っているが、ここで機体名のスレーブⅠと呼称しなかったのは、機種名で呼んだ方が初対面のフェネックにとってわかりやすいからだと思われる。
ファンがボバ・フェットの宇宙船の名称について敏感になっているのは、2021年6月に「マンダロリアン」からのレゴの商品化の際に「ボバ・フェットの宇宙船」という商品名となっていたことに対し、レゴのデザイナーがファンサイトのJedi NewsとBrickset.comのインタビューにディズニーがこれ以上使用して欲しくなかったのだと明かしたことに起因する。
また、コミック「War of the Bounty Hunters」のヴァリアントカバーについてのプレスリリースにて、他の賞金稼ぎたちは宇宙船の名称が明記されていることに対し、ボバ・フェットのみファイアスプレーと機種名で記述されていたことも拍車をかけた。
しかし、現在もStarWars.comのデータバンクにはスレーブⅠ表記がされているなど(ただURLにはboba-fetts-starshipとある)、劇中の名称まで変わったとまでは言えない状態だ。おそらく商品名については、上記のように言い換えをしているのではないかと思われる。
スキッフ
宮殿内でスレーブⅠが停泊しているハンガーには、バンサIIカーゴ・スキッフが格納されており、スレーブⅠは発進時にスキッフに激突してしまう。
スキッフは、『エピソード6/ジェダイの帰還』にてルーク・スカイウォーカーら反乱軍のメンバーをサルラックに突き落として処刑するため、カークーンの大穴へ向かう際にルークたちを乗せていた乗り物だ。
スキッフはこのほか、「クローン・ウォーズ」などにて登場。
サルラック
「チャプター1:異星のはぐれ者」にも登場し、その腹からのボバ・フェットの脱出劇が明かされたサルラック。この時は腹の中以外は動きがなかったサルラックが、「チャプター4:迫り来る嵐」で活発に動いてスレーブⅠを通し、ボバ・フェットと最後の死闘を繰り広げた。
『エピソード6/ジェダイの帰還』特別篇で追加されたくちばしがアグレッシブに攻撃し、独特な音声も使われている。
サイズミック・チャージ
マンダロリアン・アーマー回収のため、カークーンの大穴を調べていたところサルラックに襲われたことで、ボバ・フェットはスレーブⅠからサイズミック・チャージを放つ。
サイズミック・チャージは、『エピソード2/クローンの攻撃』にてジャンゴ・フェットがスレーブⅠを追跡してきたオビ=ワン・ケノービのジェダイ・スターファイターを攻撃する際に使用していた。
爆発の直前の一瞬、無音状態になってから爆発とともに独特の振動音と衝撃波が放たれるのが大きな特徴だ。
時系列としてはサルラックに対して使用した後になるが、「マンダロリアン」シーズン2「チャプター15:信奉者」でも、モラックの帝国軍の残党の採掘拠点から脱出するスレーブⅠを追跡するタイ・ファイターに対して、サイズミック・チャージが放たれていた。
ヤズム
バクタ・ポッドにて完全に回復した後のボバ・フェットが、市長の執事長は協力的かと尋ねると、彼はヤズムのように歌っている(singing like a yuzzum)とフェネックは答えている(日本語字幕/吹替では、ペラペラ話す/何でもしゃべるよと、ヤズムの名前は訳さない形となっている)。
ヤズムは『エピソード6/ジェダイの帰還』のジャバの宮殿にて登場。1983年公開のオリジナル版の時点では、ウーラが抵抗するシーンで、ジャバの右側に頭部が見えている程度の出番であった(この個体はワム・ラフバとされている)。
『エピソード6/ジェダイの帰還』特別篇では、オリジナル版と比べて大所帯となったマックス・レボ・バンドの新しいメンバーのひとりとして、ヤズムのジョー・ヤウザが追加。サイ・スヌートルズとともにボーカルを務め、かなり大きな見せ場が出来た。
ウーキーとトランドーシャン
ブラック・クルルサンタンは、サンクチュアリにて客のトランドーシャンに突然襲い掛かる。
レジェンズの頃より、ウーキーの母星であるキャッシークとトランドーシャンの故郷のトランドーシャは同じ星系にあり、トランドーシャンはウーキーを攻撃するなど対立を深めているという設定があった。帝国の樹立後には、トランドーシャンはウーキーを捕らえて帝国に奴隷として引き渡しており、この2種族の仲は険悪であるという印象を与えてきた。
突然、ブラック・クルルサンタンが襲撃したのでなぜ襲い掛かったのかと思う方もいるかも知れないが、このシーンはこのウーキーとトランドーシャンが宿敵であるという設定を持ち出してきたものだ。
仕事のボバ・フェット暗殺は失敗して捕らえられ、雇い主の双子のハットにも見捨てられ、ボバに見逃されて何もかも上手くいかなかった中で、歴史的に対立しているトランドーシャンがヘラヘラと楽しそうにしていたから、ブラック・クルルサンタンはむしゃくしゃして喧嘩を売りに行ったのだろう。
いずれにしても自分勝手過ぎるが…
腕を引っこ抜くウーキー
そんなブラック・クルルサンタンは、ガーザ・フウィップの懐柔の甲斐もなく、トランドーシャンの客の腕を引っこ抜いてしまう。
これは『エピソード4/新たなる希望』で、チューバッカとR2-D2がデジャリック・ホロチェスで対戦している様子を見ていたC-3POに、ハン・ソロが「ウーキーは腕を引っこ抜くぞ」と言うセリフから。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』では、ケッセルの鉱山でチューバッカは実際に敵の腕を引き抜いており、ウーキーを怒らせると怖いことがよくわかる。
やっかいかけた迷惑料
トランドーシャンの客の腕を引っこ抜いた後、ブラック・クルルサンタンはサンクチュアリの店員に金銭らしきものを手渡して、店を出る。
『エピソード4/新たなる希望』では、ハン・ソロはカンティーナでグリードを射殺した後にバーテンのウーハーにやっかいをかけた迷惑料を渡し、店を出た。
「マンダロリアン」のテーマ
「チャプター4:迫り来る嵐」のエンディング、フェネックが戦力は金で買える、居場所を知っていればと言った直後に「マンダロリアン」のテーマが流れる…
これは金で雇える賞金稼ぎであるマンダロリアンことディン・ジャリンが、ボバ・フェットとフェネック・シャンドの前に再び現れることを示唆するものだと思わずにはいられない!
Disney+ (ディズニープラス)
docomoアカウントでのご登録はこちら
Disney+ (ディズニープラス)
その他のご登録はこちら
コメント