Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第2話「チャプター2:タトゥイーンの部族」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「チャプター2:タトゥイーンの部族」のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
この記事はネタバレがございますので、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第2話「チャプター2:タトゥイーンの部族」の本編鑑賞後にご覧ください。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の他のチャプターのエピソードガイドは、以下をご参照ください。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第2話「チャプター2:タトゥイーンの部族」ストーリー
フェネック・シャンドは、自身とボバ・フェットに襲い掛かった襲撃者のグループのうち1人を生け捕りにし、元はジャバのものだったボバの宮殿に戻って来た。
謁見の間で、ボバ・フェットは襲撃者が誰の使いで、何を命じられたのか尋問するが、ガモーリアン・ガードによる脅しにも襲撃者はしゃべろうとせず、悪態をつく。
8D8によると、伝説的な評判を持つナイトウィンドの命によりとても高額で雇われた者で、口が固く何者も恐れないという。
でもたぶん、ランコアは恐いだろうとフェネックが言って落とし穴の扉を開けると、ナイトウィンドの暗殺者はランコアの穴へと落下。
ランコアがいた扉が徐々に開いていくと、暗殺者は市長に雇われたと命乞いをする。
しかし、ランコアはすでにルーク・スカイウォーカーにより殺されているので、そこにはタトゥ=ラットしかいなかった。
ナイトウィンドの暗殺者を引き連れ、ボバ・フェットとフェネック・シャンド、2人のガモーリアン・ガードはモス・エスパの市長の元へ向かう。
モス・エスパの市庁舎に入るなり、市長に会いに来たと告げるボバ・フェットだったが、現れた市長の執事長は今週中は会えないと言う。
執事長の静止を聞かず、強引に奥へと進むボバ・フェットたちは、アイソリアンのモク・シェイーズ市長にナイトウィンドの暗殺者を突き出し追及する。
モク・シェイーズ市長は、この男がナイトウィンドの一員であることを認めるとともに合図を出すと、護衛がナイトウィンドの暗殺者を撃ち殺した。
ナイトウィンドはハットスペース以外での活動を禁じられてられており、突き出してくれた礼を述べた上、市長は褒美を与えると言う。
市長が持ってくるはずだった貢ぎ物として受け取るとするボバは、タトゥイーンの大名に仕えるのだとモク・シェイーズ市長に迫る。
モク・シェイーズ市長は、私には動機がなく、誰がナイトウィンドを送って来たのか考えた方がいいと告げる。
さらに、ファミリーを統括するのは賞金稼ぎよりもずっと複雑だと「アドバイス」を送り、ガーザのサンクチュアリに行けば、私の言うことがわかるはずだと口にするのだった。
サンクチュアリに来た一行を出迎えたガーザ・フウィップに、モク・シェイーズ市長に何かがわかると聞いてここに来たが、お前はムスタファーのガンプタのように汗をかいているとボバ・フェットは尋ねる。
ガーザ・フウィップは、双子が亡きいとこの遺産を要求していると明かす。双子はハッタの堕落に気を取られており、タトゥイーンに野心を燃やす暇はないとボバが口にした時、遠くから太鼓の音が聞こえてくる。
サンクチュアリの店外に出ると、2人のハットが輿に担がれて向かって来た。
縄張りを主張するボバに対し、男のハットはここはジャバの縄張りで、今は我々のものだと言う。
ハットたちが、ウーキーのブラック・クルルサンタンを連れて来ているのを見て、ボバはグラディエーターを何人連れて来ようとここはダールの死の穴ではないし、俺はトランドーシャンの居眠り衛兵ではなく、ここは俺の縄張りであり、さっさとナル・ハッタに帰るようにと告げる。
妹はお前を殺すべきと考えていると双子の兄は言い、ボバもジャバの遺産はすべて自分のもので、奪い返したければ自分を殺すしかないだろうと言う。
双子の兄は、流血は商売の邪魔であるため、この件はまた日を改めると去り、ブラック・クルルサンタンもまた、ボバを睨んでうなりながらハットについて行く。
フェネック・シャンドは、相手はハットだから殺したければ許可が必要だと言う。
自身の宮殿でバクタ・ポッドに入ったボバ・フェットは、タスケン・レイダーからガダッフィの杖(ガッフィの杖)の扱いを学んでいた頃の夢を見ていた。
ボバが杖に習熟してきた頃、現れたワートをタスケン・レイダーがライフルで仕留める。
そんな時、低い唸り声が聞こえるとともにタスケン・レイダーたちはライフルを手に取り、警戒し始める。
ほどなくして、遠くの砂漠を走って来たホバー列車から突然無数のブラスターが放たれ、タスケン・レイダーたちは応戦するも大きな被害を受けてしまう。
夜、ホバー列車の襲撃で命を落としたタスケン・レイダーたちを火葬する中、ボバはスピーダー・バイクが集団で走る様子を見た。
ボバは、タスケン・レイダーたちに列車を止めること、そして明朝までに戻ることを告げる。
ボバが向かったのは、アンカーヘッドのトシ・ステーション。店内ではニクトたちが騒ぎ、ケイミーとフィクサーのテーブルの飲み物にまで手を出してきた。
抗議するフィクサーにニクトたちが暴行した時、トシ・ステーションのドアが開いてボバ・フェットが入って来た。
武器を取ったニクトたちはボバに襲い掛かるが、ライフルとガダッフィの杖によって全員返り討ちに。
乱闘で店内を荒らし、カウンターで飲み物をあおったボバは、店外に停まっているスピーダー・バイクへと向かう。
翌朝、ボバはタスケン・レイダーの居留地へと、ニクトたちのスピーダー・バイクを牽引して贈り物として運んで来た。早速スピーダー・バイクを荒らし始めるタスケンたちだったが、ボバは彼らに乗り方を教えること、そしてこれを使って列車を止めると言う。
ボバによる、タスケン・レイダーへのスピーダー・バイクの乗り方のレクチャーが始まった。運転方法だけではなく、実際の列車と同じ速度に慣れさせたり、スピーダー・バイクからの飛び移り方も練習。子どものタスケン・レイダーには、列車が来たらミラーで合図を出すように教える。
ボバは、引き続きガダッフィの杖の鍛錬も行う。だいぶ習熟してきてはいるが、タスケン・レイダーの戦士にはまだかなわない。
その時、タスケンの見張りがエレクトロ・バイノキュラーでホバー列車を確認する。直ちにスピーダー・バイクを発進させ、後方の狙撃手はライフルを手にして臨戦態勢へ。
前回と同様に襲い来る、ホバー列車からのブラスター射撃。ボバが率いるタスケンのスピーダー・バイクは、ブラスターに撃たれながらもホバー列車の後方から接近することに成功し、子どものタスケン・レイダーからのホバー列車到来の合図を受けたタスケンの狙撃手は、ホバー列車内の敵を狙い撃つ。
タスケンたちもスピーダー・バイクからホバー列車への飛び移り、高速移動するホバー列車での攻防戦が始まった。ボバも被弾したスピーダー・バイクが爆発する寸前に、タスケンの仲間を助けながら飛び移る。ホバー列車へと飛び移れたボバとタスケンたちは車両の上を移動して行くが、敵のブラスター射撃の前に釘付けとなってしまう。
さらに、襲撃に気付いたホバー列車の運転士ドロイドはスピードを上げ始めた。
しかしホバー列車の車両内への侵入に成功したタスケンの戦士が、ボバたちを撃っていた敵を倒して状況を打開。これにホバー列車の運転士ドロイドはさらにスピードを上げ、エンジン部分の噴射によりタスケンも敵も吹き飛ばされる者が出てくる。
ボバはホバー列車の運転席まで到達し、運転士ドロイドに列車を止めるよう脅すが、車両の外の砂漠へと逃げ出してしまう。計器に火花が飛び散る中、ボバはなんとかホバー列車の停止に成功。
タスケン・レイダーたちはホバー列車の積み荷を降ろしていき、ボバは捕らえた襲撃者たちであるパイク・シンジゲートのメンバーを尋問していた。ボバはケッセルの奴隷鉱山で採れるサンサナ・スパイスを運んでいるか聞くと、パイク・シンジゲートのホバー列車のリーダーは知らない振りをするが、タスケンがスパイスの現物を見つけてくる。
パイク・シンジゲートのリーダーは野蛮な襲撃者からルートを守ろうとしたと主張するが、ボバはタスケン・レイダーたちは大昔からこのデューン・シーで暮らしているので、ここを通りたければ通行料を払うこと、踏み倒そうとしてタスケンたちを殺したら十倍にして返すと告げる。
さらに、ボバとタスケンたちが野蛮ではない証拠としてパイク・シンジゲートのメンバーを生きて返すので、組織に戻りこの条件を示すように言う。
一列になって、太陽に向かって歩けば日没までにアンカーヘッドに着くだろうと告げ、捕らえたパイク・シンジゲートのメンバーを解放しようとするボバに、パイクのリーダーはどうせ殺されるし、水がなければ死ぬと返す。ボバは道中はタスケン・レイダーが保護し、それぞれにブラック・メロンを与えるのでそのミルクを飲み生き延びろと言うのだった。
夜、タスケンの部族長はたき火を囲んでボバに彼らの歴史を語る。
タスケンには数々の部族がいるが、タトゥイーンの海が乾いて以降は隠れており、他の部族は生きるために殺戮を行ってきたという部族長。
部族長はさらに、ボバを良い導き手だと評して、この贈り物が次はお前を導くとして小さな籠を授ける。中にはトカゲがおり、部族長が粉をかけると突然トカゲはボバの鼻の中に侵入した。これにより、ボバは幻覚を見始める。
砂漠の中を歩くボバに、マンダロリアン・アーマーを着たかつての姿がオーバーラップする。大きな木が、カミーノのような荒れ狂う海の中にあるように見えた。木を取り囲む、マンダロリアン・アーマーを持ち去ったジャワたちの光る眼。
やがて木の枝はボバに巻き付き、サルラックの腹の中へと変化する。ジャンゴ・フェットのスレーブⅠを見送る、カミーノでの少年時代。そしてボバは、自身に巻き付いた枝を折った。
この幻覚は、ボバをどこへ導くのか…
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」は、Disney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第2話「チャプター2:タトゥイーンの部族」レビュー
陰謀渦巻くギャングの抗争、全てを失った男が原住民族と交流して生まれ変わるストーリー、そして大列車強盗…
「チャプター2:タトゥイーンの部族」は、52分というシリーズの中では長尺の時間を使って、エンタテイメントとエモーションが溢れてくる映画並みに満足感のあるエピソードだ!
「チャプター2:タトゥイーンの部族」を見ると、「チャプター1:異星のはぐれ者」はシリーズの導入部に過ぎず、過去と現在のボバ・フェットの状況と舞台設定、そして過去と現在を行き来するというシリーズ構成を説明するという役割のエピソードだったのではと思う。
「マンダロリアン」シーズン2の第1話である「チャプター9:保安官」が同様に52分の時間となっており、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の本格的なスタートを切るのは「チャプター2」なのかも知れない。
まず、前話「チャプター1:異星のはぐれ者」から続く、ボバ・フェットらを狙った襲撃者の依頼主については、今回のエピソードで本人が登場したモク・シェイーズ市長、そして縄張りを引き継ごうと現れたジャバのいとこの双子のハットという、一筋縄ではいかなさそうなキャラクターたちがその舞台に上がった。
ジャバやガーデュラ・ザ・ハット以外のハットが実写で登場したことからは、その前に『エピソード6/ジェダイの帰還』のジャバの宮殿を入口からランコアの落とし穴まで忠実に再現したシーンを見ていたことも相まって、あの世界と地続きの、まさに『スター・ウォーズ』の新作を見ているという感覚を得られた。
モク・シェイーズ市長や、双子のハットとボバ・フェットとのやり取りは、細かいカットを積み重ねて緊張感を生み、効果的なサスペンス演出に。
続いて、ボバ・フェットがタスケン・レイダーの居留地を通って傍若無人に荒らしていくホバー列車を止めるため、アクションシーンの定番とも言える列車上でのチェイスを展開。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でもコンヴェイエクスでのアクションシーンがあったが、「チャプター2:タトゥイーンの部族」では暴走列車を機関室まで行って止めるという、おなじみなシチュエーションまである。
スピード感やスケール感は映画に引けを取らず、ダイナミックなアクションシーンが楽しめる。
そして、ボバ・フェットはパイク・シンジゲートのホバー列車を止めてタスケンの居留地を守り、タスケン・レイダーの部族の一員となる。
タスケンのトカゲによる幻覚を伴うトリップは、いわゆる通過儀礼というものだ。
一人前の大人として、部族の一員として認められるため、現実世界の多くの部族で恐怖や痛みを伴ったり、薬物で幻覚を見たり、外の世界を旅するなど、過酷な経験をさせる儀式がある。
その儀式を通してそれまでの自分を1度捨てさせて、コミュニティの一員として認められた新しい自分へと変化する。
ボバ・フェットはカークーンの大穴に落ちて、それまでの「銀河一の賞金稼ぎであるボバ・フェット」という自分を構成するすべてを捨て、タスケン・レイダーとして砂漠で生まれ変わったのだ。
サルラックに飲み込まれ、マンダロリアン・アーマーを失った時にかつてのボバ・フェットは1度死に、タスケン・レイダーと暮らして自分の道を見出したことで新たに復活を遂げた。
ボバ・フェットが経験したタスケンのトカゲによる通過儀礼からは、ネイティブ・アメリカンのビジョン・クエストなど、様々な民族の儀式を連想される。
また、これは推測でしかないが、エンディングでボバ・フェットとタスケン・レイダーが舞う踊りは、ボバ・フェット役のテムエラ・モリソンの故郷、ニュージーランドのマオリ族の民族舞踊であるハカのエッセンスも感じさせる。
実際に、「マンダロリアン」シーズン2でガダッフィの杖を持って再登場した時点で、マオリの棒術を取り入れたとテムエラ・モリソンはインタビューで語っている。
様々な民族の要素を合わせてタスケン・レイダーの文化が構成されていることが感じられるのは、はるか彼方の銀河系の話にも関わらず実在感があるし、古今東西の要素を汲んで出来た非常に『スター・ウォーズ』的な作り方をしている。
タスケン・レイダーの文化をここまで掘り下げた映像作品はこれまでにない。
タスケン・レイダーといえば、『エピソード4/新たなる希望』ではルーク・スカイウォーカーを襲ってランドスピーダーをあさり、『エピソード1/ファントム・メナス』ではポッドレーサーを狙撃、『エピソード2/クローンの攻撃』に至ってはアナキン・スカイウォーカーの母シミを誘拐して死なせ、アナキンのダークサイドを深める原因を作るなど、砂漠の蛮族として描かれてきた。
まるでハリウッドで作られた西部劇にて、白人の脅威であり、最後には騎兵隊が駆けつけて一掃されてしまう悪いインディアンのように。
しかし、映画で描かれてきたタスケン・レイダー像は一面に過ぎず、また「チャプター2:タトゥイーンの部族」で語られたようにタスケン・レイダーにも様々な部族があり、独自の文化を持ち、仲間や家族を失えば悲しむ。
白人とネイティブ・アメリカンの交流を描いた『ダンス・ウィズ・ウルブス』のような本作は、多様化の時代にふさわしいエピソードと言えるのではないか。
「瀕死の賞金稼ぎが先住民族と出会い、戦士として認められ、居留地を通り抜けて荒らす列車を止める」というあらすじだけ見れば、これが西部劇だと言われても違和感がない。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」は、まさに銀河の西部劇なのだ。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」第2話「チャプター2:タトゥイーンの部族」トリビアチェックポイント
ジャバの宮殿の入口
フェネック・シャンドがナイトウィンドの暗殺者を連れてジャバの宮殿へ戻って来たシーンでは、扉が開く様子をジャバの宮殿の内側から写すという、『エピソード6/ジェダイの帰還』でルーク・スカイウォーカーがジャバの宮殿を訪れた際と近い構図となっている。
E chu ta(イ チュタ)
ナイトウィンドの暗殺者が、ボバ・フェットに尋問された際に発言している「E chu ta(イ チュタ)」は、『エピソード5/帝国の逆襲』のクラウド・シティで、C-3POとすれ違ったE-3POが言っていたハット語のフレーズ。
これを言われた後にC-3POは、「失敬な!」と言っていたので、バカにしたり、侮辱したりする意味の言葉と思われる。
ジャバの宮殿のランコア
フェネック・シャンドは、雇い主について口を割らないナイトウィンドの暗殺者を、落とし穴の扉を開けて落下させる。
これはもちろん、『エピソード6/ジェダイの帰還』でランコアが住んでいた穴だ。ジャバ・ザ・ハットはこの穴にパティーサというランコアを飼っており、気に入らない相手を落としてはエサとして与えていた。
しかし、この穴に落下したルーク・スカイウォーカーが扉を頭上に落下させてランコアを倒してしまったため、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の時点ではもぬけの殻だ。
ちなみに、ルーク・スカイウォーカーは頭蓋骨を投げて扉のパネルを破壊し、扉を落下させていたが「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」では動作して開いているので、扉として機能しているようだ。
ビブ・フォーチュナが直させたのだろうか…
タトゥ=ラット
開いた扉の先にはランコアはおらず、ただネズミがいるのみ。このネズミは、タトゥ=ラットという名称だ。
『エピソード6/ジェダイの帰還』にて、C-3POとR2-D2がルーク・スカイウォーカーからジャバへの「贈り物」となり、地下へと連行された時に通った牢屋の格子にネズミたちが登場している。
このネズミは、公式YoutubeチャンネルのStar Wars Kidsの動画「Every Creature in the Star Wars Movies」にて、タトゥ=ラットという名称であることが明かされている。
モク・シェイーズ市長の声を演じるのはロバート・ロドリゲス
「チャプター2:タトゥイーンの部族」にて、ついに本人が姿を現したモス・エスパの市長、モク・シェイーズ。
モク・シェイーズはアイソリアンのため、彼らの言語であるアイソリーズを話して同時に通訳機からベーシック(銀河の標準語、要は英語)の機械音声が出て会話をするわけだが、この声は「チャプター1:異星のはぐれ者」と「チャプター3:モス・エスパの町」の監督であるロバート・ロドリゲスが演じている。
ロバート・ロドリゲスは、「チャプター1:異星のはぐれ者」でもトランドーシャン・ファミリーのリーダーであるドク・ストラッシの声も演じており、これで2役の声の出演を果たした。
複雑な賞金稼ぎよりも、さらに複雑なファミリー統括
「ファミリーを統括するのは賞金稼ぎよりもずっと複雑だ(Running a family is more complicated than bounty hunting)」というモク・シェイーズ市長のセリフは、「マンダロリアン」でクライアントが言う「賞金稼ぎは複雑な職業だ(Bounty hunting is a complicated profession)」というセリフに対応しているようだ。
複雑な職業である賞金稼ぎよりも、ファミリーの統括はさらに上をいく複雑さを持っているというわけだ。
ムスタファー
ジャバのいとこの双子のハットがやって来たことで、あせるガーザ・フウィップにムスタファーのガンプタのように汗をかいているとボバ・フェットは言う。
ムスタファーは、『エピソード3/シスの復讐』にてアナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービが決闘した灼熱の溶岩の惑星。クローン戦争中には、ダース・シディアスがフォース感知者の子どもたちを集めていた施設のほか、犯罪組織のブラック・サンの拠点があり、帝国の時代にはダース・ベイダーの城もあるなど、ダークサイドにゆかりの深い場所だ。
カイロ・レンがウェイファインダーを探しに来た『スカイウォーカーの夜明け』の頃には、長年の間に溶岩が徐々に冷えて固まって植物と生態系が変化し地表は森林帯となっていた。
ガンプタはこのセリフで初登場したもので、会話の流れからするとムスタファーの生物のようだ。
ブラック・クルルサンタン
ジャバのいとこの双子のハットが連れてきたウーキーは、賞金稼ぎのブラック・クルルサンタン。
ブラック・クルルサンタンは「スター・ウォーズ:ダース・ベイダー」に初登場して以来、コミックで活躍しているキャラクター。タトゥイーンを訪れたダース・ベイダーに、ジャバ・ザ・ハットがボバ・フェットとともに紹介した賞金稼ぎで、ダース・ベイダーはブラック・クルルサンタンに皇帝の密偵を捕えることを依頼。
そのため、ボバ・フェットとは面識がある。
ブラック・クルルサンタンがこの依頼を遂行したことで、ダース・ベイダーは皇帝パルパティーンの命令によってベイダーに代わる存在を育成しているサイロの研究所に辿り着いた。
また、ブラック・クルルサンタンはオビ=ワン・ケノービ、ハン・ソロ、チューバッカとも戦ったことがある。
これまでコミックのキャラクターであったブラック・クルルサンタンが実写化されたのは、「チャプター2:タトゥイーンの部族」が初。ボバ・フェットとの再会に、ブラック・クルルサンタンはどのような思いを抱いていたのだろうか…
ナル・ハッタ
ボバ・フェットは、双子のハットに「ナル・ハッタに帰れ」と言う。
ナル・ハッタは、ハットの故郷の惑星であり、ハット評議会がある本拠地だ。
「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」シーズン3 第9話「ズィロを追え!」の舞台となっており、オビ=ワン・ケノービとクインラン・ヴォスが共和国の刑務所から脱獄したズィロ・ザ・ハットの行方を追う。
ナル・ハッタには『エピソード1/ファントム・メナス』に登場したガーデュラ・ザ・ハットの宮殿があり、ここがハット評議会の会議場として使われていた。
ワート
タスケン・レイダーの居留地に現れ、ライフルで仕留めた生物はワートだ。
ワートは『エピソード6/ジェダイの帰還』にて、夕陽の二重太陽とジャバの宮殿の情景を捉えたカットに登場。ジャバの宮殿の前の岩場の手前で(画面では左下)、カメレオンのように舌をすばやく伸ばして捕食してゲップをしている。
トシ・ステーション
ボバ・フェットがニクトたちを倒し、彼らのスピーダー・バイクを奪った場所はトシ・ステーション。
トシ・ステーションは、『エピソード4/新たなる希望』の本編からは削除されたシーンに登場しており、ルーク・スカイウォーカーたちのたまり場である動力ステーション/修理店。本編から削除されたシーンの場所が、その印象的な外観や内装を再現してついに『スター・ウォーズ』の本編に登場したのだ!
店舗の内装は、ゲーム台や汚れたガラスなど削除されたシーンの雰囲気を残しながら、パーツが雑然としていた台に代わり、飲食店らしいテーブルと椅子が置かれており、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の頃はカンティーナのような店となっていたのかも知れない。
『エピソード4/新たなる希望』の本編から削除されたシーンでは、タトゥイーンの上空でスター・デストロイヤーのデヴァステーターとタンティブⅣの戦いを目撃したルーク・スカイウォーカーが、トシ・ステーションにいるケイミーとフィクサーら友達に知らせに行く。
その時、親友であるビッグス・ダークライターと再会し、反乱軍に入る決意を聞かされるのだった。
ケイミーとフィクサーら、ルークの地元の友達がまったりと過ごしていたトシ・ステーションは、ニクトとボバ・フェットが殺伐とした乱闘を起こす場所となってしまった…
『エピソード4/新たなる希望』のトシ・ステーションのシーンは、「スター・ウォーズ スカイウォーカー・サーガ 4K UHD コンプリートBOX」ボーナス・ディスクの未公開シーン集「トシ・ステーション」に収録されている。
ケイミーとフィクサー
トシ・ステーションでニクトに囲まれていた男女は、ケイミーとフィクサーだ。
ケイミーとフィクサーも、『エピソード4/新たなる希望』の本編からは削除されたトシ・ステーションのシーンに登場。ルークがタトゥイーンの上空で戦闘が起きていると知らせ一緒に空を見上げるが、ビッグス・ダークライターが言う燃料補給しているだけという見立てに同意し、2人とも信じなかった。
ケイミーはルークのエレクトロ・バイノキュラーを奪って覗き、それを投げて返した上に「心配しないで、弱虫(ワーミー)」とまで言い放つ…
小説「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」では、プロローグにて映画では描かれていない、オク=トーのルークがレイと出会う前に見た夢に登場。
その夢は、「ルークがレイアと出会うことなく、年老いた今もタトゥイーンに住んでいたら」というもので、ラーズ家から逃げたR2-D2を夜のうちに探し出して連れ戻したところから道が変わり、R2-D2とC-3POは帝国軍に捕まり、オビ=ワン・ケノービはその阻止に失敗して姿を消し、レイアは処刑。帝国はデス・スターによって反乱軍を鎮圧するというものだ。
この夢の中では、宇宙に旅立つことがなかったルークはタトゥイーンでその才能を発揮し、かつてはワーミーとからかわれていたがラッキー・ルークと呼ばれるようになる。フィクサーと付き合っていたケイミーは、フィクサーが口ばかりで行動しない男だと気付いてルークと結婚。
ルークとケイミー夫妻は、長年に渡ってラーズ家の水分農場を営んできたが、ルークは年老いた今もどこか遠く離れた場所にいるべきではないかと思っている…という夢は、『スター・ウォーズ』の「もしも…」の興味深くもせつないストーリーを見せてくれる。
『エピソード4/新たなる希望』の削除されたシーンでフィクサーを演じたのは、アンソニー・フォレスト(本編では、オビ=ワンのマインドトリックにかかるサンドトルーパーを演じている)。ケイミーはクー・スタークが演じた。
「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」では、フィクサーをスカイラー・バイブルが、ケイミーをアクション映画のスタントを務めているマンディー・コワルスキーがそれぞれ演じており、削除されたシーンの2人に近い印象で演じている。
パイク・シンジケート
ホバー列車でタスケン・レイダーの居留地を通過し、被害を与えていたのはパイク・シンジケートだった。
パイク・シンジケートは、「クローン・ウォーズ」や『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場。『エピソード2/クローンの攻撃』で言及されたクローン・トルーパーを発注した張本人のサイフォ=ディアスを、ドゥークー伯爵の指示で殺害したのもパイク・シンジケートである。
また、ダース・モールがクローン戦争中に設立した犯罪組織のシャドウ・コレクティヴにパイク・シンジケートも参加した。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』では、管理しているケッセルの鉱床にてハン・ソロやチューバッカ、ランド・カルリジアンたちにコアキシウムを強奪された。
「チャプター2:タトゥイーンの部族」では、おなじみのマスクを外したパイクの素顔が見られる。
ケッセルのスパイス
パイク・シンジケートがホバー列車で運んでいたのは、ケッセルの鉱山で採れたサンサナ・スパイスだ。
スパイスは、ケッセルのスパイス鉱山などで採取されており、パイク・シンジケートが精製して流通。主にドラッグとして用いられており、「クローン・ウォーズ」などに登場している。
映画第1作『エピソード4/新たなる希望』にてすでに、C-3POがタンティヴⅣから脱出しようとするR2-D2に対してケッセルのスパイス鉱山に送られてしまうとセリフで言及されているのだ。
また、そのケッセルのスパイス鉱山は『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』や、「反乱者たち」にて登場している。
ブラック・メロン
「チャプター1:異星のはぐれ者」にも登場した、タスケン・レイダーが砂漠から掘り出してその水分を飲んでいる果実は、コミック「ベン・ケノービ老人の日誌より 最後の一人」にて描かれていたブラック・メロンであることが「チャプター2:タトゥイーンの部族」のボバ・フェットのセリフにより判明した。
『エピソード3/シスの復讐』後のオビ=ワン・ケノービのタトゥイーンでの日々を描いた「ベン・ケノービ老人の日誌より」で、オビ=ワンはブラック・メロンについてジャンドランドの荒野で採れ、殻を割るとミルクのような果汁があり、味は酷いが飲んでも害はなく、タスケン・レイダーはこれで命を長らえていると説明している。
オビ=ワンは街の商人にブラック・メロンを持って行き、干ばつとで水がなく苦しんでいる水分農夫たちにこのブラック・メロンの存在を教えようとしたが、ギャングから街の人々を守るためやむを得ずフォースを使い、注目を避けるため話が終わらないうちにその場を去ることに。
「ベン・ケノービ老人の日誌より 最後の一人」は、「スター・ウォーズ:ナー・シャッダの決斗」に収録されている。「ベン・ケノービ老人の日誌より」は、オビ=ワンのタトゥイーンでの生活や考えが描かれており、ディズニープラスで配信予定のドラマ「オビ=ワン・ケノービ」を見る上での参考になりそうだ。
タトゥイーンは昔、海があった
タスケン・レイダーの部族長は、ボバ・フェットにタトゥイーンには昔、海があったことを語る。
ジャワの伝説によると、昔のデューン・シーは海であったということが書籍「アルティメット・スター・ウォーズ」にて設定されている。
ラルフ・マクウォーリーのコンセプトアート
部族長のトカゲによる幻覚と、砂漠での放浪から戻ってきたボバ・フェットが持ち帰った枝から、自らの手でガダッフィの杖を作る作業場のような場所は、『エピソード4/新たなる希望』の制作のため、ラルフ・マクウォーリーが描いたタスケン・レイダーのプロダクション・ペインティングが元になっている。
宇宙船の残骸のような場所にいるタスケン・レイダーが、ついに実写となった…
『アラビアのロレンス』のようなコンセプトアート
これは本編からではないのだが、「チャプター2:タトゥイーンの部族」のエンドクレジットに登場するパイク・シンジゲートのホバー列車が煙を上げて横倒しとなり、砂丘の上からタスケン・レイダーたちが駆けつけているコンセプトアートは、『アラビアのロレンス』のワンシーンと構図がよく似ている。
本編では平地となっていたため、近い印象は感じられなかったがコンセプトアートの時点では意識していたのではと思われる。
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