Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン1 第1話「チャプター1:マンダロリアン」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「チャプター1:マンダロリアン」のストーリー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
当然ながら、この記事は「マンダロリアン」シーズン1「チャプター1:マンダロリアン」のネタバレを含んでいます。本編鑑賞後にご覧ください。
「マンダロリアン」シーズン1全体のネタバレなしレビューは、以下のエントリーをご参照ください。
「チャプター1:マンダロリアン」ストーリー
氷の惑星パゴドンにあるカンティーナでは、青い肌をしたエイリアンのミスロルが男たちに取り囲まれていた。
その店に入ってきたマンダロリアン・アーマーを着た男、「マンダロリアン」も男たちの一人に絡まれるも、瞬く間に男たちを全員倒してしまう。
しかしマンダロリアンはミスロルの男を助けたわけではなく、賞金首だったので捕らえに来たのだ。
パゴドンからの離陸前、クリーチャーのラヴィナックに襲われるもマンダロリアンはこれを撃退。
宇宙船レイザー・クレストは、ミスロルの男を乗せて飛び立つ。船内を物色するミスロルの男だったがあえなくカーボナイト凍結され、レイザー・クレストはネヴァロに到着する。
ネヴァロのカンティーナで賞金稼ぎギルドのグリーフ・カルガと会ったマンダロリアンは、カーボナイト凍結された賞金首たちを荷下ろしし、今回の仕事の報酬を帝国クレジットではなくカラマリ・フランで半額を受け取る。
グリーフ・カルガから紹介された詳細が不明の次の仕事の話を聞きに行くマンダロリアンは、ネヴァロの裏路地にある建物へ。中にはストームトルーパーたちに警護されたクライアントがいた。
クライアントからは、マンダロリアン・アーマーに用いられる合金である大量のベスカーを報酬として、年齢は50歳である賞金首の限られた情報が提示される。賞金首は生かしたまま捕らえるという注文がありつつも、殺した場合でも額は下がるが報酬を出すということだった。
クライアントとの面会後、マンダロリアンが向かったのは同胞たちの隠れ家。マンダロリアン・アーマーなどを制作するアーマラーに、手付金としてクライアントから手に入れたベスカーを渡す。
マンダロリアンはアーマラーが肩のアーマーを制作する様子を見ながら、自身の孤児となった過去を振り返る。
クライアントからの情報を元に、マンダロリアンは賞金首を追ってアーヴァラ7にたどり着く。
ここで2体のブラーグに襲われて窮地に陥ったマンダロリアンをアグノートのクイールが救った。クイールは、マンダロリアンの目的地である野営地まで案内が出来ると言う。これまでもここまでやって来た者たちはいたが、全員死んだということも告げる。
翌日、野営地まで向かう騎乗用のブラーグに乗ろうとするも苦戦するマンダロリアン。先祖はミソソーに乗っていただろうと言うクイールの声もあり、騎乗出来るようになったマンダロリアンとクイールは目的地へと向かう。
マンダロリアンは野営地まで案内してくれた謝礼を渡そうとするが、これを固辞するクイール。ここに集まったならず者のせいで治安が悪くなったこと、数々の武勇伝を持つマンダロリアンと初めて会ったことを理由に挙げ、そんなマンダロリアンにより平和が戻ることを期待して、彼はその場を去る。
偵察するマンダロリアンに先行して、賞金稼ぎドロイドのIG-11が野営地に乗り込んでしまう。IG-11に声を掛けたマンダロリアンは銃撃を受けるが、同じギルドのメンバーだと明かし、同じ任務を受けている者がいることにお互い驚く。
協働することにした2人はニクトの傭兵たちを蹴散らしていくが、その人数と兵力の前に次第に追い詰められ、IG-11は自爆しようとしてしまう始末。
しかしIG-11がおとりになって、マンダロリアンがレーザーキャノンを奪取したことで形成逆転し、ニクトたちをなんとか全滅させる。
野営地の中で、トラッキング・フォブが反応した先にはヨーダの種族の幼児であるザ・チャイルドがいた。この種族にとっての年齢50歳、今回のターゲットはこのザ・チャイルドだったのだ。
ザ・チャイルドを前にして、マンダロリアンは賞金首を生きたまま連れて来るよう命じられているが、IG-11は賞金首を抹殺する依頼だったことが判明する。
なぜか相反する依頼の間で、マンダロリアンはIG-11をブラスターで機能停止させ、ザ・チャイルドの抹殺を防ぐのだった。
「マンダロリアン」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「チャプター1:マンダロリアン」トリビアチェックポイント
デイヴ・フィローニ初実写監督作
「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」、「スター・ウォーズ 反乱者たち」など、これまでアニメーション作品を制作してきたデイヴ・フィローニは、「マンダロリアン」にて製作総指揮のほか、「チャプター1:マンダロリアン」、「チャプター5:ガンファイター」にてエピソード監督を務めた。
そのため本作「チャプター1:マンダロリアン」は、デイヴ・フィローニの初めての実写監督作となる。
クオレン
冒頭の氷の惑星パゴドンの酒場のシーンで、ミスロルに絡んだ末にマンダロリアンによってドアに挟まれたエイリアンはクオレン。
クオレンは『エピソード6/ジェダイの帰還』で初登場し(ジャバの宮殿にいたテセック)、スクイッド・ヘッド(イカ頭)とも呼ばれる通りイカのような形状の頭で口に触手を持つ種族。
故郷は、モン・カラマリと同じモン・カラで、両種族は対立関係にあった。クオレンとモン・カラマリの戦いについては、「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」シーズン4 第1話「海洋惑星の激戦」から始まるエピソードで描かれている。
クバーズ
氷の惑星パゴドンにてランドスピーダーをフルートで呼び出していた鼻の長いエイリアンのクバーズは、『エピソード4/新たなる希望』のモス・アイズリー宇宙港にて、ルークたちを帝国軍に密告していたガリンダンと同じ種族。
ミスロル
マンダロリアンが捕らえた青い肌をしたエイリアン、ミスロルは『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』にも登場している。エイジャン・クロスのレジスタンス基地にいたジュン・ゴビントだ。
ミスロルは、2019年12月公開の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』よりも前に、2019年11月にアメリカで配信された「マンダロリアン」で初登場した種族となる。
アンバン・スナイパー・ライフル
マンダロリアンが愛用している武器は、アンバン・スナイパー・ライフル。
このアンバン・スナイパー・ライフルのデザインは、1978年に放送されたテレビ特番「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」のアニメパートに登場したボバ・フェットが持っていた二又のエレクトロポールが元になっている。
この武器が初めて公開されたのは「マンダロリアン」制作中の2018年のこと。製作総指揮のジョン・ファブローのinstagramにて写真が公開されると、ファンから大きな反響があった。
「マンダロリアン」では、「チャプター1:マンダロリアン」冒頭のシーンで宇宙船レイザー・クレストを襲ったクリーチャーのラヴィナックを撃退する際に初めて使用された。
これは、「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」のアニメパートでボバ・フェットがルークが乗るYウィングを襲うパンナドラゴンを、二又のエレクトロポールで追い払ったことと同様のシチュエーション。
実写ドラマシリーズである「マンダロリアン」が、『スター・ウォーズ』初の実写テレビドラマである「ホリデー・スペシャル」へ捧げたオマージュだと思われる。
トイレ
マンダロリアンが捕らえたミスロルが、「真空チューブ(vacc tube)を使いたい」と言ったのは会話の流れからわかる通り、トイレのこと。
『スター・ウォーズ』の映像作品でトイレについて言及されるのは、「マンダロリアン」の「チャプター1:マンダロリアン」が初めてのこと。
ライフ・デイ(生命の日)
真空チューブへ用を足しに行くフリをしたミスロルは「ライフ・デイまでには釈放されるといいが」と言う。
このライフ・デイ(生命の日)とは、「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」に登場した故郷のキャッシークにて祝ったウーキーの祝日。「ホリデー・スペシャル」では、ルークやレイア、ハン・ソロ、チューバッカ、C-3PO、R2-D2がライフ・デイを祝った。
正史(カノン)の映像作品で、生命の日に言及されたのは初めてのこと。
カーボン凍結
脱走を企てたミスロルだったが、結局マンダロリアンにカーボン凍結されて護送されてしまう。
カーボン凍結は、もちろん『帝国の逆襲』でダース・ベイダーがルーク・スカイウォーカーを捕えようとする際、安全に連行するためカーボン凍結をハン・ソロでテストをしたことが初めての登場。
「クローン・ウォーズ」では、シーズン3 第18話「鉄壁の要塞」ではアナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービとクローン・トルーパーらがスキャンをかいくぐるためにカーボン凍結をして潜入したこともあったため、ダース・ベイダーは実用に足ることを知っていたと思われるが、カーボン凍結されたハン・ソロがジャバ・ザ・ハットの宮殿でしばらく飾られていたこともあり、『ジェダイ帰還』から5年後が舞台となった「マンダロリアン」の頃には、賞金稼ぎの世界でもカーボン凍結してターゲットを連行することがメジャーな手法となったのだろうか…
キューゾ
ネヴァロのカンティーナには、様々な種族の姿が。その中には、「クローン・ウォーズ」に登場した賞金稼ぎのエンボと同じキューゾという種族の姿もある。2015年のフォース・フライデーで華々しくフィギュアが発売されたものの、『フォースの覚醒』本編には一瞬しか登場しなかったことで悪名高いズヴィオ巡査も同じキューゾだ。
ネヴァロのカンティーナでは、ほかにもローディアンやトランドーシャンなどの姿も確認出来る。
TT-8L/Y7ゲートキーパー・ドロイド
クライアントが待つ帝国軍の残党のアジトの建物のドアの前にマンダロリアンが立つと、飛び出てきた目玉型の門番ドロイドは、ジャバの宮殿の門に設置されていたものと同型のTT- 8L/Y7 ゲートキーパー・ドロイド。
ジャバの宮殿のゲートキーパー・ドロイドと同様に、おなじみのふてぶてしげな音声を発している。
パワードロイド
クライアントが待つ帝国軍の残党のアジトの建物のドアを開けてすぐにいるのは、GNKシリーズ パワードロイド。
銀河のあちこちで使用されているため、『スター・ウォーズ』シリーズでは頻繁に登場するドロイドだが、帝国軍の残党のアジトにいたパワードロイドは『新たなる希望』と同様に、「ゴンク…」というサウンドを発している。
ドクター・パーシング役のオミット・アブダヒは「クローン・ウォーズ」にも出演
ドクター・パーシングを演じたオミット・アブダヒは、「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」シーズン3の第6話「王立アカデミー」、またシーズン5の第16話「歪みゆく惑星」に登場したマンダロリアンのエイミス役で声の出演をしている。
エイミスはマンダロアのロイヤル・アカデミーの学生で、アソーカ・タノや他の学生とともに偶然目にしたマンダロア政府の汚職に立ち向かったほか、シャドウ・コレクティブによるマンダロアへの攻撃の中、サティーン・クライズの救出に力を貸していた。
「マンダロリアン」ではまったく異なるキャラクターを演じることになったが、過去に演じた役柄がマンダロリアンであるというのは面白いところだ。
ベスカー
マンダロリアンに報酬として提示されるベスカーは、マンダロリアンの装甲服に用いられる合金。その耐久性はブラスターの直撃に耐えられ、ライトセーバーの攻撃にも抵抗出来るほど。
「スター・ウォーズ 反乱者たち」には、ベスカーに反応してそれを身に付ける者を蒸発させる兵器であるアーク・パルス・ジェネレーターが登場する。
コワキアン・モンキーリザード
帝国軍の残党のアジトを出た後に、ネヴァロの市場の屋台の中には、コワキアン・モンキー・リザードが、串刺しで炙り焼きにされている!カゴの中では、別のコワキアン・モンキー・リザードがあぶられる串焼きを見て、おびえたようにしている…
コワキアン・モンキー・リザードは、ジャバの宮殿にいたサレシャス・クラムの種族。こいつら、食えるのか!「スター・ウォーズ セレブレーション シカゴ 2019」のトークパネル「The Mandalorian」の会場でこのシーンのフッテージが公開された際、場内はコワキアン・モンキー・リザードの串焼きに大爆笑!
ちなみに、このトークパネルでは「マンダロリアン」第1話のフッテージが見られたのだが、コワキアン・モンキー・リザードの串焼きのシーンはアジトへ行く前に登場しており、アジトを出た後に登場する完成本編とは異なる編集となっていた。
水分農場
アグノートのクイールが惑星アーヴァラ7で営んでいるのは水分農場。
水分農場は、オーウェン・ラーズとベルー・ラーズがタトゥイーンで水分農場を営んでおり、ルーク・スカイウォーカーが育った家ということでおなじみ。水分凝結器も、タトゥイーンのものと同じおなじみの形状だ。
ブラーグ
クイールとマンダロリアンが、ターゲットを追うために乗った生物はブラーグ。
ブラーグは、1985年のテレビ映画『エンドア/魔空の妖精』に登場したクリーチャー。その後、正史(カノン)の作品では、「クローン・ウォーズ」や「反乱者たち」にてライロスが舞台になる際に登場している。
マンダロリアンのスコープを通して写るブラーグは、『エンドア/魔空の妖精』と同じくパペットを使ったストップモーションで撮影されたことが、Disney+ (ディズニープラス)で配信されている「ディズニー・ギャラリー/スター・ウォーズ:マンダロリアン」第5話「特殊効果」で明かされている!
アグノート
クイールの種族であるアグノートは、『帝国の逆襲』でクラウド・シティにいた種族。『帝国の逆襲』では、カーボナイト凍結やゴミ処理区画で働いている姿が確認出来る。
ミソソー(ミソサウルス)
なかなかブラーグに乗れず、ランドスピーダーやスピーダー・バイクを求めるマンダロリアンに対して、「マンダロリアンだろ 先祖はミソソーに乗っていた」とクイールは言う。
このミソソー(ミソサウルス)とは、クイールが言うようにマンダロリアンが乗る生物で、ボバ・フェットの肩のアーマーにデザインされていた頭蓋骨のマークがミソソーのものだ。
レジェンズとされた設定では、ミソソーは巨大な獣だったが、マンダロアの征服者であるマンダロア・ザ・ファーストが率いる軍勢によって絶滅に追い込まれ、以降その頭蓋骨はマンダロアのシンボルとなったというものがある。
IG-11
暗殺ドロイドのIG-11は、『帝国の逆襲』に登場したIG-88と全体的なデザインは似ている。
「マンダロリアン」において、このドロイドをIG-88とせず新キャラクターであるIG-11としたのは、長年に渡り展開されてきたエクスパンデッド・ユニバースのIG-88のストーリーと矛盾し、ファンをガッカリさせてしまうならば新しいキャラクターとしてしまった方が良いというデイヴ・フィローニの判断によるもの(たとえそれらがレジェンズになっているとしても)。
IG-11の声は、エピソード監督の一人であり『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティが演じている。
ニクト
ニクトは『ジェダイの帰還』のクラトゥや、「クローン・ウォーズ」に登場したジェダイのアイマ=ガン・ダイなどに代表される種族だが、別のエイリアンと思えるほど多くの亜種を持っている。その幅広い亜種で数えると、初登場したのは「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」からとなるのだ。
ザ・チャイルド
「マンダロリアン」のマスコットキャラクターとも言えるのが、ヨーダの種族の幼児であるザ・チャイルド。
ヨーダの種族は、種族名も含めてその詳細は不明のままだ。これはジョージ・ルーカスがヨーダの神秘性を守るためにしているためで、これからも種族名が設定されることはないだろう。
以前にはトップスのトレーディングカード「スター・ウォーズ ギャラクシーⅡ」のプロモーションカードにて、ヨーダの種族の像を囲む多数のヨーダの種族というイラストがあったが、ルーカスフィルムから許諾されなかった。
ザ・チャイルドとマンダロリアンが触れ合おうとする「チャプター1:マンダロリアン」の印象的なラストシーンは、デイブ・フィローニのラフスケッチから、ダグ・チャンがコンセプトアートを描き、システィーナ礼拝堂天井画を思わせるミケランジェロの宗教画的で、『E.T』のイメージも汲んだ神秘的な画となった。
「チャプター1:マンダロリアン」サウンドトラック収録曲
「マンダロリアン」のサウンドトラックは、本作がディズニープラスで独占配信のシリーズということもあってか、そのサウンドトラックもCDは発売されず、音楽配信サービスでのデジタル販売のみとなっている。
各エピソードごとにアルバム形式で販売されるとともに、各楽曲ごとに単品で購入することも可能。
シーズン1の第1話「チャプター1:マンダロリアン」の収録曲は、以下の通り。
- 1. Hey Mando!
- 2. Face to Face
- 3. Back for Beskar
- 4. HammerTime
- 5. Blurg Attack
- 6. You Are a Mandalorian
- 7. Bounty Droid
- 8. The Asset
- 9. The Mandalorian
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