「マンダロリアン」シーズン2「チャプター16:救出」エピソードガイド【ネタバレ注意】

マンダロリアン シーズン2 マンダロリアン シーズン2 エピソードガイド
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マンダロリアン シーズン2

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 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン2 第8話「チャプター16:救出」のエピソードガイドです。

 このエピソードガイドは、「チャプター16:救出」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。

 この記事は「マンダロリアン」シーズン2「チャプター16:救出」に至るまでの本編鑑賞後にご覧ください。

 「マンダロリアン」シーズン2の他のチャプターのエピソードガイド、またシーズン1のエピソードガイドは、以下をご参照ください。

マンダロリアン シーズン2 エピソードガイド

Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン2のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。

マンダロリアン シーズン1 エピソードガイド

Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン1のストーリー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。

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「チャプター16:救出」ストーリー

 帝国軍のラムダ級シャトルを追い、攻撃を浴びせるスレーブⅠ。インペリアル・シャトルに乗っているのはドクター・パーシングだ。

 ボバ・フェットが放ったイオン砲が命中し、操舵システムが不能となったラムダ級シャトルに横付けし、ディン・ジャリンとキャラ・デューンが船内に乗り込んでくる。シャトルのパイロットは、新共和国のお尋ね者であるクローン研究者のドクター・パーシングの価値を元に人質に取る。

 シャトルのパイロットはさらに、キャラ・デューンのタトゥーを見てデス・スターからオルデランが破壊されるところを見たと言い挑発する。オルデランの破壊に銀河が喝采し、テロ排除のための些細な犠牲だったと話した直後、パイロットはキャラ・デューンに射殺された。

マンダロリアン シーズン2

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 荒野の中に、工場のような巨大な建造物がある惑星に着陸したスレーブⅠ。店に入ったディン・ジャリンとボバ・フェットは、ボ=カターン・クライズとコスカ・リーヴスに、モフ・ギデオンに誘拐されたグローグー奪回の協力を打診する。

 ギデオンの軽クルーザーを奪えばマンダロア奪還に役立つとディン・ジャリンは提案するが、ボバ・フェットはマンダロアはもはや遺物となった星だと言う。

 その一言に、ボ=カターンもボバ・フェットがクローンであることを揶揄し、ついにコスカ・リーヴスがボバ・フェットに殴りかかる。

 お互いのマンダロリアン・アーマーと格闘術を駆使して店内で戦う2人を、その気概を半分でも帝国に見せていれば、マンダロアを失うことにならなかったと言い、ボ=カターン・クライズが止めに入る。

 ボ=カターンは、ディン・ジャリンに協力する代わりに、奪った軽クルーザーはもらうこと、ディン・ジャリンが使命を終えたらボ=カターンたちの大義である、マンダロリアンによるマンダロア奪還への参加を再考するよう伝える。

 そして、モフ・ギデオンが持つダークセーバーを取り戻すこともボ=カターンの大きな目的だ。

 船内で、モフ・ギデオンの軽クルーザーの戦力について話し合う一同。ボ=カターンは、昔は数百人の乗員がいたが今はごく少ないと見立てるが、ドクター・パーシングはダーク・トルーパー部隊の存在を明かす。スーツを着た人間の弱点を克服した第三世代だ。

 ドクター・パーシングからはグローグーが捕らえられている営倉も教えられる。

 ボ=カターンは、ラムダ級シャトルで救援を要請してから、戦闘機の発着口に緊急着陸させボ=カターン、コスカ・リーヴス、キャラ・デューン、フェネック・シャンドが陽動する間に、ディン・ジャリンがグローグーを救出する作戦を立てる。

 ダーク・トルーパーは、起動までの数分の間に貨物室を封鎖することで対処するのだ。

マンダロリアン シーズン2

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 ボバ・フェットが乗るスレーブⅠと、軽クルーザーに突入するメンバーが乗ったインペリアル・シャトルは、モフ・ギデオンの軽クルーザーの付近にてハイパースペースから離脱。

 手はず通り、スレーブⅠから攻撃を受けていることを装いながら、インペリアル・シャトルの緊急着陸を要請する。これに対し、モフ・ギデオンはタイ・ファイターの出撃を命令。

 シャトルは迎撃機が出撃し終わるまで待つように言われるが、もう待てないと押し切り発射管に着艦。

 スレーブⅠはタイ・ファイターを一掃すると、ハイパースペースへと去って行った。

 着艦したシャトルの周囲のストームトルーパーたちを次々に倒していく侵入者たちに対し、ギデオンはダーク・トルーパーの起動を命じる。

 キャラ・デューン、ボ=カターン・クライズ、コスカ・リーヴス、フェネック・シャンドは、途中でキャラ・デューンのブラスターに異常が起きるも援護し合い、艦内のストームトルーパーたちを蹴散らしてブリッジへと猛進する。

 貨物室までやって来たディン・ジャリンは、起動したダーク・トルーパーたちが扉に到達するところに居合せ、閉じ込めようとするが、1体を外に出してしまう。

 ブラスターを弾く装甲と、ドロイドならではの機械特有の圧倒的なパワーの前に、火炎放射器もホイッスリング・バードも通用せず、苦戦するディン・ジャリンだったが、ベスカーの槍によってなんとかダーク・トルーパーを倒し、貨物室残された残りの一団も宇宙に排出することが出来た。

 一方、キャラ・デューン、ボ=カターン・クライズ、コスカ・リーヴス、フェネック・シャンドはブリッジに到達するが、そこにギデオンの姿はなかった。

 ディン・ジャリンがグローグーのいる営倉のドアを開けると、ギデオンは起動したダークセーバーをグローグーに向けて、待ち構えていた。

 ディン・ジャリンにブラスターを置かせ、ボ=カターンと一緒に来ていること、リスト・ランチャーが弾切れであることを言い当てたギデオンは、ダークセーバーは権力をもたらすものであり、これを持つ者はマンダロアの王を名乗る資格があると説明する。

 子どもさえ返ってくれば良いと言うディン・ジャリンに、ギデオンは必要だった血は手に入れており、その目的を銀河に再び秩序をもたらし得る希有で底知れない力を研究するためだったと明かし、子どもを連れて行くように言う。

 しかし、グローグーに近付くディン・ジャリンの背後からモフ・ギデオンはダークセーバーで斬りかかってきた。ディン・ジャリンは、ベスカーのマンダロリアン・アーマーで斬撃を防ぎ、ベスカーの槍で応戦。

 艦内の通路に舞台を移し、ベスカーの槍とダークセーバーによる決闘が繰り広げられる。勝負は、ディン・ジャリンがマンダロリアン・アーマーでダークセーバーを受け止め、そこで生じた隙をベスカーの槍で突いたことで、ギデオンが膝を着き決した。

 ダークセーバーを起動しながら、ディン・ジャリンはモフ・ギデオンとグローグーをブリッジに連れて来た。

 ギデオンは、決闘で勝ち取ったディン・ジャリンがダークセーバーの現在の所有者であり、ボ=カターン・クライズに彼を殺して奪い取るようそそのかす。

 その時、軽クルーザーのシールドが破られ、何かが宇宙から搭乗しようとして来た。無数のダーク・トルーパーの部隊が、軽クルーザーに戻って来たのだ。艦内に侵入するダーク・トルーパーによる混乱の中、モフ・ギデオンは密かにブラスターを隠し持つチャンスを得ることに。

 ブリッジまで迫って来たダーク・トルーパーの部隊に対し、フェネック・シャンドとコスカ・リーヴスはブラスト・ドアを閉める。

 部隊の先頭に位置するダーク・トルーパーは、ブラスト・ドアを拳で殴り始める。次第に歪んでいくドアを見て、ギデオンは勝ち誇る。

 が、軽クルーザーの付近に1機のXウィングが現れ、ブリッジからの呼びかけには答えないまま着艦した。

 同時に、ダーク・トルーパーのドアへの殴打も止まり、後方に向かって構えの姿勢を取り始めた。

 モニターからは、ローブを着た人物がライトセーバーを振るってダーク・トルーパーと戦っている様子が見える。

 ジェダイだ。

 次々とダーク・トルーパーたちを緑のライトセーバーで斬り捨てていくジェダイ。

 これを見てモフ・ギデオンは、隠し持っていたブラスターでボ=カターン・クライズを撃ち、続いてグローグーにブラスターを向ける。放たれた光弾は、ディン・ジャリンが身を挺して防いだのだった。ベスカーのアーマーにブラスターは通用しない。

 すぐさま、他の面々にブラスターを向けられたギデオンは、自らに銃口を向けて自決を図るがそれもキャラ・デューンにより阻止される。

 モニターに映るジェダイを見つめるグローグー。ジェダイはターボリフトに乗り、ブリッジに至る通路までやって来た。武器を構えるダーク・トルーパーたちだが、ジェダイの圧倒的な力の前には歯が立たず、ついに全滅。

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 ディン・ジャリンにより開けられたドアから出て来たのは、黒いローブに身を包み、右手に黒い手袋を付けた男。ルーク・スカイウォーカーだ。グローグーを迎えに来たのだ。

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 ルーク・スカイウォーカーは、グローグーのフォースは強いが、訓練なしには無力であり、彼が力を極めて自衛出来るまで命懸けで守ると言う。

 ディン・ジャリンは、グローグーに仲間と一緒に行くように言う。クラン・オブ・ツーの2人の別れの時、旅の終わりが訪れたのだ…

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「マンダロリアン」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中

「チャプター16:救出」レビュー

 広大な銀河には、英雄たちが数知れない伝説を残してきた。

 この銀河の片隅を描いてきた「マンダロリアン」においても、名も知らぬ、ただその場所でその瞬間、何か善いことのために力を尽くした英雄たちの姿を見ることが出来た。

 シーズン2の最終回である「チャプター16:救出」では、シーズンを通して登場した英雄たちが集結し、幼い子どもを助け出そうと命を賭けた戦いが描かれる。

マンダロリアン シーズン2

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 その救出劇の最も困難な状況の中で、彼はやって来た。

 英雄の帰還である。

 それは、『エピソード6/ジェダイの帰還』以降のストーリーでファンが最も見たかった瞬間だったはずだ。ジェダイ・ナイト、ルーク・スカイウォーカーが緑のライトセーバーを振るって活躍する、その姿を。

 「I’m Luke Skywalker. I’m here to rescue you.
 (僕はルーク・スカイウォーカー。助けに来ました。)」

 そういえば、ルーク・スカイウォーカーはピンチの時には助けてくれるのだ。今回は名前を名乗らなかったが。

 もしかしたら、窮地に陥ったディン・ジャリンとグローグーたちをルーク・スカイウォーカーが助けに来るシーンを鑑賞することで、同じく「救出」されたファンたちもいるのかも知れない。

 まさかの驚きと、次の展開への高鳴る興奮。すさまじい鑑賞体験が出来たことに感謝だ。

 「チャプター14:悲劇」でグローグーが発したフォースに対して、最終回にどのジェダイが駆けつけるのかということは、シーズンフィナーレに向けた注目のポイントだった。

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 『ジェダイの帰還』から5年後の時代、フォースに大きな動きがあれば「最後のジェダイ」であるルーク・スカイウォーカーは、グローグーの元にやって来る筆頭の候補だろう。

 しかし、ルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルは今や69歳。「マンダロリアン」の頃の年齢は28歳であるルークとは実年齢がかけ離れている。

 『スカイウォーカーの夜明け』で若いルークの姿は登場したものの、それはワンカットのみのことだ。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でターキンをよみがえらせたとはいえ、これは映画ではなく配信作品だから難しいに違いない…

 だから、この時代に生きる他のフォース感知者たちの誰かがやってくるのでは…

 そんな、こちらが色々と勝手に配慮した思い込みを越えて、ストーリー上の必然を第一に、その自由な発想をどう実現させて、どう見せるのかという、制作側の気概を「チャプター16:救出」のクライマックスシーンからは感じられた。

 ダークトルーパーの強敵ぶりを見せつけ、ディン・ジャリンの奮戦と見せ場を作った上で、父であるアナキン・スカイウォーカーを彷彿とさせるような戦いぶりでジェダイとして成長したルーク・スカイウォーカーの圧倒的な姿を存分に描く。

 その顔をローブで隠した上でアクションさせ、引っ張った上でルークの顔を見せるという演出もファンの盛り上がりをわかっている。

 「マンダロリアン」シーズン2 全8話を総括すると、既存の『スター・ウォーズ』シリーズのストーリーとコネクトしたことで、多くのサプライズに彩られたことが、シーズン1と異なる大きな特徴と言えるだろう。

 その最たるものが、スカイウォーカー・サーガの主人公のひとりであるルーク・スカイウォーカーと、サーガの証人にしてルークの相棒であるR2-D2の登場だ。

 傍流であったはずの「マンダロリアン」に、本流が流れ込んで来ることには賛否があるかも知れない。結局、ボバ・フェットやアソーカ・タノ、ルーク・スカイウォーカーといったキャラクターパワーに頼るのかと。

 「ディズニー・ギャラリー/スター・ウォーズ:マンダロリアン」第8話「つながり」で、「兄におもちゃを取られた弟」の世界だと言わしめた、地味な「マンダロリアン」シーズン1とは大違いで、兄の持っているメインキャラクターのフィギュアと一緒に遊ぶことになったのだ。

 しかし、ディン・ジャリンが様々な場所で人助けをして、お互いに協力し合って来た旅の積み重ねの末に、銀河の希望である最後のジェダイを巻き込むという展開は、これまでの行いが報われるかのようだ。

 いずれにしても、ルーク・スカイウォーカーもアソーカ・タノもゲストキャラクターで、ディン・ジャリンとグローグーの旅路で出会う人物であることには変わらず、「仲間であるジェダイの元へ送り届ける」というこの旅の目的は成就され、それは擬似的な家族の別れを意味する。

 自身が信じる掟よりも大切な存在となったグローグーと、ディン・ジャリンの別れのシーンは、お互いを思いやるからこその決別と新たな旅立ちとなっており、ここで描かれるエモーションは、直前に大きなサプライズがあってもブレがなく、普遍的なものだ。ヒーローであるルークが、すべての見せ場を独り占めするという見せ方にはなっていないのである。

 ディン・ジャリンとグローグーの旅は終わり、「マンダロリアン」はいわば「ザ・チャイルド編」とでも言うべき章に一区切りしたようだ。

 グローグーと別れたディン・ジャリンは、これからどのような道を選ぶのか。タイトルの「マンダロリアン」は、ディン・ジャリン個人のことであるとともに、マンダロリアンという種族、教義のことも含んでいると思われるため、ボ=カターン・クライズらとともにマンダロアの復興を目指すのだろうか。

 また、シーズン2を通して登場したゲストキャラクターたちのその後のストーリーも気になるところだ。

 アソーカ・タノのスローン大提督(が生存しているならば、健在の可能性があるエズラ・ブリッジャー)の探索、まさかのエンドクレジット後の映像で描かれた、以前のクライアントであるジャバ・ザ・ハットの宮殿を乗っ取ったボバ・フェットとフェネック・シャンドの野望…

 こうして「マンダロリアン」シーズン2からは、すでに発表されているだけでも「Rangers of the New Republic(新共和国のレンジャーたち)」、「Ahsoka(アソーカ)」、そして「チャプター16:救出」のエンドクレジット後にサプライズ発表された「The Book of Boba Fett(ザ・ブック・オブ・ボバ・フェット)」と、同時代を描く3シリーズが枝分かれすることになる。

 「マンダロリアン」シーズン2の役割として、ディズニープラスの『スター・ウォーズ』作品のハブや、配信オリジナル作品のショーケースのような位置付けもあったのではないかと思う。

 『スカイウォーカーの夜明け』でスカイウォーカー・サーガが終わり、2015年以降で初めて『スター・ウォーズ』映画の公開がなかった2020年。

 やはり映画館での体験に代わるものはないが、「マンダロリアン」が日本も含めて同時に配信されることで世界中がともに熱狂し、家庭など自分の日常の中で毎週鑑賞することで、生活の中の楽しみをひとつ増やしてくれたことは、『スター・ウォーズ』の配信作品の魅力を確立させてくれたと思う。

 1年も待たなくていい。1週間待てば、『スター・ウォーズ』の新作が見られるというのは、多くのファンの心を多少なりとも踊らせたのではないだろうか。

 「マンダロリアン」シーズン2は、ディズニープラスでの『スター・ウォーズ』オリジナル配信作品の存在感をより高めることが出来たと感じる。今後、10作品もの配信オリジナルシリーズを発表しており、ますます「『スター・ウォーズ』はテレビドラマで見るもの」という傾向は強まるが、「マンダロリアン」シーズン2を見る限りでは、その展開には期待が持てるのだ。

 一方で、これだけ多くのシリーズをサブスクリプションサービス限定とすると、ディズニープラスの会員と非会員のファンの間で同じ作品を共有出来ないという、分断が起きるのではとも思う。

 愛すべきディン・ジャリンとグローグーの旅は終わったが、物語は2021年から製作される「マンダロリアン」シーズン3へと続く。来年以降に展開される配信オリジナル作品では、「マンダロリアン」とのリンクも用意されるだろう。そんな足跡を楽しみながら、ディン・ジャリン、グローグーのクラン・オブ・トゥーのそれぞれの「我らの道」と再び交われる日を、期待して待ちたい。

「チャプター16:救出」トリビアチェックポイント

ペイトン・リード

 「チャプター16:救出」のエピソード監督は、「マンダロリアン」シーズン2の「チャプター10:乗客」でもエピソード監督を務め、『チアーズ!』、『アントマン』といった映画の監督であるペイトン・リード。

ラムダ級シャトル(インペリアル・シャトル)

 冒頭、スレーブⅠに追跡されているドクター・パーシングが乗る宇宙船は、ラムダ級シャトル(インペリアル・シャトル)。

 ラムダ級シャトルは、『ジェダイの帰還』などに登場したダース・ベイダーやパルパティーン皇帝などの帝国軍の要人を輸送するシャトル。クローン技術者であるドクター・パーシングは重要人物であるため、このラムダ級シャトルに搭乗していたというわけだ。

 これまでの実写の『スター・ウォーズ』では、ラムダ級シャトルが高速で飛び回る戦闘シーンはなかったので、「チャプター16:救出」のオープニングでは興奮したファンも多かっただろう。

デス・スターによるオルデランの破壊

 インペリアル・シャトルのパイロットは、キャラ・デューンのタトゥーを見てオルデランの出身であることを指摘し、さらにデス・スターからスーパーレーザーで破壊する様子を見ていたと言う。

 これはもちろん、『新たなる希望』にてグランドモフ・ターキンの指令によってオルデランの王女であるレイア・オーガナの眼前で、オルデランが破壊された時のことを指している。この後、ヤヴィンの戦いにおいてルーク・スカイウォーカーによってデス・スターは破壊されたが、デス・スターでオルデランの破壊を見たというこのパイロットは、どのように生き延びたのだろうか…

パイロットのセリフの日本語字幕/吹き替えの意味違い

 キャラ・デューンとインペリアル・シャトルのパイロットがデス・スターによるオルデランの破壊について話し合う会話にて、パイロットが言う以下のセリフは日本語字幕/日本語吹き替えでは以下のようになっている。

  • 原文:「Do you know how many millions were killed on those bases?」
  • 日本語字幕:「オルデランで何百万人もが死んで…」
  • 日本語吹き替え:「オルデランで何百万もの人間が死んでいったよな」

 原文の「bases」と、自分はデス・スターにいたと言う前後の文脈から考えると、ここでパイロットが何百万人も亡くなったと言っているのは、オルデランではなくデス・スターのことだ。

 帝国軍パイロットは、キャラ・デューンにオルデランの破壊を眼前で見たと言いつつ、直後にデス・スターも同様に破壊されており、自分(帝国軍側)も同様に数えきれないほど多くの仲間を失っているということを主張したかったのだろう。

 その上で、銀河系のテロを未然に防ぐためだったとオルデランを破壊したことへの正当性について話しており、このパイロットとキャラ・デューンの会話は、つまり報復の連鎖を描いたものなのだ。

 日本語字幕/日本語吹き替えでは、これをデス・スターではなくオルデランのことを指していると解釈したようで、原文にはない「オルデラン」という固有名詞を加えており、意味合いが異なっている。

 そもそも、惑星であるオルデランの犠牲者が何百万人できくはずがなく(20億人が犠牲になったと言われる)、規模の面からもデス・スターの犠牲者だと考えられるはずだ(デス・スターの乗員は110万~120万人)。

「脇役なのに態度でかい」

 コスカ・リーヴスは、店内でボバ・フェットに「脇役なのに態度でかい」と言う。

 ボバ・フェットは『帝国の逆襲』、『ジェダイの帰還』において、わずか5つのセリフしかない脇役にも関わらず、ファンから主要キャラクター並みの大きな人気を得ており、これに対してメタフィクションな形でネタにしているように思える!

レストランのメニュー

 ボ=カターン・クライズとコスカ・リーヴスがいた店のメニューには、様々な『スター・ウォーズ』ギャラクシーの料理や食べ物の名前がオーラベッシュで記載されている。

メイルーラン

 メイルーランは、もともとスピンオフ小説の「新生ローグ中隊」シリーズである「首都奪回への賭け」に登場した果物で、正史(カノン)では「反乱者たち」にたびたび登場。

 また、ディズニーパークのテーマエリア「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」のレストランである「ロント・ロースターズ」では、メイルーラン・ジュースが販売されている。

カドゥ・リブ

 カドゥは『エピソード1/ファントム・メナス』に登場した、ナブーでグンガンが騎乗していた生物で、カドゥ・リブは「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」のレストラン「ドッキング・ベイ7 フード&カーゴ」で販売されているメニューだ。

 また、ゲーム「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」や、中国で発売された小説「The Vow of Silver Dawn(星球大战:白银誓约)」にも登場。

ロースト・ヌーナ

 ヌーナは、『エピソード1/ファントム・メナス』、『エピソード2/クローンの攻撃』、「クローン・ウォーズ」などにて登場した生物。

 ヌーナは脚の肉や卵を様々な調理方法で食べることが出来、ヌーナの脚のフライやヌーナ・ターキー・ジャーキーなどがあるが、ロースト・ヌーナは「チャプター16:救出」で初めて登場したメニューだ。

エンドリアン・ティップ=イップ

 ティップ=イップはエンドアにいる鳥のような生き物で、「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」のレストラン「ロント・ロースターズ」では、フライド・エンドリアン・ティップ=イップというメニューが販売されている。

シャアク・ケバブ

 シャアクは、『エピソード1/ファントム・メナス』、『エピソード2/クローンの攻撃』などに登場したナブーの生物。

 『エピソード2/クローンの攻撃』にて、ナブーの草原でアナキン・スカイウォーカーがパドメの前でシャアクの上に乗り、落ちてケガをしたフリをするシーンは代表的な登場場面だ。

トパト

 トパトは、「クローン・ウォーズ」シーズン2 第10話「逃亡者」、シーズン5 第9話「求められる絆」に登場する果物。

 また、「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」と連動した書籍「A Crash of Fate」、「Star Wars: Galaxy’s Edge: The Official Black Spire Outpost Cookbook」では、トパトシチューという料理も登場している。

ヨブシュリンプ

 ヨブシュリンプは、ナブーに原生するエビのような生物で1999年のゲーム「Star Wars Episode I: The Gungan Frontier」で初登場。

 正史(カノン)では、「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」のレストラン「ドッキング・ベイ7 フード&カーゴ」にてヨブシュリンプ・ヌードル・サラダが販売されている。

スペース・ワッフル

 スペース・ワッフルは、「反乱者たち」にて登場する食べ物。このほか、「スター・ウォーズ レジスタンス」や「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」にも登場している。

ラムタ/アーリサ/ハロウン・ブレッド

 ラムタ、アーリサ、ハロウン・ブレッドは『エピソード1/ファントム・メナス』で、タトゥイーンのシミ・スカイウォーカーとアナキン・スカイウォーカーの家にて、クワイ=ガン・ジン、パドメ・アミダラ、ジャー・ジャー・ビンクスに出された食べ物。

ロースト・シビ

 ロースト・シビは、シビ・ゴードという果実を炒ったものだと思われる。

 シビ・ゴードは、『エピソード1/ファントム・メナス』で、タトゥイーンのシミ・スカイウォーカーとアナキン・スカイウォーカーの家で出された食べ物だ。

フラルをつけあわせたクシュニップ

 フラルをつけあわせたクシュニップは、『フォースの覚醒』にてタコダナのマズ・カナタの城の食堂で出されていたメニューだ。

ゴーント

 ゴーントは、『フォースの覚醒』にてタコダナのマズ・カナタの城で肉として提供されていた。もともとは、2000年のスピンオフ小説のニュー・ジェダイ・オーダー・シリーズ「バランス・ポイント」にて登場。

固形粥(ポーションパン)

 固形粥(ポーションパン)は、『フォースの覚醒』にてレイが回収したジャンク品の報酬として受け取り、液体と混ぜるとあっという間に膨らむあのパンのこと!

 レストランでもあれを売っているのか!

ヴェジ=ミート

 ヴェジ=ミートは、『フォースの覚醒』でアンカー・プラットがゴミ漁りたちに渡していた報酬のひとつで、もともとは軍隊用のレーションだった。

コムルク級ファイター

 翼を垂直にして停泊している宇宙船は、ボ=カターン・クライズらが使用しているコムルク級ファイターだ。

 コムルク級ファイターは「クローン・ウォーズ」、「反乱者たち」にて登場し、マンダロリアンの中でもデス・ウォッチらが使用していた。また、『スカイウォーカーの夜明け』でもエクセゴルの戦いに駆けつた宇宙船のひとつとして、レジスタンスに加勢している。

タイ・ファイターの発進シーン

 モフ・ギデオンの軽クルーザーからタイ・ファイターが発射管から発進するシーンは、格納庫から吊り下げられて移動し、急加速して飛び立つところまでをコックピット内のアングルなども用いて描かれており、これまでの『スター・ウォーズ』実写作品にはないディテールの細かさがあった。

 様々なSF作品において、メカニックの発進シーンはファンの心を躍らすものだ。「マンダロリアン」の製作陣は、この点をよく押さえていると感じる!

レッド5

 モフ・ギデオンの軽クルーザーに突如、飛来してきたXウィング。後にその正体は、ルーク・スカイウォーカーとR2-D2が搭乗して来たレッド5だとわかる。

 レッド5は、『新たなる希望』でのレッド中隊のルーク・スカイウォーカーのコールサインで、その後もルークが乗るXウィングの呼び名として定着している。

 『最後のジェダイ』では、ルークが隠遁生活を送る時にオク=トーの海中に沈めており、『スカイウォーカーの夜明け』にてルーク自身により引き上げられ、レイが搭乗してエクセゴルまで向かった。

マーク・ハミル演じるルーク・スカイウォーカー

 ダーク・トルーパーを全滅させ、グローグーを迎えに来たのは黒いローブに身を包み、右手に黒い手袋を付け、緑のライトセーバーを持つジェダイだった。

 「チャプター16:救出」では、スタントのクレジットからこの役名は「ジェダイ」ということになっているが(劇中では誰もルーク・スカイウォーカーの名前を出さないし、ルークも名乗っていない)、『スター・ウォーズ』を見ている視聴者にとっては、当然ながらルーク・スカイウォーカーであるとわかる。

 クレジットには、出演者としてマーク・ハミルの名前が記載されている。おそらく、『スカイウォーカーの夜明け』での若いルーク・スカイウォーカーと同様の手法で制作されたものと思われるが、どこまでマーク・ハミルが演じたのかメイキングの公開を待ちたいところだ。

 マーク・ハミルは、シーズン1 第5話「チャプター5:ガンファイター」にてカンティーナにいるドロイド、EV-9D9の声を演じていたが、まさかシーズン2でルーク・スカイウォーカー役で出演することになるとは…

「マンダロリアン」シーズン1「チャプター5:ガンファイター」エピソードガイド【ネタバレ注意】
「マンダロリアン」シーズン1 第5話「チャプター5:ガンファイター」のストーリー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアを、ネタバレありで解説します。

R2-D2

 ルーク・スカイウォーカーとともにグローグーを迎えに来たのは、ルークの相棒であるアストロメク・ドロイドのR2-D2だ!スカイウォーカー・サーガをC-3POとともに見つめて来たドロイドが、「マンダロリアン」にも登場することとなった。

 ルーク・スカイウォーカーがオク=トーに隠遁生活を送る前まで、「チャプター16:救出」のようにルークのジェダイとしての活動にR2-D2が付き添っていることは、「スター・ウォーズ:砕かれた帝国」などの作品でも描かれている。

ビブ・フォーチュナ

 「チャプター16:救出」は、エンドクレジットが終わらないうちに再生を止めてはいけない。エンドクレジットの後に、2021年12月にディズニープラスで配信されるボバ・フェットが主役の新シリーズ「ザ・ブック・オブ・ボバ・フェット」へと至る映像が放映されるからだ!

 この映像では、ジャバ・ザ・ハットの執事であったビブ・フォーチュナが『ジェダイの帰還』でのセール・バージの爆破の後も生きており、タトゥイーンのジャバの宮殿の玉座に付いていたことが明らかになる。

 かつての主人と同様に謁見の間の玉座に座り、5年前よりも肥えたビブ・フォーチュナを演じているのは、『スター・ウォーズ』シリーズのサウンドエディターであるマシュー・ウッド。

 マシュー・ウッドは、『エピソード1/ファントム・メナス』にてモス・エスパのブーンタイヴ・クラシックのポッドレースアリーナにて登場したビブ・フォーチュナを演じており、公開年にして実に21年ぶりの再演となった!

 マシュー・ウッドはこのほか、『エピソード3/シスの復讐』や「クローン・ウォーズ」でグリーヴァス将軍などの声を演じている。

 また、ビブ・フォーチュナが持っている杖は、ケナーから発売されていたアクションフィギュアに付属していたオリジナルの杖と形状が似ており、こちらをモチーフにしているようだ。

 ちなみに、フェネック・シャンドは「チャプター16:救出」の最後までモフ・ギデオンの軽クルーザーに乗っており、ボバ・フェットが乗るスレーブⅠはハイパースペースにジャンプして別れているため、この「ザ・ブック・オブ・ボバ・フェット」の告知映像での出来事は、「チャプター16:救出」から少し時間が経ってからのことだと思われる。

「マクランキー」

 ビブ・フォーチュナが発するセリフの中で、「マクランキー」という言葉が聞き取れる。

 「マクランキー」とは、海外のディズニープラスで『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が2019年に配信された際に4K HDR版となるにあたり、カンティーナでのハン・ソロとグリードのシーンが再修正され、なぜか過去のバージョンで発言していなかった「マクランキー」というセリフを撃たれる直前にグリードが言い残すようになったことで、ファンの間で話題になったセリフだ(日本のディズニープラスでは、『新たなる希望』は4K HDR版ではないためこの修正版は視聴出来ない)。

 1年前にファンの間で話題になったネタを、早速本編に取り入れて来るとは!

「マンダロリアン」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中!
Disney+ (ディズニープラス)

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summer2005

2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。

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